May 02, 2012
人間は、何かを得てしまうと、それを失うのが怖くなる。
・今の安定した職を失うのが怖いから、起業できない。
・駅近に住んでしまったので、次の物件でも遠くにできない。
・お金を持ったので、使うとなくなるのが怖い。
・高い学歴を得たが故に、就職先にこだわる。
・治安の良い場所に住んだがために、治安の悪い場所に行くのが怖い
・大企業に就職したが故に、嫌な仕事でも辞められない。
以前、埼玉の県境の都内側に住んでいる人と話をしていて、ものすごく東京にこだわっていたのを聞いたことがある。絶対に埼玉には住みたくない、という感じだった。
埼玉側の人間からすると、県境の都内側にはあんまり魅力を感じなくて、そこって埼玉と同じだろ、などと思うわけだけど、見方を変えると、選択肢が広いのは埼玉側に住んでいる人間だとも言える。もちろん経済的に解決できれば、の話として。
昔の2ちゃんねるで、埼玉と東京の間には「超えられない一線」があると言う話があったが、あれは埼玉に住んでいる人を揶揄するものだったのか、都内側に住んでる人にとっての「超えられない一線」だったのか、というのはよくわからない。
昔から新築と賃貸がどっちが有利か?!という話が何度も出ているが、お金がない人にとってのリスク管理的な有利、不利はさておき、同じ場所で同じ仕様を考えた時に、やっぱり生活が快適になるのは、その時代に必要な装備がもれなく準備されている新築の方だと思う。
以前は家族向けマンションを持っていたので、その時の快適装備環境を前提に賃貸を探すと、なかなか見つからなかった。タイミングにもよるが。
今のマンションは、その快適性、生活レベルを失うことを怖がって、装備を重視したが故に、ちょっと家賃の高いマンションに住んでしまった。次の物件は少し慣れてきたので、生活レベルを下げることになるが、落ち着いて考えてみると、今のほぼ完璧な快適環境に比べると、失うものが結構あって、怖くなってきた。
何もないゼロベースから考えれば、どっちの物件も快適極まりないと思うのだが、人の満足度は、ついつい相対的に計ってしまうので、客観的に考えられる時と、主観的に考えた場合、後者のほうが選択肢が狭くなって、チャレンジしにくくなる。
一歩踏み出してしまえば、それが日常になるので、何事もなかったように感覚はリセットされる可能性はあるのだけど、それでも後悔しないとは限らない。
ただ人間の選択など、大体、自分が対処できる選択しかできないものなので、強制的にブーストされたとか、外部の力でつい選んでしまった、ということがない限り、まぁまぁどうにかなる範囲に収まるものである。
外部要因に影響されて主体性なく選んだ場合は、後から人のせいにしてしまったりして後悔に繋がったりするので、それだけで選ぶのはオススメしない。多様な選択肢と捉えた上で、最後は自分で選ぶ、決断するというプロセスが絶対に必要である。
例えば、先日家入さんの企画で、抽選で起業パートナーを選びますという面白い企画があったが、もし選ばれた人がただ選ばれただけの勢いで、今の会社を辞めてしまったとしたら、「うまく行かなかったとき」に後悔するかもしれない。ベンチャーが失敗することは前提条件の一つなので、十分に考えた上で、自分でこのチャンスを選択する決定をしているなら、失敗しても有益な経験として次に進められるかもしれない。
あくまで一般論として「若いうちに起業した方が良い」という言説は、「若い方が体力集中力があるから」という実利面と、「勢いでできるのは若いうち(持たざる者だから)」という業界全体の世界観的な見方の両方があることは認識しておくべきで、前者は正義だが、後者は、その一駒になって勝負することについて本人の納得は不可欠である。
そういう時には、儀式的にでも家族と相談して決めるとか、信頼できる人と話をしたりして、自分が決断したというエビデンス(証拠)は残しておいた方が良いと思う。自分一人で決めると記憶は自分勝手なので、後から都合の良いように解釈してしまうから。
発想のネタ元:
「徒歩圏とは10分以内」 時代を映すアンケート結果に愕然 - 住宅最前線 こだわリポート - NIKKEI 住宅サーチ
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