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藤川真一について


初代モバツイ開発者
想創社再創業 / KMD博士課程
著書〜100万人から教わったウェブサービスの極意―「モバツイ」開発1268日の知恵と視点 [Kindle版]
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December 03, 2009

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ちょっと前にtwitterで、あるベンチャー経営者が参加するイベントのつぶやきが流れてきました。

「今年はソーシャルアプリがイケてる!」

…景気の良いmixiアプリ周辺の動き、モバゲーオープン化の話などが聞こえてきます。


それと時同じ頃、mixiアプリにサービスを提供している複数の知人から、こんな相談が入ってきました。

「mixiのトラフィックにサーバがもたないから、トラフィック急増に対して柔軟、迅速にサーバを追加できるEC2を使いたいから手伝ってくれないか」と。

巨大なトラフィックをうまく乗り越えて成長してきたmixiの、ほんの一部のトラフィックでもかなり強大だということを物語っています。

それまでサービスとしてのポテンシャルは高くても、自前のブランディングでは集客に限りがあったということでしょう。mixiアプリ+すぐれたサービスによって、流入してきたトラフィックは、ありがたい悲鳴として想定外だったようです。

今すぐ増えた急激なトラフィックは、今すぐ解決しないと精神的に重いです。ビジネスチャンスを逃しているわけですから。

今すぐ飛んで行って、お手伝いしたい気持ちは満々なのですが、こちらも11月12月はもパンパンで、はいどうぞ、と言えない状況です。

その変わり、「EC2は今すぐ使えるので、こうやって対処してください。これこれこれ...」とお教えします。
EC2の概念で不慣れなポイントを咀嚼して伝え、彼らのエンジニアが理解できる概念に落とし込みます。

EC2は慣れてしまえば、ただのレンタルサーバですから、そこさえ理解できれば、あとはすぐに構築作業に入ることができます。

一度構築してしまえば、トラフィックが急増しても30分以内にサーバを追加することができます。巨大になったサービスにぶら下がるオープンプラットフォーム時代、かつ、リアルタイムWeb時代には、アマゾンEC2のようなクラウドな仮想サーバは、ビジネスの遂行にとって必須である、と言わざるをえません。

そんな時に必ずお伝えしているブログの著者である、id:rx7さんが書かれた本が、以下の本です。


id:rx7さん・・・著者の並河さんは、TISというSIerの社員で、社内ベンチャーでAmazon EC2を活用した社内SNSサービスを開発、販売されており、そこでのノウハウが本書に投入されています。(本書は同じくTISの安達さんと共著)

EC2のわかりにくいところは、クラウドの特性そのものである「ハードウエアやサーバラックが目の前に見えない」ところにあります。

管理画面に入れば、アメリカの東海岸が良いですか?ヨーロッパが良いですか?次はシンガポール?と、簡潔なメニューでどこのサーバを利用するかを選ぶことができます。

動かすだけなら何も考えなくても適当にアメリカを選んでおけば良いんですが、対障害性も含めて適切にシステムを構築する場合は、もうちょっと想像力を働かせて、世界のあそこにサーバがあって、こうシステムが繋がってるから、どういう風に繋げたら良いか、というあたりをなんだかんだと想像していくことは、少なくともエンジニアであればクラウド時代でも変わらないと思います。

本書には、EC2とはなんぞや?どうやって設定するの?という基本的なところから説明されてるだけでなく、僕が一番気に入っているのは、「Amazon EC2/S3を活用したシステムの設計ポイント」という章です。SIerならでわの視点と、EC2のノウハウがうまく融合していると思います。

その他テストや障害対応についての概念も触れています。

EC2を使うのは、少なくともある程度システム構築経験がある人でしょうから、UnixやWindowsサーバーの知識などを全くゼロから説明している本ではありません。

本書が届いた時に、一瞬見たときに、

「なんだか触れてるところが簡単すぎね?」

と思いました。

しかし、よくよく考えてみると、僕が知人に伝えたように、「EC2のわかりにくいところ」をほぐしてあげれば、ログインする人にとってはただのレンタルサーバーなわけですから、そこを重点的に説明するのがEC2の本としては正しい。

これはGoogle App Engineなどもそうなんでしょうが、人間って面白いもので、フレームワークや製品名、サービス名がついていると、ついつい身構えてしまいます。それこそがブランディングにつながるのですが、勉強しなきゃ!みたいな気持ちの壁も同時にできてしまいます。

しかし、中身はオープンソーステクノロジを活用した「使い慣れたもの」だったりするので、そういうところをほぐして繋げてあげるのが、こういう本の役目なのかもしれません。

それだけ平易に解説されているという現れですね。

これからサーバエンジニア、アプリケーションエンジニアをやっていこうと思うなら、本書は必読だと思います。


EC2を1週間動かして、すぐ止めてしまえば、コストは2000円もいかないぐらいで、ルート権限を持ったサーバを借りられます。トラフィックコストは、画像や動画を大量配信しなければ、大したことないです。

今は円高でEC2利用料、安いんです。(助かってます)

年末年始のお休みに1週間。本書とあわせて予算5000円。

是非、お試しください。


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