March 31, 2010
ドコモからXperiaが発表され、auからもオリジナルのAndroid機と、Windows Mobile7機が発表された。
ソフトバンクは、iPhoneとAndroidの両構え
ソフトバンク初のAndroid端末、“ほぼNexus One”の「HTC Desire」
auの新機種がなんとなく期待通りのオリジナル機体。いわゆるiPhoneっぽいフルタッチパネルではなく、ポケットボードやシグマリオンのような、プチノートPC型の端末を発表してきた。
androidの注目点は、「iPhone型」に依存しない自由度なのだから、これは正しい方向性である。
それと同時に、「iPhone型=スマホ」と思いこんでいる人たちには、なんだこれ、という反応なのだろうが、まぁ仕方ない。
で、僕はどう思ったかと言うと、auの行く道は正しい。正しいが故に、ちょっとテンションが落ちてしまった。
スマートフォンとは何なのか?いわゆる日本の携帯電話との違いはなんなのか?
iPhoneは、良いんです。アップルのプロダクトだから。アップルはビジョンありきの特別な会社だから。
でも、Androidはちょっと違う。標準化された組み込みLinuxの汎用携帯OSになっていく存在。応用製品ベースになってナンボのハズだ。
行く先は、現状の携帯OSの置き換えなのだろう。
何世代かのアップデートの後に、独自アプリ、独自ハードのセットで、今の携帯の変わりになるべきものだろう。その時には、Androidという名前が前面に出てくることはなくなり、スマートフォンというカテゴリは「携帯電話」というカテゴリになっているものと思われる。
ハードの進化で、プチPCのようなソリューションが携帯電話のベースになる、その一歩ということに過ぎない。
で、それは多分、2~3年は先の話であって、今、Androidを取り巻く環境は、どうやら、こういうことらしい。
・リファレンスデザインはiPhone型。故に進化が早いのはiPhone型のAndroid(つまりHTC)
・今のところ頑張って作りこむと、OSの進化が早いことがネックになり、マニアであるほど常にバージョン不一致にマニアはやきもきする。
・結果的にiPhone型が一番先進的に見えるジレンマ。固定観念としてのAndroid機がここにある以上、その束縛を受ける。
(前提条件としては、iPhone型が必ずしもモバイル端末として理想形ではなかろう、という前提で書いています)
「iPhoneではない」「携帯電話ではない」、Android機に何を求めるのか?開発者のような作り手は置いておいて、ユーザーとして見た時に、一体何の価値があるのかわからなくなった。
WebkitベースでPCサイト見えます(iPhoneでできるじゃん)、PCメールや、POP/IMAP、Gmailが使えます(iPhoneでできるじゃん)、沢山のソフトが買えます(iPhoneの成功モデルだよね、それ)
結局、iPhoneのオルタナティブ機種でしかないなら、一定のシェアを取るだけで終わりだ。組み込みLinuxを買い取って、iPhoneの対抗機種が作りたかったわけではなかろう。(多分)
OSが十分枯れ、ハードのコストが下がってくれば、さまざまなスタイルのデバイスに応用されてわくわくする時代はいずれ来ると思うのだが、発展途上につき製品性を考慮しても、今しばらくは難しいような気がする。結局、見込み客が古いバージョンのOSや、細かい性能の有無を気にしているうちは、OSが発展することが製品販売のリスクにしかならない。
またAndroidは、組み込みOSにしては、リッチなソフトウエアのような気がするので、応用製品もある一定のラインを越えたものしか出てこない可能性が高い。
ここで言う、「一定のライン」とは、「どうせandroidを使うんだから」という理由で、「必ずタッチパネル」とか、とにかくリッチなものしか出てこない、という意味。
iPhone型のビジョンは、iPhoneを考えた人達のビジョンに基づく最適化アプローチが先にあって、それを真似してもiPhoneを超えることはできない。よく中国でiPhoneのパクリ製品が出たが、完成度の良しあしはあれど、iPhone型である以上は、多かれ少なかれAndroidベースのiPhone型電話も似たようなものだ。中国だと気持ち悪くて、GoogleだとOKなのは、僕らの固定観念に他ならない。
自分達の決めたビジョンに基づいて、自由に最適化にできるのがAndroidの強みだと思うが、今はまだ、いろんなものがリッチ過ぎるし、見込み客も慣れてないので、しばらくは、リファレンス機タイプ(iPhone型) vs 中途半端に見えてしまうカスタマイズ機、の間でやきもきする状況が続くのだろう。
#キャリアの場合はプライオリティが会員数増加にあると思うので、SIMフリー化で、サードパーティによる柔軟性の高いエコシステムができたら面白いのになぁというのは現実を無視した妄想なのだろうか。「パソコンはこういうもの」という固定観念はあるが、組み込みはもっと夢があるハズ。そこにAndroidマーケットもスピード実現と機能底上げに貢献し、というのがプラットフォームとして理想だと思うのだが、逆にAndroidソリューションがiPhone型に決めつける要因になってしまうのであれば、別に、他の組み込みOSでいいじゃんって話になるだろうし。携帯電話がまさにその辺で心揺れる存在になりそ。