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March 20, 2011

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放射能という言葉は、幸か不幸か一般化しているのだが、この言葉の「能」という意味がわかりにくいが故に、「よくわからないものへの恐怖」があるように思える。

それが、福島から避難して来た人をホテルに泊めない、などと言った過剰反応が起きている理由ではないだろうか?

「放射能」という言葉だけではわかりにくい、今起きている「放射線」と、「放射性物質」の違いについては理解しないと、この先キツイよ。

とりあえず僕が理解したことを書いておきますが、以下、間違ってるかもしれないので、生き残るために、各自、自分で調べてください。人の意見をただ単に鵜呑みにしない事。

「わかりやすいこと」「簡単であること」が商品などが売れる必須条件になっている日本人の感覚こそ、デマがはびこる温床だと言えます。自分の頭で考えて、自分で取り入れるか否かを判断しましょう。

ー・ー

■放射「能」は、物体が「放射線を出す能力」のこと。

浴びるような言葉でもなければ、運ばれるような言葉でもない。

なんとなく一般化した言葉だけど、今だからこそ、放射線や放射性物質と使い分けて使いたい。まして、放射線物質なんてものはありません。

■人間は、そもそも放射「能」を持っている。

放射「能」は空から振ってくる謎な現象ではありません。皆さんの体の中にも元々ある現象です。

「人体にはおよそ6,000-7,000Bqの放射能がある。これは人体に含まれるカリウム40という放射性物質によるものである。」 wikipediaより。

日常的に水や食べ物を通じて、放射性カリウムが一定数取り込まれているそうです。

今、知らなくてはいけない知識は、放射能が「ある」か「ない」か、ではなくて、「多い」か「少ない」かの問題なのです。

■放射線とは、赤外線とか紫外線みたいなもの。

それ自体は、その瞬間に発生しているもので、「高いエネルギーを持った電磁波や粒子線」
距離が離れると、距離の2乗でエネルギーが小さくなっていく。

例えば、ストーブの前にいると暖かいけど、距離が離れると暖かくなくなると思います。
カーボンヒーターは、もっとわかりやすくて、カーボンヒーターが向いている方向しか暖かくないですが、そんな感じ。

今問題になっている「放射線」は、原子炉の周辺にあるもの。今、命がけで発生量を押さえ込もうとしているものですね。

主に現場で戦っている人が問題になります。

ー・ー

■人々が恐れているのは、被ばくした避難者に近づくと、自分が汚染されるのではないか?という漠然とした恐怖、かな?!

→「放射化」という言葉があります。自身が放射線を出すようになる現象。
もし被ばく者から伝染するなら、ちょっと怖いよね。

それって、例えば、ゴジラのような。

でも、人間はゴジラではありません。

仮に人間が放射化するほどの放射線を浴びたとしたら、人間が生きる事は不可能です。自分で自分の体を攻撃してしまいますので。

よって、普通に歩いている人が他人に迷惑をかけることはありません。

専門家は、現状起きていることと、このような現象の差があまりにも大きいので、語る価値も感じてないようですが、エセ的な人ほど、その辺を混乱して騒ぐので、間はつないでおく必要があるんじゃないかと思います。

■都心部で心配しておいて良いのはホコリに付着して飛んでくる「放射性物質」

放射性ヨウ素やセシウム137などの名前の「放射性物質」というのがあります。これらは原子炉内の核分裂がきっかけで生成される物質のようです。

それぞれ、化学的にはヨウ素やセシウムという物質の放射線を出すバージョンとのこと。(セシウム137は塊だととても美しく光るとの話も)

これが、現場のホコリなどに付着し、風に乗って拡散することで、微量の放射性物質が遠くに拡散してしまいます。

このホコリが風に乗って降ってきたら、農作物に付着していたら、どうしようという不安があります。

実際、東京や埼玉の放射線量や、放射性物質が多少なりとも検出されているのは事実のようです。

これについては、数多くの記事で対処法が紹介されているので、そちらを確認しておきましょう。

それらの中で、ポジティブに身を守る知識ポイントとしては、

・そもそも飛んでくる放射性物質は微妙なので量の多い少ないを意識する。

・放射線を発生する状態には有効期限がある(半減期)

