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藤川真一について


初代モバツイ開発者
想創社再創業 / KMD博士課程
著書〜100万人から教わったウェブサービスの極意―「モバツイ」開発1268日の知恵と視点 [Kindle版]
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December 29, 2011

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リアルでもバーチャルでも、人に本音を言えない人ってのは存在していて、良く言われるのがmixiやtwitter,facebookと転々と人が移っていくのは、レガシーグラフにある「嫌と言えない人」のしがらみから解放する手段だ、なんて話もあったりして、そう言われてみれば、facebookやGoogle+はそういうのを解決する方向に進んでるかもなぁと思ったりもしています。

特にGoogle+は、サークルという公開範囲を簡単に決められる機能で、この問題を解決できるようになっているようです。

しかしながら、人と言うのは、ソリューションで解決できるほど単純な生き物ではありませんで、そのサークルに登録することすらやりにくい、という人や、結局のところは、沢山の人に見てもらって、まだ見ぬ誰かから新しいアドバイスがほしいという不条理な顕示欲などがありまして、Google+を作った人が考えるほど、人間はそんなに頭が良くない「感情の生き物」ではないかと思っております。

ということで、なんだかんだとツイッターぐらいのシンプルさで、うまくやるのが良いのではないかと思っておりますが、「ネットにどこまで自分のバカを晒せるのか?」ということを考えた時に、何段階かあると思っていまして、例えば、「あいつが嫌い」という事象があったとして、その表現方法として、

1.○○がものすごく嫌いなんです。
2.嫌いな人がいて困っています。
3.悩みがあるんです。

という3段階の表現方法があったとして、どれが適切か?というと、

1番はちょっと論外で、ネットで実名を表明するのは、さすがに避けておいた方が吉。それこそコピペしてひろまったり、まとめられちゃうので。犯罪の話などもここに含まれます。大小、人というのは誰でもやんちゃなことはするものなのだと思います。だからこそ一定のラインを超えるものは法律で規制されるわけですので、コピペされて困ることは書かない、というのは鉄則です。

2番は表現如何では、「そんなネガティブは聞きたくない」と言われる可能性が高い。

多分、誰にも文句を言われないのは、3番でしょう。無難です。

しかし、3番を書いたところで、何も本心は書けていません。

おそらく多くの人は3番を選択するか、書かない、というのが多いと思います。書かないというのは、ネットにそういう解決を求めていない人だとみなして今回の話ではスルーします。とにかくツイッターとかどこかで、何かを言いたいという気持ちを大事にしたいです。

ということで、バカを晒してもtogetterにまとめられないラインとしては、2番を中心に、言いたいことをギリギリの線でラップして、本当に具体的なところをつかまれないように書くのが理想ではないかと思います。

ネガティブなんて聞きたくない!という批判に対しては、フォローや友達登録を外してもらうなど速やかに関係性の中でご退場いただくのが良いかと思います。

「1さん」は批判されたり馬鹿にされるリスクを持ってネットに文章を書いているので、薬にならない批判は、友達なら基本的に避けてあげたいし、ぶっちゃけ、2番程度のものなら、自分の好き勝手にやりたいものです。

「自分は残念ながらこういう人なので、申し訳ないので友達登録解除させてもらいますね、」というのであれば角も立ちません。

しかし、抽象的に書くことで起きるイマドキの問題点として、今度は、その書き込みが到達する人たちに、職場の人や取引先の人がいるということが挙げられます。学生さんなら、これから就職する企業の担当者などもいるはずです。

近しい人は、その話を、その人が持っている知識や人脈の範囲内で解釈し出すという問題があります。

また「おせっかい」と言われる人も同様で、持てる自分の常識の範囲で、その話を理解しようとして、簡単に言うと、非常に「的外れな妄想」が広がりがちだということです。その結果、変なうわさ話になってしまったりして、ということが起きたりもします。(発言小町とかに見られる光景...)

実際にあった例ですが、ある人が言った「お金がない」とツイートを本気に心配する声を上げる人がいました。事実としては、その「お金がない」というのはあくまでも資金繰りの話でありまして、ベースの桁が違う世界の話なわけです。ネットの書き込みだけで、一義的な「貧乏」みたいな文脈には結びつけてはいけないのです。

結局、人それぞれ人生の範囲は違うので、自分の知ってる範囲で人の考え方を決めつけてはいけないのが、大事なリテラシーだと思うのですが、そんなことをイメージできる人はなかなかいないのかもしれません。

こういうのは昔もありましたが(ネットの行動や発言だけで全てを決めつけてかかる人ね)、日常生活に支障が出るという意味では、これは今のネットの問題点のような気がします。


僕の場合は、ネットとリアルは完全に分けていて、ある人が日常では見せない姿を、ネットで書いていても、基本的にそれについてリアルで指摘することはしません。

僕が書いた本に、ツイッターの良さを書いた部分に、その一説があります。

社会人におけるビジネスコミュニケーションは、これと真逆な例と言えます。例えば、メールには定型の挨拶を書く、文章には会社や上司のフィルターを通じて、決してダイレクトに本音は語らない、人と会う時はスーツとネクタイをする、といったことです。このような礼儀作法というフォーマットを通じて、性格も育ちも違う大人同士が無難なコミュニケーションを行っています。お互い、ある一線を越えるためには、飲みニケーション、無礼講という形で、徐々に距離を短くしていきます。ちょっと昔に言われたリアルとバーチャルという比較で言えば、インターネットネイティブは、こちらの方がよっぽどバーチャルなコミュニケーションだと思っています。

それに対してツイッターは、もっと直接的でリアルです。140文字のつぶやきの使い方は人それぞれなので、人生の一部分だけがツイッターには表れます。仕事のことや、悩み、叫び、旅行のことやお昼ごはんの記録、人との交遊録など、さまざまです。しかし、つぶやきの中に、多少なりとも人の性格が見えます。ネットで自分を演じることがうまい人は、表層的なところしか見せない人もいますが、それで人と近付くのは相当のネット経験が必要です。ツイッターを活用し、多くの人と繋がっていく人は、ツイッターの心地よさの中で、ついつい本音を語ってしまう人の方が多いと思います。


大事なのは、その人にとって、どっちがバーチャルなのか?リアルなのか?ということです。

実社会の方がバーチャルで、ネットの方がプライベートでリアル、であるという側面が少なからずネットの魅力としてあると思っていますし、もしそれが発言できなくなっていくのがインターネットの進化なら、僕はネットの世界から足を洗いたいと思うので、多分、自分で新しい世界を探しに行くと思います。

そういう状況を前提として、ネットでは人と人とが繋がっているんだよということを認識して付き合っていただきたいというのを、TPOとしてお願いしたいわけです。

そして、みんなうまく共存しながら、言いたいことが言えるネットであり続けてほしいと思っています。


ちなみに僕のネットのスタンスですが、「本当に大事なことは一切ネットには書きません」です。もう20年以上ネットコミュニケ―ションやってますから、その辺は心得ております。
(もしかしたら隠ぺい体質なのかもと思ったりも)

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モバツイがきっかけに本を書きましたが、その中の一節をちょっとご紹介。

ソーシャルメディアとは、ソーシャルメディアを形成する日記や友達管理という機能を実装したシステムのことを差すのではなく、人間対人間の「感情の営み」を培う社会的なシステムなのだと改めて感じさせてくれます。

ということを信じています!

2012/1/10発売。現在、絶賛予約受付中。
100万人から教わったウェブサービスの極意 ~「モバツイ」開発1268日の知恵と視点


t=fsgarag-22

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