September 03, 2011
当ブログでは2003年の開設当初から、「リビングPC」というカテゴリで、リビングにPCを置いて、いかに映画を楽しむか?等の視点の記事を書いていた。
しかし、2000年から2003年に時代が明らかに早すぎた動画黎明期の後に、僕が勝手に動画ビジネス2.0と呼んでいる、Youtubeからニコニコ動画という動画普及過程において、動画はメディアではなくコミュニケーションツールになった段階で、一度リビングPCという分野からは興味を失っていた。
元々のYoutubeやニコ動は、コミュニケーションツールだと思うので、リビングのPCで見るのではなく、ソーシャルメディアの口コミからのリンクなのでノートPCで楽しむものだと思っていたからだ。
昔から、日本は権利が特殊で真正面だと誰も収拾がつけられない、とか、単純にアメリカと比べて人口が少なく日本語という言語特殊性に阻まれているのかメディアの事情はよく知らないが、アメリカでは、昔からVODで非常に安価で見られていた(DVDも安い)のに対して、日本では、ごく普通の動画を楽しむVODのビジネスはなかなか立ち上がらなかった。その道だとGyaoが有名だが、肝心のコンテンツが好みではなかったので、ほとんど見ていない。
CGMなどの低コストのメディアビジネスは、ユーザーの力を借りて周縁からプレゼンスを高めて行くことが可能だったが、映像や音楽と言ったコンテンツビジネスは、やはり一部のトップクリエイターが支える世界であり、ニコニコ動画やYoutubeのように著作権を一旦スルーしても,,,という強引な「ネットのあちら側化」で、後から権利者と折り合いをつけるというギャング的手法を取らないとネットでコンテンツが流れなかったという事情はあるのだろう。
そういう先陣がリスクを取って世界を作ったおかげだと思うが、ようやくコンテンツの質が伴った、定額制のVODが登場してきた感がある、、、、というのが、長い前置きになってしまったが、「Hulu(フールー」というアメリカのサービスが日本に上陸した。
Huluはが僕好みなのは、以下の2点
1.FOXドラマをはじめとする海外ドラマが見放題
2.映画が定額で見放題
家にはApple TVも置いているが、AppleTVはiTunes Storeなので、いわゆる一作一作のレンタルビデオ方式だ。
僕は今時のソーシャルゲームにお金を払うことに躊躇しない(らしい)デジタルネイティブ(?)と比べて、やっぱりケチだと思うので、この一作一作にお金を都度都度払うのは苦手だ。
つい「本当に本当に見たいと思う作品」しか見ないことになり、その選択に時間を取られてしまう。
TV CMもやってない古い作品を中身を見た事も無いのに、「本当に見たい作品」など見極めるのは不可能で、鶏卵の世界になってしまう。結果的に前評判が良いものか、好きな監督やタレントの映画しか見られない。結果的にapple TVでは、菅原文太や石原裕次郎などの日本映画を見たくなるのだが、これでは明らかに先が無い。
少なくとも単品購入型のVODで、そのコンテンツにお金を払って、10分で見るのをやめました、というコンテンツを見ることはしない。おそらく素敵な作品との出会いも見失っていると思う。
結果的に面倒くさくなって、AppleTV自体をあまり使わないという現状がある。定額制か単品購入のどっちが合理的かというのは議論の余地はあるが、僕はそんなに賢くないので、失敗ができる方が好きだ。
Huluは、定額で映画や、アメリカのドラマ(つまり海外ドラマ)が見放題なので、さくっと再生して、さくっと別の作品にいくことができる。
学生時代はレーザーディスクを買いまくっていた時期があったが、定額で作品の閲覧権利を所有する使い方としては、「ひたすらBGVとして流す」という用途ができ、地上波のように、もっと気軽に作品とふれあうことが可能だ。
今、この記事をMacで書いているところで、ブラビアでは、VAIO typeZのHDMI出力を通じて流れているゴーストバスターズ2が流れている。
余談ながら、昔はテレビにパソコンを繋げること自体が大変だったのに、今はPCのみならず、XperiaやGalaxyなどのAndroidマシンにもHDMI出力がついているので、そこからテレビにつないでHuluを楽しむ事も可能だ。なお、今はHuluは再生機器として、スマートフォンとPCにしか対応していないが、今後はPS3やXboxにも対応するとのこと。
うちにある2010年モデルのブラビアでも見られるようなるそうだが、2010年モデルでさえもリモコンのUIが遅すぎるので、他のデバイスから利用する方が使い勝手はよいだろう。理想は、apple TVのサクサクインターフェースから見られることだが、それは残念ながら無理だろうな。(それだけ日本のTVのデジタル対応は、もっとハードウエアリソース割いてあげようよというのがブラビアを買った印象。)
Huluは、現在、一ヶ月無料で見られる。会員登録時にカード番号の登録は必要。
コンテンツは結構たくさんある。FOXなどのドラマ一話を一作品と数えると、相当数あると言って良い。
VODの画面インターフェースだと、作品の数が増えて行くと、一つ一つ選ぶのは明らかに大変になっていき、ランキング依存になったりして選択する事が面白くなくなっていくので、数がほどほどの今のうちに、どんなものかと、しゃぶりつくしておくのは割とオススメ。
今見られるもので海外ドラマの個人的好みは、
BONES
ゴシップガール
ザ・プラクティス
NCIS 〜ネイビー犯罪捜査班
など。たまたまケーブルTVのFoxチャンネルで見かけて面白かっただけなので、他にも名作はたくさんあるだろう。メジャーどころは、24やプリズンブレイク、HEROESなど。今後バーンノーティスなども加わるので、ドクターハウスまで期待したい。
映画の方は、音楽と映像が素敵そうな作品があるのでじっくり再生してみたいところパイレーツオブカリビアンがあったのは思わずにんまり。あと、ジョントラボルタのフェノミナンは僕は好きです。家と家とが離れすぎてるようなアメリカの田舎に住みたいなぁと思った作品でした。
月額1480円が高いか安いかというと、新聞やNHKの視聴料よりは安いから高いとは思わないが、FOXのチャンネルを見るためだけに契約してるスカパーをやめるかどうかを考えるぐらいの金額だ。
そういう意味では、ある程度見て行った場合は、新作の供給スピードに期待という話で、日本のFOXチャンネルはタイよりコンテンツ供給スピードが遅かったので、何が邪魔しているのかわからないが、もっと迅速に市場導入が可能であれば継続の可能性は高い、結局、FOXのチャンネルよりも明らかに遅い場合は、スカパーはやめられないので、トータルでの支出を考えると厳しいですね、という話になるのかもしれない。