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藤川真一について


初代モバツイ開発者
想創社再創業 / KMD博士課程
著書〜100万人から教わったウェブサービスの極意―「モバツイ」開発1268日の知恵と視点 [Kindle版]
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December 23, 2011

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Wags The DogWags The Dog / fallwithme

就活生組合は新たな利権団体の危険性という記事に「就活生組合」という団体の話が紹介されていた。

就活の実情について何かを言うほどの知識がないので、そこの話は差し控えるが、ブログ記事にもあったが、どうも就活とネットの組み合わせで問題が出ているという話をちらほら聞く。

丁度、下のパギャル消費についての本を読んでいて気になる記述があった。

なんと3人ともiPhone所有者だった。リナ(仮名)とユウナ(仮名)の使い始めたきっかけは、”シューカツ”、「外にいるとき、これでセミナー予約しないと、人気のところはすぐ満席になっちゃうから」

おおお、ネット的観点で言うと、なんと哀れな。

学生は、自分が学生であった時を振り返っても、「社会の素人」なわけで、そうなると結局、会社名や知名度でしか選択できない人が多いので、人気の会社は、より人気が集中するハズ。

そこでWebの問題点。

人気のサイトは、そうでないサイトよりもアクセスが人気以上に集中しがちということ。

例えば、僕はiPhoneの新製品が出るときの予約は絶対にオンラインでやらずに、お店に行く。

オンラインは、どこかしら一カ所に人が殺到するので、擬似的に大量の行列ができていて、そのゲームに参加するのがバカバカしいからだ。Webサーバーは、同時並行で処理できると言うが、申し込みデータを保存したり、登録人数に限界があると、どこかしらで仮想の行列が存在することとなる。

人気のセミナーの予約に日本中の学生が殺到するとなると、本当にあっという間に大量の行列ができている。お店であれば物理的な分散が行われているので、もう少し悠長に事が運ぶので、iPhone4sの時にも1時間半前に並んで、ぼーっとしてるだけで予約できた。後で在庫がなくていろんな店を探すよりは、一発で決めた方が精神的にも時間的にも最適だと思ったからだ。

一瞬のうちに行列が制御されるネットは「人気が集中するもの」には向いてない。

また、そういう時に、よく画面が真っ白になって入れない時があると思うが、デパートの初売りの外で入場規制を食らっているような時もある。もしそうだとすると、並んでいるわけではなく、入り口で跳ね返されてるだけなので、そこにいることに何の意味も無い。

もしそうなのであれば、そんなシステム的な話に人生かかってるなんてバカバカしいと思う。それは怒って良い。

「人気企業」の「セミナーの予約が先着順」で「Webでのみ申し込み」だとすると、それは厳しい。学生をバカにしてるという気にもなる。せめて受付はスムーズに受け付けて、アウトプットは抽選か何かにしないと。

抽選って運かよ、って話なんだけど、人生ってそういうものだったりするから、考え方自体はあると思うんだよね。人気の企業であればあるほど全員に同じだけの時間をかけて評価するのは不可能だから、大学名や何かのわかりやすい基準で足切りされるよりは抽選の方がよっぽど公平だとも言える。

―・―

リクルート出身の人から聞いた話で面白かったのが、リクルートが住宅情報を出した時の最大の功績は、「住宅情報」が住宅の評価基準を決めてしまった事にあるという面白い話がある。あらゆる住宅が、みんながおなじみの「駅からの距離」や「部屋の広さ」などというスペックを固定して評価基準を序列化してしまった。

もし、ここに「眺望の良さ」が数値化されていたら、部屋の選択の序列は全く違っていたのではないか?、と言う話だった。

リクナビにせよマイコミにせよ、その他あらゆる企業情報の整理において、検索ルールが大企業、レガシー企業偏重になっていて、学生と中小企業との出会いの可能性を制限していると言うことはないだろうか?

ちなみに僕は、企業の「業種」ってのが苦手だ。

ネットサービスをやっている当社は、どこの業種に入れるべきなのか?というのを、いつもわからないなぁと思っていた。「情報通信」なのか「サービス業」なのか。

メンタリティ的には「サービス業」だと思うのだが、実際は業種としては違うと思うし、かと行って、情報通信分野でお堅いSIerやシステム開発会社と並ぶのもイメージが違う。Webと行ってもWeb制作とは違うし、ISPとはもっと違う。

そういう微妙な立ち位置で、既存のカテゴリーにジャストにはハマりにくい企業ってのが沢山あって、もしかしたらそういうところにこそ新しい可能性を秘めていて、単純に人が足りないと思ってる企業もあるんじゃないか、と思うのだけど、カテゴリの周縁にいる企業は、おそらく業種検索で検索するのは難しいだろう。

もしかしたら検索ルール、カテゴリ分けのルールを変えるだけで、シューカツでの選択の自由度は全然変わってくるかもしれない。

正直、シューカツの企業の説明って漢字が多すぎて萎えない?
企業の論理で書いてあっても、大学のシラバスに近い敷居の高さを感じる。

シューカツってもっと楽しいハズなんだよ。
だって、自分の未来を決める活動なんだから。きっともっと面白くできる。

―・―

企業の側にも問題があって、中小企業ほどWebページを頑張らなきゃいけないのに、小さな会社ほど、2000年頃で進化が止まったWebページであったり、せっかくサイトに行った学生を取りたいという気持ちが伝わってこないサイトだったりする。

小さな会社は、多くの人が「お金を稼ぐ側の人」なので、採用担当などの間接部門が少ないため、忙しくて手が回らないことがある。専門の担当がいないということは、鶏卵で予算も取りにくい。その気持ちは凄くわかる。しかし、あまりにさえないページだと学生の側が萎えてしまって、せっかくの出会いが成り立たない会社も多いのではないか。

ちなみに「予算がない」ってのを聞くと萎える言葉だと思うんだが、それは金がないという意味の他に、お金をどの担当者にどれだけ使わせるか?という配分でもあるので、単純に何かの理由で、その判断ができてないだけの話ということもある。どの会社にも「有意義でない事」に割り当てる予算なんてないんだよね。

専門担当がいるってことは、有意義なことにすることが組織的に前提になってるって意味だから予算がないとその人がいる意味が無いので一定額は必ず割り当てられている。そうでない会社の場合は、担当の人がどれだけ成果を出せるかにかかっていたりします。シューカツもまた企業側の未来のための活動の一つなのですが、今は今でやることがありまして、時間は皆等しく有限なので、会社にとっても、所詮は人のやること。つまり、現実と未来との戦いなのですね。

結局、人と人との出会いは奇跡みたいなものだと思うので、限られた時間の中で、どれだけお互いの魅力を知る事ができるか、だと思うのですよね。合コンに、汚い格好で行ったらうまくいかないわけで、身なりは手間がかかるので、せめてメッセージの一つや二つぐらいは、ちゃんとしたいよね。


・・・ふと思ったが、何個か譲れない条件を入れたら、後はランダムで何個か企業が紹介されるというランダム機能はどうだろうか?出会いが画一化してるってのは良くないと思うので。

つながる本棚【ブロガー・IT有名人編】~第3回・藤川真一「Webのプロであり職業人として、200kgの本から生き残った三冊」~

本を書きました!「100万人から教わったウェブサービスの極意 ~「モバツイ」開発1268日の知恵と視点」

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