October 03, 2010
本ブログでは設立当初から、「リビングPC」というカテゴリを作っていて、家でPCをどう楽しむか、という部分は以前からこだわっているつもりだった。
ところが前の家では、Web2.0の個人開発ブームに影響され、気がついてみたら、ダイニングテーブルに、バロンというオフィスチェアが置いてあるというまるでSOHO仕様の家になっていて、家族からブーイングの嵐だったが、リビングでくつろいでネットサーフィンをする、という文脈とは無縁な環境になってしまっていた。
しかし今回、起業して社員を雇い、オフィスを持つことで、サーバをオフィスに移転し、必要があればオフィスに行けばよい、という環境が整ってきて、ようやく家から開発臭を排除することができ、テレビを見ながらソファでネットサーフィンする環境が整ったので、さっそくiPadを活用し始めた。
ところが、iPadだとあまり面白くない。
何が面白くないか、というと、twitterしかやらないのだ。これはツイッターにハマっているということではない、そこから外のサイトに行くのが面倒くさいのだ。
とりあえず使い慣れたモバツイを開いて、ツイッターにアクセスして、そこから外に出て行くのが面倒くさい。
アレを調べたい、という目的意識があれば良いのだが、そもそもテレビを見ながらの受け身体勢というのもあるが、やっぱりあるのは、文字入力が面倒くさい、というところではないかとやはり思うようになった。
こちらがキーボードネイティブであるというバイアスがあるので、別に万人に主張するつもりはさらさらないが、やはりタッチパネルのキーボードが故に必要なコストが高い、、、というか、もっとわかりやすく言うと、タッチパネルキーボードが故にある微妙な面倒くささが、リビングのシーンだと、とりわけ面倒くさい。
カフェや外を歩いているというモバイルシーンにおいては、ノートPCのキーボードで入力するのは、違う部分でコストが高い。サイズの問題、重量の問題、形の問題、電波の問題、起動時間の問題、、、、それが故に、使い勝手的には多少不便でも、携帯電話のキーや、iPhoneやiPadのタッチパネル入力の方が便利で、
「タッチパネルの不便さ」 < 「モバイルデバイスの利便性」
という状況があるので、重宝するわけだが、リビングというあまり制約のない環境においては、
「タッチパネルの不便さ」 > 「タッチパネルの利便性」
という不等号が成立してしまって、感覚的に狭いところに閉じ込められている気がしてきてしまって楽しくない。結局、オットマンに足を投げ出し、MacBookProをひざ(腹)の上において、ネットにアクセスするようになってしまった。
家の中でくつろぐシーンで、パソコンがイケてないのは前傾姿勢になるところだと思う。しかし、こういう使い方であれば、前傾姿勢にならないので、iPadで言われていたメリットとは決して遠からず、という部分だと思っている。より、気楽な姿勢で快適に遊べるデバイスであれば、決してタッチパネル、タブレット型であることが必要条件なのではなく、キーボード付きの端末でかまわないと思っている。
もちろん、家にiPadしかありません、という人は、そんな不等号を意識するほど選択肢がないわけだし、アクティブに活用されている方もいると思うので、リビングにiPadは向かない、というつもりはないが、iPadという機器が、iPhoneの成功をユーザーの目に植え付けた上で出てきた、ということにはやっぱり意味があるんだなぁと思う部分はある。(ユーザーの側がiPadの活用法を探したくなるぐらい、iPhoneがキラーデバイスだった、という意味で。)
追記:ベッドサイドコンピューティングは、タブレット型の完全勝利です。