August 29, 2012
ついついRetina DisplayのMacBook Proを購入してしまいました。もちろん15インチです。
13インチのCore i7のMacBook Airを使っていたのですが、元々MacBook Airを購入する際に、モデルチェンジ前のMacBook Proと比較し、blogでこんなことを書いていました。
・スペックはMacBook Proの方が良いけど、比べるとSSDの値段が高すぎた。
・MacBookProを買うと、MacBookProがall SSD化されてAirみたいになった時に悲しい思いをしそう。(要するに古い感じがした)
・MacBookAirの方がスペックは低いが、今のMBAの方がアーキテクチャに夢がある。
という判断で、MacBook Airを購入しました。
この判断は間違っていなかったのですが、まさかMacBook ProのRetina ディスプレイがこんなに凄いとは!
何故Airではダメになってしまったかという点は以下の2つです。
1.メモリ 4GBでは足りなかった。
2.外部モニター接続が使いにくかった。
■メモリが4GBでは足りない件
MacBook Airの前に、2008年に出たMacBook Proを使っていたのですが、これはメモリの最大搭載容量が4GBで、その後のMacBook Airも4GBでした。
この間に起きた事として、Facebookを始めとするヘビー級Webサイトを使い始めた事が挙げられます。
以前は軽量ブラウザとしてOperaを愛用していたのですが、Facebookを快適に見るためには、いつしかChromeじゃないとダメになっていました。
このChromeが結構メモリを食うのですが、その他、mailやskype、開発ツールではeclipseやXcodeなど、これら基本的な機能を提供するアプリ達が、とてもヘビーなアプリ達なんです。
これらのアプリのいくつかはメモリが空いていれば、その分キャッシュとして物理メモリを確保してしまうのですが、別のアプリがメモリを必要とした時にダイナミックに解放されることを期待するわけですが、実際は、どうにもマシンが遅くなってしまっていました。
特にChromeのタブを開くのが遅くなって作業のテンポにも影響します。
今回のMacBook Proはメモリを16GB搭載しました。価格差も+17600円と少ないのでこれは増やしておいた方が良いでしょう。
これぐらいあれば、キャッシュをいくら確保されても、数GBはメモリが余っている状態になるようです。これで様子を見たいと思います。
ChromeとSafariを両方、起動させっぱなしにできるのは結構メリットかなと思います。
■外部モニタ接続が使いにくい件。
あくまで主観なのですが、
MBAでは、1920*1200の広い画面で使うために23インチのモニタにDisplay Portを経由してHDMIで繋いでいますが、これが何故かMacだとどうしても使いにくいんです。
Windowsノートを外部モニタで使うのは問題ないのですが、UIのメタファーの問題なのか、マルチディスプレイの画面間の移動などがうまくできずに不快でした。
これだという理由は言えないのですが、WindowsノートであるVAIO typeZの場合は、タッチパッドが使いにくいので外部マウスを使っています。それに対してMacは、トラックパッドを使っていますが、これと画面間の距離感覚が合わないのかもしれません。
MacBook系は、ノートPCとしてスタンドアローンで使うのが最も使い勝手が良く、モニタのベゼルでさえもデザインの一つとして、チューニングされていると思います。Retina Displayが、外部モニタを使う事無く1920*1200の解像度で使えるのは、とても魅力的に見えたわけです。
■Retina MBPのセットアップの注意点
新しいMacに既存のデータを移すには「移行アシスタント」ってのを使うわけですが、無線LAN経由だと、ものすごい時間がかかります。250GBのSSDで、約1日かかりました。
これは最近のMacから移行するならThunderboltのケーブルを直結すると、とても早く終わるそうです。そうでなくてもFirewireのケーブル直結という昔ながらのスタイルでやった方が良いですね。
一度、移行アシスタントを始めると止めることができなくなり、丸一日、何もできず指をくわえて見ているというのは苦痛です。
なお移行アシスタントは相当優秀で、シェルの入力履歴はもちろん、シェルでインストールしたRubyのライブラリなどもそのまま動作しました。
