February 13, 2012
ちょっと待って!mixi衰退論を直近の売り上げ減少と紐づけたらいかんと思う。
SNS衰退の理由を考えるとどうしても「人間関係に飽きた」に行き着く
直近のmixiの売り上げ減の最大の要因は、携帯広告業界の構造変化で広告単価が下がった影響をモロに受けたのが理由だと思います。
そもそも広告収益とサイト全体のアクティビティというのは別の話でして、いくらサイトがアクティブであっても、機械的に広告収益が上がるものではありません。
10の売り上げを上げるPVが引き続きあったとして、前年比6の広告単価になってしまったのであれば、単純に売り上げは4割減になります。特に震災後のPV単価の下落はモバイル広告全体の問題で、それが売り上げの大きいmixiでは顕著に現れたと思います。
もちろん問題としては、
・mixiはガラケー主体で本格化したサービスだったので、スマホトレンドにともないFacebookやtwitterの台頭を許した部分はそりゃあるでしょう。でもmixiを使うスマホユーザーもちゃんと増えている。選択肢が増えた分、分散するのは仕方ないけど、それがmixiオワコン説になるのはいくらなんでも主観的すぎないかと。(特に気軽に「改悪」という言葉を使う人)
・広告収益主体の構造から脱しきれてない要因に、ゲーム系パートナーを一度殺してしまっていたので、その後のGREE、モバゲーの隆盛に大きく差を付けられてしまった。
・そこまでして目指したソーシャルグラフビジネスがまだモノになってない。とりわけソーシャルコマース等、理想とする方向がまだマネタイズはおろか、成功パターンすら見えていない。
などはあると思います。よって今年熱いソーシャルコマースの台風の目として期待しているのはmixiです。まだ成功パターンが想像だにできないので、是非、形を作って欲しいものです。
現状、広告で起きている現象は、特に都市部のナショナルクライアント層の関心がごっそりスマホに移行しているせいか、ガラケーが忘れ去られかけていることにあります。
実際のユーザー層の遷移よりも、広告関係者の関心の方が先に行ってしまってる感があります。もしかしたら、かつてのセカンドライフで見えてたようなあんな感じのことがスマートフォンで起きていると考えても良いのかもしれません。スマホは時代の中心なので誰も違和感を訴えないだけかもしれません。
しかし、実際のところガラケーの数はそこまでユーザー数もPVも減っているわけではないので、ある種のメインストリームが置き去りになっている現象とも言えます。
で、結局、何が起きているかというと、ガラケーの減少分をスマホ売り上げがカバーしきれないという現象が起きているわけです。
実は、おそらくこれがmixi売り上げ減の最大の理由ではないかと。
そもそもスマホはアプリ化やJavaScriptでリッチコンテンツになってPVは下がる上に、画面の実効面積も狭くなっているので(タッチインターフェースなので画面が大きくても押せなきゃいけないので、情報量を増やせない)、相対的に広告を扱うエリアに限りがあります。JavaScriptによるリッチ広告が出せるメリットはありますが、これぞという成功パターンはまだみんな苦慮している現状とも言えるでしょう。例えば絶対位置広告で無駄に誤クリックだけされても、その先の広告効果がなければ、ユーザーだけでなく広告主にとってもハッピーにはなれないので適切な単価での出広は続かないのです。
ガラケーからスマホに関心が移って減少した予算がどこに行ってしまってるかはわかりせん。もしかしたら予算だけとってどこかに広告出したいけど良いところが見つからずに出せなくて困ってるところもあれば、広告ではなく自社アプリを作る予算に行ってるのかもしれません。
自社アプリも、作ったは良いけど、結局プロモーションにお金をかけないと広まらないので、ブームはそんなに長くは続かないとは思いますけど、今んところその辺が熱い感じなんでしょうか。
ちなみに良い広告がなくなるとどうなるかというと、よろしくない広告が増えて、ユーザーからすると負のスパイラルになっていきます。ちょっと前にテレビでMLMの広告が流れるようになりましたが、あれと同じ事がネットで起きると、アダルト電子書籍のバナーが増えたりするわけです。それまで出したくても出させてもらえなかったところにスポットライトが当たるわけです。
僕としては、まだまだ多いガラケー層とスマホはセットでプロモーションすべきだと思っていますが、それは今後の流れで来たら良いなぁと思っています。ちょっと前は、大手広告代理店でも携帯とPCって別部署だったところも少なくないですよね。そもそも入り口から分断していたところも少なくない。今後は、スマホも携帯もPCもデバイスに依存せず、マーケティング視点でどこに予算の重点を置くのかというのを考えるべきでしょう。
そのためにもmixiページに頑張ってもらって、今までガラケーサイトを持っていなかったナショナルクライアントやブランドサイトが低コストにmixiページにコミュニケーションの場所を作ってもらって、そこに誘導する流れができる事だったんですけどね。mixiページはもっと頑張っていただいて、あっと言わせて欲しいです。