March 28, 2011
チェルノブイリと、福島原発は初期のトラブルの内容が違うという理由で、チェルノブイリとは比較にならない事故と言われていた。
また、僕の心のどこかにチェルノブイリは旧ソ連という共産国家の特殊な世界で起きた事件だという思い込みがあった。
しかし、
・黒い煙以降のイマイチな感じの情報公開
・プルトニウムは測っていませんという謎の話
・現場の作業員が、ただの作業靴が故に被ばくしたという事実
・ハイパーレスキュー隊の若干過剰とも思える露出(これは妄想かも)
こんな状況を見ていて、
以下のディスカバリチャンネルの映像とイメージがかぶってくる。
チェルノブイリ 連鎖爆発阻止の闘い
up主さんのコメント
(事故後の処理に従事した人々に焦点を絞ったドキュメンタリー。汚染除去作業の現場を撮影した貴重な映像や関係者へのインタビューを多数収録。再現映像は事故シーンくらいで、ほとんどが実際の映像です。音は後付けだったりしますが…)1986年4月26日未明。チェルノブイリ原子力発電所4号炉で事故発生。最初の犠牲者は消火にあたった消防士だった。発電所から3キロしか離れていないプリピャチ市の人々には当日夜になっても何も知らされない…。
見ると、気持ちがどよんとしてくるので、どよんとしても良い人だけが見ると良いと思います。ただ、今や今後のために参考になる映像だとは思っています。ある種の覚悟も生まれるのかもしれません。
とりあえず思ったこととして、原発事業がチェルノブイリの頃と変わってないと思うのは、
「経済格差、下手すれば貧困や無知に依存した事業」という点。
これは恐ろしいかぎり。チェルノブイリと時代が違うので、何も知らされてない人が被害に遭うことはそんなにないんだろうと思っていた矢先の、先日の事故でした。情報を知らされていない作業員が、被ばくしてしまう、なんてのはチェルノブイリと何も変わってないじゃないですか。
しかも、被ばく量が2〜6シーベルト…。上の方の値だとほぼ致死量と言われる量。これから先の状況の悪化が気になります。
ITの世界ではスマートフォンが普及し始めています。
スマートフォンの普及というのは、ある種、googleの携帯という意味で、人が賢くなる。オタク的に言うと、外部記憶を手に入れる、知識の並列化がおこなわれる。
この話は、いわゆるケータイのコンテンツビジネスが成り立たなくなるんじゃないか?という業界関係者の不安の文脈で出てくる話なのですが、既に多くの人に受け入れられた「携帯電話」というデバイスがパソコン級の性能を手に入れたことで、少なくとも、人々がgoogleを通じてインターネットに繋がって行き、日常で今まで以上の情報を無料で手に入れることになることが想定されます。
つまり、これからが本当の高度情報化社会になるとも言えます。
今、twitterやfacebookがエジプトの革命に寄与したなんて言われてますが、高度情報化社会によって、情報の断絶が繋がったという一つの事象に過ぎないでしょう。
そんな世界の中で、少なくとも情報格差などに基づく、人材募集というのは成り立たなくなって行く可能性が高い。
そう考えた時に、今後、何十年、何百年も先、今と同じような人間を犠牲にした作業が続けられるとは思えない。
少なくともチェルノブイリの事故を受けて、防護服のようなものは進化しているものだと思っていた。
実は、そんなことはなかった。
ひとたび暴走が始まった、もしくは、暴走が始まりそうな原子炉は、もはや人間の手に扱えるものではないということ。
それがよくわかった。ガンダムのノーマルスーツでどこでもいけるような世界はまだまだ来ていないことがよくわかった。
チェルノブイリでは、数十万人の犠牲を持って、石棺を作って、一旦押さえ込みました。もちろん、チェルノブイリ周辺は住めなくなりました。しかし、今の日本にはそれでさえ、担えるだけの人員が集まるとは思えない。
評論家のような他人事の表現に見えてしまったらごめんなさい。自分自身も悶々としつつ、客観的に考えないと整理できないと思っている自分がいます。東京が住めなくなる事はなくとも、どこかのラインを超えてしまったら短期的には会社自体、疎開を考えなくてはいけないかもしれないという漠然とした不安。実際は可能性は低いと思いつつ、そういうリスクを考えることも僕の仕事です。
ただ、それはさておき、今更ながらわかったこととして、「経済格差、下手すれば貧困や無知に依存した事業」というただ一点において、原子力事業は継続性が低いと思います。
参考資料:
原発がどんなものか知ってほしい
(あ、一応書いておくと、最初からこれを信頼していたわけではないです。ので、さらにこちらのご参考まで「原発がどんなものか知ってほしいのgoogle検索結果」
結論としては、参ったな・・・以上のものではないのですが。
とりあえずパパラギでも読みますか…。
時代を超えて受け継ぐべき痛烈なメッセージ 現代社会に警鐘を鳴らす歴史的名著。南海の酋長ツイアビは、初めてパパラギ(=白人)たちの「文明社会」に触れたときの驚きを、島の人々に語って聞かせる。その内容は、深い洞察と知恵、痛烈な警告と啓示に満ちた文明批評として、今なお輝きを失っていない。
事故が落ち着いた後、他国の競争を考えても素敵な代替案が1〜2年以内に解決できない限り原子力に頼るというのは多かれ少なかれ続くんでしょうが、どこか世界競争というチキンレースをやっているようにも思えなくもない。鎖国でガラパゴスというのも、そんなに悪くないような気もしています。無理だけど。