放射線を出す期間は「期間限定」であることを知っておくと良いでしょう。
(特に放射性ヨウ素は、あんまり心配してないです。セシウムはちょっと嫌)

また

・熱では破壊されないので、食べ物などを加熱しても効果はない。ただし、放射性物質が付着した食べ物を水洗いすることには意味がある。

ニュースで、「被ばくした人を除染した」というニュースがありましたが、乱暴に言うと、「放射性物質が衣服に付着していたので掃除した」ということになります。

大事なのは、「放射能とか言う目に見えない何かを素敵な方法でどうにかした」というよりは、僕らが石鹸で手を洗うような行為の延長線上にあるものだということを知っておくと良いでしょう。

放射性物質による汚染を除去する「除染」の具体的な方法まとめ

とりあえず都市部での生き方については、以下の文章を参考に。

Dr.中川のがんから死生をみつめる:/99 福島原発事故の放射線被害、現状は皆無

ー・ー

■「あり」「無し」じゃない。「多い」か「少ない」か。

見えているものへの恐怖、見えないものへの恐怖があるとしたら、僕がそもそも怖いのは、中国からの輸入野菜だと思っていました。

ただ、輸入野菜を食べないで暮らすのは難しいので、なんというか、もう現代人として、半分諦めていました。

それに、そもそも、こんなニュースも。

黄砂とともに飛来する放射性セシウム(137Cs)

多いか少ないか、という意味では、こういうものとの定量評価をしたいものです。

海外に脱出してみたら、そこの地域が、日本の基準よりも遥かに放射線量の多い場所だった、とかね。(極論です)

■理系の専門家が語る、「○○に超したことはない」の真実

よくTVで専門家に対する質問で、「放射性物質を浴びないよう方が良いんですよね?」という質問があるのですが、これ理系にしてはいけない質問で、

理系の人は、可能性が0.0001%だろうが可能性があれば、「ノー」を言うことはありません。

理系的思考では、それが真実だからです。その0.0001%を想定して物事を考えるのが技術者や科学者だからです。

だけど、それが、今の状況で、・・・例えば、都会で道を歩くとか、水を飲むとか、そういう状況で・・・、直接的に、体に影響があるかであって、その軸で考えるべき。だから、「多い」か「少ない」かであって、「ある」か「ない」かの問題ではない、と書いた理由になります。

「パソコンのハードディスクは明日壊れないでしょうか?」という質問に「No」を答える専門家は1人もいません。「ケースバイケース」と答えるのが理系の特性です。それが真実だから。

でも実際には、明日HDD壊れますかね?ほとんどのケースで、壊れない明日が来るでしょう。

ただ壊れる事を想定して、対処をしたり必要な知識を持つのは大事ですね。

今必要なことは、ここで書いた事の違い、状況の大きさの違いを理解することです。


■不安係数∞の人には踊らされない。

「不安係数∞の人」とは、世の中にある様々な不確定要素に対し、一番最悪な状況へのショートカットを思いついてしまって、その呪縛から逃れられなくなっている人です。偏差値の高低にに関係ないので、相応の文章力、説得力を持った人が、混乱を招きます。

世の中が漠然とした不安にある時には、不安を煽る意見の方が全体の安定方向になります。

「ほら、そうだよね。やっぱりそう思ってたんだよ」

と。陰謀論大好きップさんであればあるほど、非公式な情報に飛びつきます。

政府や東京電力がポジティブな発言をするには意味があります。取りうる可能性があるなら、その中で一番ポジティブな範囲での発言をするのは当然でしょう。

全員で逃げたって、日本にそんなに逃げる場所が無い。海外に行きたい人は行ったら良いと思います。

海外に脱出してる大使館員がいるなんて話もありますが、そもそも東京と福島の区別もつかず「東京で災害が起きている」と思われてるところもあるわけなので、全然アテにならないですよ。そもそも、リスク管理としては、戻っても困らないなら戻すでしょう。とりあえず。

あとよく聞く言葉「知り合いの東京電力の人が云々」という言葉も。えーと。東京電力の社員って何人いるんでしょうか?こういう言い方はアレですが末端に伝わってくるような情報であれば、きっと世の中パニックになってると思います。

