July 08, 2012
書籍「リーン・スタートアップ 」は、文字が多くて忙しいプレーヤーの人達には読みにくい本だったんじゃないかと思う。しかし、その分書いてある事は、実例を含めてかなり詳しく書いてある。
リーンスタートアップの基本形は非常にシンプルで、ベンチャーだろうが大企業の新事業だろうが、自分たちがビジネスとしてやりたいと思ったビジョンを、細かい機能、要素に分解し、
1、各機能、成功要素を試す「必要最小限の商品」を作り、
2、ユーザーが欲しいものとして受け入れられるかを試す。
3、成果指標を必ず計測し、
4、「必要最小限の商品」で実現した機能は正しくユーザーに受け入れられるかを分析する。
5、その方向性は正しいのかを考え、そのまま突き進む(我慢する)のか、方向転換するために今までのものを捨てる(ピボット)のかを決断する。
このサイクルをスピードアップさせていくことで製品開発を進める考え方、である。
リーンスタートアップは開発手法、マネジメント手法であるが、この本から得られることは、手法(フレームワーク)というより製品開発の考え方と言った方が正しいと思う。特にWebサービスのマネジメント経験者であれば、自分の成功の追体験を得られるか、もっとこうすれば良かった、という後悔のどちらかを感じられることだろう。
この本で否定しているのは、旧来のデータや実績に基づいたマネジメント手法は当然のこととして、その対極にある「とにかくやってみよう」と言う、誰も欲しがらない製品を作る事に突き進むことも含まれる。
それを防ぐために「構築ー検証ー学習」というサイクルをとにかくスピードアップしていくことで、その機能や、製品そのものに対して無駄な時間を費やすのを避けることを目的としている。
本書はフレームワークというよりはプロセスの考え方が各章ずつに実例を交えて深堀されている。当然、スタートアップの進め方が理論化されているわけではないので、読んでると段々全体像がよくわからなくなってしまった。
ということで、以降のページで改めて全体像を把握するために、自分なりの各章の見所を書いていきたいと思う。
■第1部 ビジョン
第1章 スタート
第2章 定義
第3章 学び
第4章 実験
■第2部 舵取り
第5章 始動
第6章 構築・検証
第7章 計測
第8章 方向転換(あるいは辛抱)
■第3部 スピードアップ
第9章 バッチサイズ
第10章 成長
第11章 順応
第12章 イノベーション
第13章 エピローグー無駄にするな
第14章 活動に参加しよう
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