前からそうだったのかは忘れましたが、びっくりした点として記述しておきます。
■Retina MBPをセットアップしてみて思った事。
あぁ…確かに既存のMacに戻れなくなりますね。
どう違うかというと、しばらくRetinaに慣れて、これが当たり前だと思った後に、MacBook Airを見ると、iPhone4から3GSに戻ったときのような印象を持ちます。
ピクセル間の密度が違うので分離して見えるんですね。写真やアイコン画像が、まるで原子に分かれて見えるような感覚になります。
ただし、その分、Retinaであることで微妙に遅いようです。
CPUが遅いのではなく、描画が重いんだと思います。
解像度は「Retina最適化」である1440x900よりも細かくしていて、1920x1200の解像度で表示しています。これ確か計算上で言うと、2ピクセル分の情報量を、Retinaの3ピクセルでスケール表示してるんだったかな。画面の広さに対して、表示計算する情報量が半端ないからかは知りませんが、画面描画は決して軽くはありません。
特にブラウザでFacebookを見たときのスクロールのもたつきが顕著です。あと、2ちゃんまとめサイトが重い。
ChromeよりSafariの方が早いんですが、それでもFacebookに関してはもたつきを感じます。その分、スクロールがあまりスムーズじゃないし。スムーズじゃないってことは、処理落ちしてたり、描画を飛ばしたりして誤摩化してるんじゃないでしょうかね。
また、日経新聞の紙面ビューワーは、iPad3のアプリの方が快適ですね。
もし店頭で確認される方がいらっしゃいましたら、Facebookにログインして、ウォールを下の方までスクロールしてみてください。店頭だと気がつきにくいですが、シンプルなWebページと比べて、明らかに遅くなります。(試したら、ログアウトを忘れずに!)
あとブログなどのテキストエリアに沢山の文字を書いてみてください。3000文字以上入れると、入力が遅くなります。
もちろん使い物にならない程ではありません。
ただ、今後新しいRetina対応Macが出た時に解消されていると悔しいと思います。
まぁ、こうなるかなってことを、ネット上のレビューを読んでなんとなく予測していたので、今回はRetinaの中でも一番ミニマムスペックのモデルを買いました。メモリだけ16GBに増やして、SSDも256GBにしています。
MBAも256GBのSSDで、残りが20GBしか残っておらず、512GBに増やすことを悩みましたが、この機種は短命、即売りの可能性も高いと思って、安い方にしました。
この買い物の結論としては、若干微妙な印象です。見た目が良いので戻れない。しかし、早くはない。iPadやiPhoneの画面描画の異様なスムースさに対して、Macだと同じようなアプローチは荷が重いってことですかね。
でも、まぁでも良いじゃないですか。今持てる最高級のマシンの性能が足りないというのは素晴らしいことです。ここ数年、PCは持てる性能を持て余して、どんどん低付加価値になってつまらなくなってたので、ここらで忘れ始めていたコンピューターのワクワク感と進化を楽しみましょう。
XcodeでiPhoneアプリを作ろうという用途は非常に快適です。ウインドウの重なりが減るので作業性に直結します。また、プログラミングツールで、文字が多すぎてエディタが遅くなるってことはないと思いますが、もしそうなったらクラスを分割するサインということで。なお、元々emacs的な人は全然問題ないと思います。
なお、SSD 512GBにするための差額が4万円ぐらいなので、512GBにしても非現実的な価格差ではないと思います。
備考:
ニュースでは、MacBook Pro(Air?)向けの13インチRetina Displayが生産開始されているという話だそうです。グラフィックチップがどう改善されるかが注目で、それが変わらないなら、そんなにパフォーマンスは変わらないでしょうね。解像度は15インチに比べて低めの「2560×1600」だそうです。今の13インチのMBAの解像度が1400x900なのに、13インチRetina最適化解像度が1280x800になるのかな・・・。よくわからないですね。
p.s.そういえばSafari6が、Google Adsenseがことごとく表示されないんですが。これ何事ですかね?!なんだかヒドい状態です。追記ですが、safari6にevernote clipperを動かしてるとadsenseが表示されないようです。ボタンアクションで動くプラグインなのに、なんの地雷があるのか知りませんが、早く改善されると良いですね