July 20, 2012
コネクトフリー社が出したt.freeというサービスが結構熱い。
どういうものかというと、MacとiPhoneを接続して、iPhoneの3G回線を通じてMacもインターネットに接続できる、というもの。
いわゆる「テザリング」という奴だが、ソフトバンクやauが提供していないサービスをt.freeでは実現することができる。
仕組みは、Macにインストールするアプリが、iPhoneの無線アクセスポイントとなり相互で接続する。Macの通信は、iPhoneのmobile Safari上のHTML5ページにあるWebSocketを経由して、iPhoneの3G回線を通じてネットに繋がるという逆転の発想。
ちなみに、既に数ヶ月前にtether.comという海外のサービスで同じ仕組みのものが動いているので、それを参考にしたのではないかという話を聞きました。
t.free、とりあえず試しにやってみたらあっさり繋がってびっくりした。言われてみればそりゃ繋がるだろうと思うけど、sshも普通にできる。こういう通信アプリにありがちなのがわかりにくさだけど、これは使い勝手も悪くない。
ご存じかもしれないが、コネクトフリー社は、ちょっと前にちょっとした騒動を起こしていたのもあり、賛否両論になっている。
批判意見のものとしては、
1.キャリアが提供してないテザリングを提供するとは何事か。
(結果的にパケットが逼迫されて通信料金に跳ね返ってくるんじゃないか、という恐れ)
2.以前の騒動から、コネクトフリー社が信用できるのか?という意見
と言うあたりだろう。
まぁその辺の問題は、各自で判断をしてください。
僕は自分の意見を述べておくと、社長のクリストファーは悪い人間じゃないと思っています。彼とは何度かあった事あるし、オフ会でゆっくり話をしたこともあるので、前の騒動についても悪意はなかったと信じています。
悪意がなければ良いのかというと、もちろん、そういうわけではないが、何がみんなにとってハッピーか?という部分が若干、変わってたんだと思う。
でも、会社を大きくしてる社長は、大体そこがいくらか必ず独善的で、うまくやったところが大きくなっていると思うので、社長の個性の範囲だと思っています。
彼については、前回の騒動については、あの通りの結末になったのだから、まぁそれは残念でした、ということで、今回もまた問題があったら皆様がバランスを取ってくれることでしょう。
強いて言うとアフィリエイト書き換えは日本のネットだと地雷だよねって話。
(まぁ他人のアフィリンクを書き換えたってのは、確かにマズイわな。そこだけは理屈上ダメだと思ったよ。余談ながらアフィリンク書き換えの話は別にこの件が始めて聞いた話ではない。アプリだとどういうURLでアクセスしてるかわかんないよね。)
じゃぁ今回もコネクトフリー社は以前のようなことをするのか、しないのか、というのは正直知りませんけど、僕はそんなに気にしてない。それは多分、個人的に、彼が悪人ではないことを知っているからだと思う。
ちなみに日本人的感覚で言うとyoutubeもfacebookも日本で立ち上げるのは難しかったと思うので、アメリカ人の彼が日本で頑張ってるのは、単純にリスペクトしているし、それが故か、また今回も凄いところを攻めるねぇという驚きの印象。
あとt.freeについて触れておくと、これ通信中はMobile Safariを起動しっぱなしにしなくてはいけないわけですが、ブラウザはバックグラウンドで通信できないので、例えばLINEのメッセージが来てアプリを切り替えると通信切れます。
つまりiPhoneを活用してる人ほど、この仕様は面倒くさいハズです。
それとテザリングでパケット通信食い過ぎるだろ、という意見についても、この通信中は、
・同時にiPhoneアプリの通信ができないので、その時間にiPhoneで通信できたハズのパケット通信とトレードオフになっている。
・一緒にiPhoneのバッテリーも減って行く。充電しなければ使える時間は短くなる。
(キャリアにとっては、バッテリーの制約は利益の源泉だよね。)
・もはや、わざわざパソコンを繋ぐ用途って何がある?!
・Radikoみたいなストリーミングアプリの方がよっぽど通信してないですか?!
というあたりの理由で、実際のところ、影響あるのかなーと疑問に思っています。
理想的には、ソフトバンクにせよauにせよ、別に従量制でも良いからテザリングを解放してもらえると、そっちの方がよっぽど使い勝手的にありがたかったりするわけで、「いざという時に使えれば良い」というので十分なので、こういう破壊的なサービスがキャリアを動かしてくれるとうれしいなと思ったりします。
破壊的なビジネスを作って業界を変えて行くのは孫さんの手法そのものだと思うので…。