October 21, 2010
Appleは、新しいMac Book AirにiPadの良さを持ち込むことで、パソコンに新しい世界を持ち込んだ。
今度のMacBook Airには、インスタントオンという常時スタンバイ状態から瞬時に復帰する機能が追加された。スタンバイ状態=使わない状態での待ち時間が30日という驚愕の数値で、iPad同様に、使いたい時にすぐに使えるという世界が作れる。
今まで、iPadやiPhoneやフィーチャーフォン、ノートPCを持ち歩いていて、ノートPCがイケていないのは、その起動時間だった。
VAIO typeZ + Windows7を持ち歩いているが、何かあった時の起動に数分かかる。VAIOの場合、普段はハイバネートでメモリをSSDに書き出す方法で電源のon/offをしてるが、メモリが8GBもあるためか、起動、終了に数分かかってしまう。
ここは明らかにiPadやiPhoneと比べても使い勝手が悪い。モバイルで「何かをしたい!」と思った場合には、全ての作業工程にかかる時間が命なので、VAIOがどれだけ性能が高くても、起動時間の分だけ不利で、それなら機能は低くても何かに特化した携帯サイトや、iPhoneアプリの方が使い勝手は高いというシーンも少なくない。
2010年の新しいMacBook AirはSSDを内蔵して、メモリストレージをHDDの変わりに入れ替えて出てきた。しかも、安い。
iPodが出てきたことでフラッシュメモリが一気に安くなったのと同じく、MacBook Airは高止まりしていたSSDの価格を一気に引き下げるかもしれない。とにかくインスタントオンの構成要素のポイントとして、SSDを組み合わせて、しかも安い、ということにある。
僕がMacBook Airを購入するとしたら、11インチの4GBモデルを買うと思う。
そもそも11インチクラスのMacは、昔から待ちこがれていた機種だというのもあるが、MacBook Airは、最高スペックのマシンを購入しても、MacBook Proのスペックには遠く及ばないので、割り切った世界を楽しむのが良いと思う。
ただ、MacBook Air 11インチは、iPadと存在がかぶる。用途としては「ちょっとした時のWebブラウジングやメール」である。さくっと立ち上げて、数十秒以内に用事を済ませて蓋を閉じて終わらせるような用途だ。
iPadとMacBook Airの違いに対するイメージとして、例えばAndroid OSを積んだXperia miniには、キーボード無しのXperia miniと、キーボードつきのXperia mini proがあるが、いわば前者がiPadで、後者が、MacBook Airではないだろうか。
iPadのキーボード付きのラインナップを作るにあたって、引っ張りだされたのがMac OS Xを積んだMacBook Airという気さえしている。
なお、11インチはバッテリーの持ちの5時間で、13.3インチモデルが7時間だそうだ。それがクリティカルな差だと思う用途の人もいるだろうが、「使いたい時にちょっと使える」ための有効期間が30日であるならば、僕自身は5時間の駆動時間はあまり気にならない。
そういう使い方をするマシンにおいて、連続駆動時間はあまり問題ではないかな、と個人的には思っている。
もちろんバッテリーは一つなので、バッテリーが減ってしまえばスタンバイの時間も減るわけだが、後はどこまで使うか?というので決めたら良いと思う。個人的には13.3インチ + 4GB + 256GBの構成にすると、相変わらず中途半端な割にはハードの値段が高いかなと言う印象を持っている。VMWare でWindows 7を動かせるので、物理メモリが8GBあったら即買いだったが、そういうのはMacBook Proでやれ、ということなのだろう。
(VAIO type Z + 8GB + SSD Raid + VMWare で、Wndows 7 on Windows 7という手もある。こちらも1.3〜4kg程度のハードウエアである。)
自分がMacBook Airを買うのであれば、11インチ + 1.6GHz + 4GB + 128GB SSD に興味がある。1.4GHzと1.6GHzとでは消費電力が変わらないようなので、それなら少しでもスピードの早い方が良いだろう。OS Xと省電力型のCore 2 Duoの組み合わせでの使い勝手は不明だ。さくっとブラウジングする程度なら問題ないだろうが、がっつり使おうと思うと不満を覚えるかもしれない。そこは割り切りの用途だと定義した理由でもある。
僕の中では、「Macのポメラ」というイメージも持っている。ブログを書いたりプログラムを書いたり、というのが最適なマシンだろう。電車やカフェでふと思いついた時にコードを書く、なんて言うクリエイティブな人には最適だろう。スタンバイの時間にも頭の中で何かを組み立てているような人であれば、最大30日というスタンバイの安心感はとてもクリエイティブな時間を演出してくれるのではないだろうか。
今後の「パソコン」の生き残る先は、いかにクリエイティビティを発揮できるか?だと思うので、このマシンの省電力へのアプローチは買い!なのである。
そのスペックに対して価格が革命的に安くなっても、相変わらず贅沢な機種であることには違いないが、3Gが内蔵されていたら、さらに魅力的だったと思う。