March 25, 2010
こんなお店の話題が、知人を通じて入ってました。
「ビキニの女の子モデルが随所に埋め込まれた、お酒のネットショップ」、説明を書いても、このショップ名の簡潔さに勝てませんね。
女の子の情報は、ツイッターと連携していて、見込み客、お客様とのやりとりがショップ上で可視化されています。
メルマガ登録も、女の子の登録情報を配信します、という立てつけになっていて、商売気とエンタメ性が半分半分ぐらいの見せ方になっていて、なかなか素敵な感じです。
ネタフルさんでのインタビューによると、モデル交渉もしているようでした。美人時計型で、そこにネットショップを組み合わせた感じでしょうか。
ちなみに、ネタフルさんのインタビュー、2010年1月なんですね。僕にこのお店の情報が届いたのが2010年3月末なので、徐々に伝搬してるんでしょうね。
情報の早いネットで、例え一定速度でも情報伝達の流れが途絶えないことは、とても大事なことです。気が付いたら大きなストックができていて、マスメディアに取り上げられるなどで、一気にブレイクする可能性もあります。
ネットショップの分類としては、EC cubeを使って独自ドメインで運用されてるお店。楽天などからの集客に依存しないスタイルです。この方法は、比較的、維持費が安い分、認知度を上げるのが難しいので、その壁をどう乗り越えるかがカギです。
従来のネットショップでお酒を販売する際の問題点として、お酒は、どこでも買えてしまうもので、差別化が難しいため、お店の認知を上げるのが難しい。
レアなお酒を扱うことでのマニア向けマーケティング、というのがネットらしいところだったんじゃないでしょうか。
ましてお酒の名前で検索エンジンの上位に出るのは難しいです。
ECサイトの集客手法に、楽天型⇒Google SEO型があると仮定するなら、この店は、ソーシャルメディア型と言えるのではないでしょうか。
楽天出店型 ⇒ 特定のポータルに広告宣伝費を投下し、バナーやメルマガでPR
⇒良くも悪くも楽天の集客依存で、価格勝負になりがち。(ただし売上は一番見込める)
SEO型 ⇒ SEO対策+リスティング広告
⇒お客様が入力する検索ワードに依存。実用一辺倒で、お店の差別化が難しい。
ソーシャルメディア型 ⇒ アイディア + 口コミ
⇒ネットリテラシー+マーケティング力+アイディアで勝負。コスト安い?(この場合はモデルコストが主体?)
言ってしまえば、お酒というコモディティ化された商品を売る「ただのネットショップ」が、口コミという横ぐしによって、僕のところに伝わってきて、このショップのURLをクリックした、という事実が、とても印象的な出来事で、この記事を書く動機になっています。
このショップには5つの約束というもので、、特徴がわかりやすく表現されています。
1.他店への価格のリンクがついてます
⇒なんと楽天の商品検索へのリンクがついてるようです。必ずしも再安値とは限らないので、安心してね、という手法。「Joel on Software」でも、ExcelがLotusへのexport機能を付けて安心感を与えるという話がありましたが、それと同じですね。このたった一つのリンクを貼れるショップは多くないです。
2.広告売り上げを価格に還元
⇒ここで広告が売れたら価格に還元します、だから有名にしてね、という流れもあるし、さらに還元自体は、twitterやメルマガなどを通じてタイムセールを行います、となっているので、自然に関係性を持続させる理由になっています。うまいなぁ。
3.送料は何本買っても500円
⇒アマゾン形式ですね。売上全体では、1~2本平均に落ち着くハズです。
4.5.その他特典付き。
ちなみに、僕のつたない経験の感想から言わせてもらうと、エロで釣ってもPVが上がるだけで物が売れない(エロ的なドーピングで、むりくり誘導してもCTRが下がるだけ)という印象を持っています。
やっぱり一番大事なのは、商品優位性、価格優位性、そして商品のメッセージがちゃんと伝わること、という基本がちゃんと兼ね備えてることだと思います。
こちらのショップ、商品説明が良いんですよね。
ヴィレバンのPOPみたいだなぁと。
ビキニはここに誘導するまでの材料、実際に買わせるのがこのPOPかなって思いました。
酒屋というよりは、バー的な感じ。つまり「どう楽しむか」「どう使うか」、というところですね。
まさに「モノよりコト」的なPOPが満載です。
細かい情報は、(?)のアイコンからGoogle検索にリンクを貼ってアウトソースしています。
短く簡潔で面白いので、これを配信するbotを作りたいですね。アフィリエイトとかやらないのかな。(ていうか、このお店がやれば良いわけですが)
外部リンクを提供し流出する動線も備えるなど、楽天が脈々と守り続けるリンクポリシーなどにあえて反していたり、画面の情報量的には単純なSEO対策としては情報が不足しています。楽天やgoogleにリンクを貼っているのもマイナス点でしょう。
そういう意味で、既存のネットショップのセオリーに照らし合わせると売れるのかどうかはわかりません、という評価になりそうな気もします。
・・・が、とても面白いと思ったのは事実なわけですし、何より、沢山ある酒屋のネットショップがある中で、実際に訪れたことが大事だと思います。
(そこまで辿りつけずに消えるショップがどれだけあることか)
このお店が沢山売れたら、
「ソーシャルメディアマーケティングは、画面の情報量ではない。」
「商品の良さとリンクは、140文字で伝えなさい」
という新しい成功法則ができそうです。
ネットがもっと面白くなって欲しいなという視点でも、是非、そうなって欲しいと思っています。
まだまだまだまだ沢山やれることあるんだなぁ。勉強になりました。
あと動画をクリックではなくて、Person in presentation的に、画面内をモデルの女の子が動きながらお酒をプッシュしたりとか。当然、iPhoneアプリの道も期待したいところです。
女の子をクリックしたらカートに商品が入るあたりも、きっちりしてるので、きっとその辺もやっていくるんじゃないでしょうかね。