February 24, 2010
明快な正論。
あと勝間さんにはアンチ的な読者がいるので良いですね。
本当はダメなのに、ダメと言われない人ほど怪しいものはないし、ダメと言ってる人の筋が通ってるとも限らない。専門知識がない者にとっては、そういうのもひっくるめて全般的に判断するのはわかりやすいです。
感想としては、この本に限らず前から思っていたのが、何故そんなに日銀はハイパーインフレを怖がって動くことができないのだろうか。本書では、日銀の中の人があまり賢くないという流れであるが、ことはそんなに単純なのだろうか。
彼らにとって、「日本国」はどういう風に見えているんだろうか。そこが大きく気になった。
さて、若干ネタ寄りの話を書いておくと、本書は、後半2/3弱が経済の話です。タイトルにある「自分をデフレ化しない方法」という内容は前半が該当するのですが、デフレ時代のサバイバル術16カ条とある章から気になったタイトルを抜き出してみると、
・蓄財は投資信託を活用する
・住宅ローンは慎重に
・パソコンは買っても車は買うな
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・究極の節約法はタバコ、酒をやめること
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・資格マニアになるな
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・どこでも良いから正社員就職する
これ読むと、割と身も蓋もないことが書いてあって明快です。勝間さんは、昔から、頭の良い人が実は常識にしていながらも、他人に教えないようなことを惜しげもなく書いている印象があったのですが、今回はその総集編のような感じです。
ただ、これを真似して行動できる人は、相応の人生の楽しみ方を自分の中に持っていることが求められると思います。
それができないからこそ、ここで言われてる「余計な出費」をしてしまうわけで。
なんとなく思ったんですが、勝間さんは「みんなで勉強しよう」みたいな本を書いたら良いんじゃないかなって思いました。
何点か気になったところがあって、
「デフレ脱却の鍵に、お金を安心して使える環境を作る」
「職業訓練しよう」
「穴を掘って埋めるだけの仕事は虚しくないのか」
「リクルートや電通が就職先として人気があるのは、そこで仕事をすることによって、自然と営業力や企画力がつき人脈が築けるからです」
「テレビ番組の劣化」も深刻です。~スタッフから「勝間さん、とにかく中学生、高校生にも分かるように説明してください」
全体的には、「もっと勉強しよう」という考え方があるように感じた。
と同時に、もしかしたら、デフレ脱却のカギに、勉強して人生に生かそうという意識こそが、社会への活力になるのででは?と思ったりした。
世の中「難しいものは売れない」という言葉があって、ネットサービスのツールでも「かんたん、すぐできる」をウリにすることは多いです。
しかし、その半面、それを有効に生かそうと思うと、結局知識や経験が必要だったりするわけです。フタを開けると、世の中そんなに甘くないことがわかる。
「もっと勉強しよう」ということを最初から言うと売れないから言いません。その結果、勉強しなきゃいけないことに気がつかない人は、途中であきらめてしまうわけです。
もし諦めるまでの時間が相応にあるとしたら、世の中、損失だらけで動いている状況なのかもしれません。
できない奴は何もするな、ということが言いたいのではなくて、最初から、「みんなもっと勉強しようぜ」ってことが言えたら、もうちょっと世の中スムーズに周るんじゃないかなぁ。