「友達の友達が言ってる事」は、「他人が言ってること」なので、そのまま信用しないこと。

また一部のメディアで発言している人にも、不安係数が∞の状態で、政府批判をしている人もいます。朝日ニュースターの映像も見ましたが、ひどいもんです。

決して安全安全と、のうのうと暮らしていて良い状態ではないのかもしれませんが、目の前にある事実以上のことを妄想しても始まりません。

公式発表も大変ですね。情報が更新されなければ、怪しいと疑われ、情報が更新されれば、その変化に不安が増強して行く。状況が刻一刻変わってるんだから、精度が高いのであれば、情報が更新される事の方が正しいに決まってるのですが、何故か混乱を招くと怒られる。

不思議な世の中だなと思ってテレビ見てます。要するに頼りすぎなんですね。政府に完全性を求める。だから、政府は慎重になる。国民はもっと柔軟性を持つべきでしょう。

とりあえず批判の声を聞いても、今のところ「対策について、現場での判断を間違った」という声は聴こえてこない。それだけわかれば十分に満足です。僕は。

外からの「たられば」についての批判はあるけどね。アメリカの支援を断った云々、とか。しかし、「たられば」を判断すべき、前提条件が素人には理解できませんので、判断は専門家に任せます。

ー・ー

■目の前にある危機
それより、という比較論ではありませんが、目下の問題は、計画停電に対する都市の適応力でしょうか。

経済が混乱して、自分がいる会社が潰れてしまったら海外避難どころの騒ぎじゃない。

ある会社で、「自宅待機だから連絡がつかない」という話を聞きました。
自宅待機は無給で、自宅勤務は仕事でしたかね。

故に自宅勤務で連絡がつかないってのは、仕事をしてないって意味なので言語道断。
しかし、自宅待機で連絡がつかない、うん。無給なら仕方ない。ホント?

そこで発生するハズだった経済は止まっていいのか?

それら一人一人の無駄の蓄積が、どこかにしわ寄せとして現れます。必ずや日本経済のアキレス健として影響が出るでしょう。

ただでさえ年度末に起きた災害で、経済が急ブレーキがかかったのではないでしょうか。ギリギリの会社がいたら。1週間以上、時間を奪われた。最悪、3末を乗り越えられない会社もあるのでしょうか。

営業人員の規模感で動いてる会社とか、借金でまわしてるような会社が心配でなりません。会社は最後は現金ですからね。

そして、自粛、不謹慎、節電という中で、活動がシュリンクしていく。
東京周辺にいる人は、そこを乗り越えなくてはいけない。

一人一人の意識にかかっていると思います。

自宅勤務で緩い状況になって、給料がもらえるから、ラッキーとか思ってる人も多少はいるでしょう。しかし、給料の元になるエネルギーが止まったらアウトですので、そうならないように頑張る。

もしくは、経済が復旧した時に、ロケットスタートできるだけのエネルギーを蓄えておく。希望の種を今のうちに作っておく。

それこそが自分を守る。みんなが、お金を使う。結果的に経済が復興して、日本が元気になる。
頑張らなきゃいけないのは僕たちです。


と、最後に話がずれましたが、「知らない事は知らない」で良いと思います。「知らない事に無駄な心配をする」のが一番無駄で、それだったら調べましょう。インターネットで簡単に情報が調べられるんですから。原子力は科学なので、過去の事例がたくさんあります。

最後の最後に、今回の原発事故について正しい知識を得るために、以下のツイッターアカウントをオススメしておきます。

東大病院放射線治療チーム
# 自己紹介 東大病院で放射線治療を担当するチームです。医師の他、原子力工学、理論物理、医学物理の専門家がスクラムを組んで、今回の原発事故に関して正しい医学的知識を提供していきます。

…だそうです。

あと、ちょっと最初の10ページを読むのが大変なんだけど、こちらは重要な資料

福島原発の放射能を理解する


識者の方で、これ違うだろってことがありましたら、大変お手数をおかけしますが、twitterの@fshin2000 までご連絡ください。

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変更履歴
「被爆」を「被ばく」に変えました。
原爆の被害を受けるケースを「被爆」、放射線を浴びる事自体は「被曝」、「被ばく」と書くそうです。

「放射性物質」の項目を変更しました。
ほこりが放射化しているのではなく、ほこりに放射性物質が付着して飛んでくるなどの状態だそうです。

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