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藤川真一について


初代モバツイ開発者
想創社再創業 / KMD博士課程
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September 11, 2012

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テクノロジーとクリエイティブの祭典の明星和楽に行くために福岡まで行って来ました。

普通に参加する流れで申し込んだら、アントレプレナートークにも参加させてもらって、端っこのセッションかと思ったら、なんと家入さん、猪子さん、国光さんセッションの前座wという大役を仰せつかりまして頑張りました。

初日に孫泰造さんのMovida Japanと福岡市の連携によるベンチャー支援の話が出てたので、ポジショントーク的な落としどころとしては、Movida Schoolに参加したい人が増えれば良いのね、なんて冗談を事前のmtgではしゃべってましたが、実際聞かれた方はどうだったでしょうか?

セッション最後でしゃべった「起業したい人に求めること」と言うところで、こんなことをしゃべっていました。

Facebookやtwitterのソーシャルグラフに依存するのも良いけど、できればインターネットというプラットフォームで、こんな切り口があったんだ、と驚くような面白いサービスが見たい。

例えばpixivは、絵を描いて、それを見るユーザー全体がなんと100万人以上いることを知るきっかけになりました。(今500万人ぐらいでしたっけ。)pixivは、通常のSNSと比べてアクティブ率が高いサービスだと思いますが、その結果として、pixivの絵描きさんに絵を頼む会社が出てくるなど、絵描きプラットフォームとしての地位を担っているわけです。

LINEやTwitterのように新しい汎用コミュニケーションの地位を狙うのもありですが、多くのベンチャーにとっては、新しい切り口で、新しいコミュニケーションを作りたいサービスの方が多いでしょう。

そこで、TwitterやFacebookなどのソーシャルグラフに依存するのも良いんだけど、できればインターネットというスコープで是非頑張って欲しいと言いました。SNSは、ユーザーニーズとビジネスが直行しているので、Facebookそのものがコミュニケーションでマネタイズができてない以上、新しいコミュニケーションのレイヤーをかぶせるのは、いくらソーシャルグラフが簡単に流用できると言っても厳しい気がしています。

Facebookに素敵なマネタイズポイントがあって、そこにサードパーティが乗って行くというのが理想的なプラットフォームビジネスのあり方です。ソーシャルゲームしかり、LINEのスタンプのCPしかり、ですね。

(ちなみにツイッターは広告が一番儲かるってのは昔からイメージしてたので、今の形は良いと思います。それは140文字と言う情報スケーラビリティの高さと、オープン性で、コミュニティが濃すぎないことがポイントだと思っていました。ツイッタークライアントの件については、ガチ競合過ぎる部分でしょうかね。。。)

ソーシャルグラフというコミュニティの形が前提として存在する以上、その範囲が第一次の制約条件になるので、アレが無いからコレもできない、となりがちです。しかも、そのコントロール性を持っていないのであれば、何もないところからチャレンジした方が時間はかかるかもしれないけど、結果としてできたユーザーリストは強い資産になります。

そもそも論としてFacebookに依存してる時点で、彼らへの依存が会社にとってのリスクになり、どこかの段階で必ず「次の目標」は彼らからの脱却になるので、遅かれ早かれ、自社固有のユーザーをどう増やすかという悩みにたどり着きます。その最大の例がジンガでしょう。Facebookのライバルとなるプラットフォームがいればサプライヤーとしては適切なパワーバランスが取れたんでしょうけど、そういう状況でもなかっただろうし、あとは何を目的として投資を受けたかにもよるでしょうね。Facebookに負けないゲームプラットフォームを作りますって言ったら、そっちにいかなきゃ行けませんし。

もちろん、SNSのリーンスタートアップで言う「必要最小限のプロダクト」としてFacebookを使うのなら良いと思います。そこで可能性が認められ、投資が決まるケースもあります。ただ、当たったら当たったでアーリーアダプターとの関係性においては足かせになりかねないので、次のフェーズへのランディングは相当、気を使う必要もあります。

そう考えると、やっぱり理想的な独立系のサービスは、ログインはあくまで自社のユーザーIDでログインさせて、せいぜい友達リストの取得ぐらいのために、Twitter,Facebook,gmail,もしくはスマホの電話帳にアクセスするというデザインパターンが、一番最適ではないでしょうか?!

SNSとは、密結合はしないけど疎結合で、したたかに利用する、ぐらいが一番良いし、もし、ソーシャルグラフの関係性をむしろ持ち込んで欲しくないと思うサービスなら、全く繋げない、というのが一番良いと思います。

例えばダイエットのサービスを作ったとしても、友達にダメな自分を見せたくないってのなら、絶対そのサービスを使ってることを知られたくないからSNS連携は邪魔だし、部活対抗みたいなリアルコミュニティをサービスのフレームにするならSNSを活用すべきだし。あなたは何を解決したいか?!そして、どう普及させたいのか?!によって変わりますよね。で、大事なのは、何で、どうお金を稼ぐのか、と。コンプレックス商売と、友達商売、どっちも何かありそうですが、ポイントは「何もネットで完結する必要ない」vs「ネットの場でお金を生む」という考え方でしょうかね。

TwitterもFacebookも今のところパーマリンクを尊重しているので、別にFacebookページじゃなくても、リンクでShareしてもらえればエンゲージメントは十分、作れるハズと思っています。後はRSSのように更新情報を更新する程度のFacebookページを持てば、サービスに興味を持ってくれている(エンゲージメントしてくれてる)ユーザーなら便利なツールとして登録してくれるハズです。

逆にmixiは外部リンクに確認画面1ページ挟まれることから、外部リンクへのスルーレートは低かったハズなので、もし上場直後ぐらいにmixiページができてたら携帯以外でも企業の参入が相次ぎ、相当ブレイクしてたと思います。

Facebookアカウントであえてログインさせるケースと言えば、

・そのソーシャルグラフに使ってもらう価値があるサービスやゲーム
・海外向けのインターフェースとして
・Facebookアカウントを持ってることを担保したい
・buzz効果

でしょうかね。可能性が広がるものと、範囲が狭まってしまうものがそれぞれあると思います。一番の問題は作り手の思考が囚われてしまうことかなと思います。流行ってるからFacebookを使うってのは一番最悪の結果になると思います。


…と、設計論主体の文章になってしまいましたが、要するにFacebook,Twitter,AppStoreのスコープで考えると、考えが小さくまとまってしまうので、もっと大きな枠組みで考えて、楽しい事をやりましょう!ということでしょうかね。


明星和楽って、トークセッション主体の「和楽」と、クラブイベント主体の「明星」の組み合わせで、SxSWに影響を受けたと言われる、クリエイティブとテクノロジーの融合という面白いイベントなんだけど、真面目な部分あり、遊びの部分あり、パッケージとしてすごい面白いので、是非、他の場所でもやったら良いと思います。沖縄でビーチパーティとセットで、とか楽しそう。さんざん福岡の夜を満喫した後に、夜中の3時ぐらいに会場に訪れてみたら、明星の客層が全然違っててとても熱かったです。


関連リンク:
起業家は想いにこだわること - 明星和楽2012アントレプレナートークに小林が登壇しました (スカイアークシステム広報ブログ)

明星和楽2日目アントレプレナートーク「こんな起業家は嫌だ」&「起業するとはそもそもどういう事か」#myojowaraku (togetter)

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