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藤川真一について


初代モバツイ開発者
想創社再創業 / KMD博士課程
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May 18, 2013

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確かにiPhoneという名のタッチパネルパソコンは革命的に凄い。何より高性能でゲームもできるし、ボタンを意識しなくて使えるし、いろんな機能が割と自由に使える。

でも進化には必ず退化があって、最初にiPhoneは売れないって言ってた人たちが着目していた部分は、そういう部分。そういう指摘は間違っていないと僕は思っていて、ただし、商業的にそこがネガティブファクターになるかというと、必ずしもそういうことではないというのはITの歴史でもある。

つまり、うまくいかなければ、おサイフケータイがついてないだの、絵文字がないだのが失敗要因として語られるが、それを上回るメリットがあれば、そんなの関係無かったよね、と言われるだけのこと。

スマホがもたらした負の部分は、ガラケーで普通に使えてたサービスをそのままスマホ化するとオーバースペックになってしまうこと。

これは、一画面で扱える情報量と、操作ナビゲーションがある意味退化してしまったからだと言える。この部分は、明確に意識する必要があるのではないだろうか。

携帯についていけてなかったオッサンたちはこれを進化と歓迎し、ポケベルや携帯を苦に思わなかった若い子達は、目的がコミュニケーションなので、そんなことを説明できないし、するつもりもないので、現状、ガラケーは、時代の徒花的なネガティブな存在として位置づけられていたりもする。

しかしそれはさておき、やっぱりスマホはスマホにあわせてサービスを再構築していかないといけないよねって思いを新たにしたので、メモをしたくなった。

というのも、携帯についていく実力のあった器用な若い子たちは、何より感性と感情で言葉を発するので、ガラケーサービスが、スマホで使いにくい時に、何がダメなのかを発言することはあんまりしない模様。単純にスマホネイティブのサービスへと去っていくか、「なにこれ使いにくい」とだけしか教えてくれないから、そこは自分たちで変えていくしか手がない。

ところがそれと同時に、主要顧客のユーザーの気が変わるまでは、別に新しいフィーチャーを求めているわけでもなく、自分がやりたいことをやりたいようにやれば良いので、現状のまま使えることを求める。つまり慣れこそが一番のプラクティスになっており、それが変革への阻害要因にもなる。

問題は、それをスマホに持ってきた時に、スマホのUIでは明らかに無理がある機能をそのまま実現せざるを得ない時だと思う。

そういう機能の代表的なのがページネーションの変革だ。ガラケーとくらべて、大容量のメモリ、タッチパネルによる美しいスクロール体験、そしてメモリを再利用できるテーブル機能などが用意され、連続的な情報のナビゲーションを前提としている。ガラケーが少ないメモリの中でページネーションを常識としていたところとは違う。スマホにおいては、結果として情報の昇順や降順などの自由度はあまり与えないほうが使いやすいという、ある種の機能の退化を伴った状態に最適化された。これを人は「直感的なUI」と言う。

こういう部分を無視して、「今までの当たり前」を実現することは、既存の現状維持派には嬉しいのだが、後から入ってきた新しい人たちには使いにくいものになり、新規獲得と顧客維持の面で矛盾が起きる。そもそも指で押せるようにボタンが大きいので、提示可能な情報量と使い勝手はトレードオフになるのがタッチパネル液晶UIの特徴である。ガラケーが文字にリンクを貼って、詰め込んでおいても十分閲覧できたのとはワケが違う。

結果として、ガラケーの成功体験が、そのままスマホファーストのサービスに足元を救われる分水嶺になりかねない。iPhoneが、アレもないコレもないから、うまくいかないと言われた理由と同じような話が繰り返される。

smart phone is a user interface. だと思うのだ。ガラケーよりも退化したというのは、スマホが、新しいユーザーインターフェースとしての変革をもたらせた裏腹の要素だと思う。だからこそ、スマホが本流になってしまった今、ガラケーの成功体験は、ホント細かいところから捨てなくては行けないと思う。(と、考えるとホント大変だよね)


p.s.そんなの当たり前だろうと思うだろうけど、会社ひとつ存続するかなくなるかってレベルの話になると、そうは簡単にはいかなくて、売上を伴った形でのスクラップアンドビルドってのは、相当難しいわけです。

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