December 25, 2011
昨日のクリスマスイブは新宿にいたのだが、家のオーディオで、良い音を聞きたいと思って、iPhoneでCDショップを検索したら、歌舞伎町側にはほとんどCD専門店がいなくなっていたということに気がついた。
大体それまでは、それなりのモールの中には必ずお店があったと思うのだが、調べてみたり実際に行ってみるとお店が潰れてしまっている状況。
新宿駅南口方面の新宿三丁目エリアに集中させていることに気がつく。
市場が小さくなって、商圏を集中させ、業界全体で生き残りにかけてきたということか。
日常的にCDに触れ合う時代は終わっており、欲しい人がそこを目指して買いに行くという流れになったのだろう。
ふと自分の子供の頃を思い出してみると、当時はまだPCが始まる前だったと言えるが、池袋の西武であったり、所沢のダイエーや西武にパソコンコーナーがあった。Windowsが搭載されたPCブームの遥か前の8ビットの時代だ。
特に池袋西武は、今、ロフトがあるエリアにPCショップがあって、電波新聞社のBasicマガジンで宣伝されていたアーケードゲームの移植ゲームや、ナムコグッズが売っていたりして、パソコンオタクには夢のあるエリアだったと思う。その後、FM77AVやX68000などのビジュアル性に優れた素敵なPCが展示されていて、買いもしないのに、ワクワクしていたものだ。
また渋谷の道玄坂にパソコンショップがあった。これもベーマガに広告を出していた店だが、記憶をたどると今のサイバーエージェント社の周辺ではないかと思うのだが、道玄坂と言えば、日本有数の歓楽街なわけで、新宿で言うなら歌舞伎町のど真ん中にパソコンショップがあったようなものだ。
当時は、OA(オフィスの自動化)というバズワードの元で、時代を読み誤った百貨店と、その道の専門店が支えていた時代だったということだろう。
そんなPCが爆発的に売れ始めたのは、そこから10年ぐらい経ったWindowsブームからである。既に国民機たるNECが日本ではガラパゴスな王者であったが、世界的にはWindowsが「始まった」時代だろう。その後、iMacブームがあり、WindowsXP以降のNTカーネルを搭載した完成系を経て、今に至る。
コモディティ化したPCの主役は、家電量販店だったのは言うまでもない。
しかし、昨日のクリスマスイブの家電量販店のパソコン売り場は、閑散としていたという印象を持った。
ハードディスクの宣伝だけがこだまするというと言い過ぎだろうけど、そんなイメージだった。
ちょっと前はクリスマスイブにパソコンを買ってもらうというのはあったと思うが、今はスマートフォンだろうし、印象としては、昨日はゲームフロアに人が多かったというのが印象だ。
パソコンのパーツの価格も下落していて、利益額なども気になる。その横で、ひたすら水を売っているという光景も無関係ではないのだろう。
そもそも利益率の低いパソコンの商品は、ポイント10%施策には全くマッチしておらず、店頭で商品を見て、念のためアマゾンを調べるとその価格差にオンラインで買わざるを得ない、というのは以前から続いており、企業購入でポイントを個人に振り分けるという、サラリーマンのささやかな楽しみ、ぐらいにしかメリットがなかったように思えるのでミスマッチは今に始まったことではない。
そろそろ近いうちに家電量販店のPCコーナーは縮小していくのだろうか。
子供の頃、所沢西武からパソコンコーナーがなくなった時は寂しかった。
何故かと言うと、そこにBBSがあったからだ。BBSというのは、今でいうなら掲示板サイト。
販促の取り組みとして自分たちでBBSを開いていたのだろう。
コミュニティがなくなるのは、別に自分が参加してなくても寂しいものだ。
今の家電量販店にそのようなコミュニティが存在するわけではないので、もし、パソコンが縮小して、秋葉原の路面店に残存利益を目指す人たちによって、秋葉原に主権が戻ってくるなら、それはそれでアリかなと思う。
今の萌えのノリにはついていけないし、横柄な接客だったり、過剰な専門知識に走ってる最近のノリは好きじゃないが、もう少し市場が小さくなって、昔の九十九電気のような感じになるのは望ましいと思っている。
リナックスカフェの入るビルが取り壊しになってしまうらしい。元々、そういう予定のビルの活用法としてリナカフェが設立されたという意図らしいので、予定通りなのだろう。しかし、リナカフェの設立時の目的は、まさにオープンソースを中心としたコミュニティを作ることにあったと聞いている。前いた会社の関係上、設立パーティにも参加させていただいた身としては、今のようなリナカフェの知名度は非常に興味深かった。
一階のカフェで言うと、奇しくもツイッターという、「PCインターネットが初めて成功した統一的な(色のない)コミュニティ」のおかげで、リアルに集うペースとしては認知を得ていたと思うので、さらに一歩進んだコミュニティ、できれば今だからこそベンチャービジネス創出の場として生まれ変わってくれたらとも思うのだが、どうなのだろう。
僕はWebの人なので、完成度の高いWebは無理やり人を引き入れるものではなく、入口から自然と招き入れるものだということを強く感じていた。それに見合ったデザインや設計をしておくと、自然と水が流れるように人が入ってくる。あとはその流れを絶やさぬ努力をすることになるが、元々入りにくい場所に人を入れるのは難しい。おそらく、秋葉原+コミュニティというテーマには優位性はあるのであとはどういう入口を作るか、なのだろう、とは思う。
何より秋葉原を通勤地を持つというのは一つの夢に思ってる人は沢山いると思うので、単純なコワーキングスペースとしてもニーズはあるだろう。
PCが家電量販店から脱却するというのは、コモディティ商品から趣味趣向や、プロのツールになる(回帰する)という意味であり、適材適所という視点でも、スマートフォンやタブレットというコモディティ化された再生機へアプリやコンテンツを送りだす使命を持った、今のPCのトレンドと一致している。
来年、もしそうなったら、もうちょっと秋葉原に行く数も増えるのかな、と思っていたりします。
更に言うと、単純に価格だけだと、やっぱり、PCパーツは価格.comの安値最上位を走るアマゾンが一番お得だったりするので、やっぱり21世紀らしく、コミュニティが大事なんじゃないかなと思ったりします。