January 06, 2013
正月にFacebookのタイムラインに流れていたのでkindleで買って読んでみたら、想像以上に面白かった。
paperwhite買ってから、初めてマーカー機能でメモを残したくなったのでblogにもメモしておく。
勝ち続ける意志力 世界一プロ・ゲーマーの「仕事術」 (小学館101新書) [Kindle版]
少し本について紹介しておくと、著者の梅原氏は有名なプロゲーマー。2012年の段階で31歳。プロゲーマーとしては決して低い年齢ではない中で、プロとして生き残る術と挫折、葛藤が、赤裸々に書かれた、自伝であり、ジャンルとしては自己啓発本かな。
自分の好きなことを、人生の糧として貫くのがこうにも辛いものかと強く考えさせられる一冊であり、イチローのような地道な努力こそが専門職としての長いキャリアを維持するものだと改めて考えさせてくれる。
僕の中では、ほぼ同世代のイチローが世界にチャレンジしたというのが、自分なりのちっぽけな独立心の支えになっていたのですが、松井が引退し、イチローもそろそろ引退の年で、なんというか焦りというか、ロールモデルがなくなることへの危機感を感じていたのですが、自分より若い人を参考にすればいいんじゃないかと思った。
野球選手が参考にならないと思っていた点が、野球というビジネスは完成されたものであり、野球選手の成功者には既に恵まれたキャリアパスが存在していること。それに対して、プロゲーマーという新しい生き方にはキャリアパスが全く存在しない。その段階で持つ悩みは野球選手にはない未開の地であり、ITを生かして生きる自分にも全く言えることだと思う。
ネットには自分と同年代か、もっと若い成功者が多いので、成功者として達観している彼らの発言を見ていると正直焦るわけですが、しかしながら、彼らもまた今より高い年齢になった時に何が起きるかってのはわからず恐怖を抱いていたりするわけです。だから同じネット業界、IT業界で見ていても、自分にとってあまりメリットはなくて、もっともっとスピードの早い世界を見ればいいんだなぁと気づいたのがこの本の面白さだった。
また、ゲーム業界は勝つためのテクニックが瞬時にネットに流通する世界。ネット業界と基本的に同じ構造。知の高速道路が整備されている中で、生き残る秘訣を梅原氏自身の葛藤や経験から語っているので非常に説得力がある。
とかなんとか思いながら読んでいた。いくつかの強がりも含めて書いてる気がするけど、長くなりましたが、以下がいいなぁと思った部分のメモです。
格闘ゲームのプロゲーマーは、海外では23〜24歳が反射神経のピークだと思われている件について、
僕から言わせれば、彼らは年齢を言い訳にしているだけで努力の仕方が足りないのだと思う。努力が老いに負けているわけだ
「迷う力」より(このタイトルいいなぁ)
センスや運、一夜漬けで勝利を手にしてきた人間は勝負弱いこれは自戒を込めて。自分が、そういうタイプなんじゃないかという危機感はずっと持っている。
そのゲームが本当に好きなわけじゃなくて、ただ大会で勝ちたいから練習したような場合、そのゲームを心から愛している人間、そのゲームに懸けている人間には到底勝つことはできない。ホントそうだね。自分はそのつもりはないつもりだったけど、僕ももしかしたら大会を勝ちたいという欲求が高いのかもしれない。ホントこうなると人ってモノ作れないですよ。
今は自分で何かをしようとしてもがいているけど、もし、それが好きなことではないのなら、人やチームを助ける側に回ろう。好きになれるベクトルにピボットしよう。その見極めのために今は前に進む。
ゲームの戦い方がパクられても、自分だけのもので、永遠に自分を勝ち続けさせてくれるものとは何か?
新しい戦術(特許)を生み出す努力であり、発見に必要なノウハウだ。そのことに気づいてからは、真似されても何とも思わなくなった
真っ暗で何も見えない。だけど、この先に必ず道がある。そういった確信がないと、前へは進めない。自分の考えは正しいはずだ。まだ誰も歩いてない道だが、この道を歩き続ければ人よりもきっと遠くへ行ける。人よりも強くなりたいのであれば、自分を信じて、不安を打ち消しながら進むしかない。
自分にとって何がいいのか思い悩むだけではなく、まずは行動する、漫然と変化を待つのではなく、行動によって環境そのものを変えてしまうのだ
・・・夢は作れる。後からついてくる。自分で探しに行くことができる。
とにかく前に進めばいいじゃん!って言葉が理解はできるけど、そうは言ってもいろいろあるじゃんか!って思ってる人は、是非読んでみてください。
勝ち続ける意志力 世界一プロ・ゲーマーの「仕事術」 (小学館101新書) [Kindle版]