July 21, 2009
よくECでは、「かご落ち」という言葉がある。
一般的に言われるのは、買い物かごに入れてから実際に、商品が購入されるまでの間に、ユーザーが買い物を諦める数のことらしい。
その理由の筆頭にあげられるのは、大体、入力フォームの善し悪しと言われている。
入力フォームがわかりにくい、とか、余計な情報が載っている、などの理由だ。
それは本当だろうか?
僕等ネットマニアは、いささかWWWに対して潔癖すぎるところがあって、やれメールが毎日送られてくるのはウザイだとか、アフィリエイトURLはウザイだとか、フォームでいろいろ聞かれるのはウザイ、という自分なりの美学を持っている。
この美学が、入力フォームのわかりにくさ、と言う事例がマッチするので、そのような答えが心地よいというのはあるのは否めないと正直思っている。
■インセンティブゲーム
入力フォームに情報を入力するのは間違いなく手間だ。
それは間違いない。
しかし、その手間を遂行し、目的が完遂するかというのは、以下の要素が一番大事だと思っている。
1.その手間を完遂するだけのインセンティブがあること。
2.そもそも不可能でないこと。
「わかりにくすぎる入力フォーム」があって、アドベンチャーゲームの答え探しのようなヒドイフォームがあれば、かご落ち率90%も夢ではない。
また、とにかく「かごに入れてしまえばいくばくかの割合で買われるだろう」という乱暴なカートシステムがあったら、ユーザーが購入へのインセンティブが全くない状態なわけだから、そりゃカゴ落ち率が高いのは当たり前。
でも、そんなイマドキ、そんなひどい入力フォームなんてあまり見かけないし、入力フォームがわかりにくすぎて完遂できない、というのは若干都市伝説が入ってやいないだろうか?
SEOのメタタグだとかH1等という、外部リンク一つに対して割とどうでもいい効果しかないことにこだわるのと同じく、それよりももっと大事なことがあるのではないだろうか?
■間違いなくユーザーが萎えることはこっちだ。
1.わかりにくい商品情報で、買えるのか買えないのかわからない。
2.わかりいくい納期説明
3.わかりにくい送料
4.わかりにくい在庫
5.わかりにくい決済手段
6.カード決済がエラーになる。
こっちの方が大問題だ。
カード決済がエラーになる、ということを除くと、入力フォームの善し悪しよりも、もっと基本的な商品購入情報に不備があるケース。
これはカゴ落ちを間違いなく誘発する。
というのも、こういう状況は、
「その手間を完遂するだけのインセンティブ」を否定しているからだ。
モチベーションと読み替えても良いかもしれないが、要はこういう理屈だ。
「その商品にお金を出して買おうと思ってるぐらいモチベーションがあるんだから、人はそれなりに創意工夫をして購入を目指すハズ」
それに対して、
「トータルで、いくらお金を取られるかわからないお店では買えない(怖いから)」
自分は、1円でも不明瞭なところがあると固まってしまって買えないタイプ。少々高くてもわかりやすい店で買います。許容幅は10万円の商品なら+1万円以内までならOK。
「いつ商品が届くかわからない不明瞭さは、休日にお店に行った方が早いかもしれないので致命的(怖い)」
「カード決済がエラーになったら、余計お金が取られそう(怖い)」
何よりも致命的なのは、恐怖を抱かせること。
入力フォームがわかりにくいのは、恐怖ではない。あまりにひどければ、目的が完遂できないか、ワケワカで諦めてしまうかのどちらかに繋がるかもしれないが、そんなヒドイ入力フォームの話をしているわけではないことは繰り返しておく。
ITスキルの度合いがあるから、別に自分と比較してるわけじゃないが、その人にとって少々、面倒臭い程度で諦めるような商品だったら、最初から買わなくても良いハズだ。
別に入力フォームの出来、不出来を無視していいというわけじゃないが、カゴ落ちの理由を入力フォームという、自分たちにとって一番都合の良い理由に見出すよりは、もっと自分達にとって当たり前になっている基本的なビジネスロジックが顧客にとって不安を与えてはいないか?について徹底的に考えた方が相対的にお得。
■そう思ったきっかけ、根拠。
単純に、そういうアンケートをしたことがあって、上記のようなことを示唆する結果が帰ってきたという経験則はあるってのはあるんですが(入力フォームのわかりにくさよりも重要なことがあるという結果)、それだけじゃなくて、何個かの経験即に基づいている。
・ツイッターの画面って超わかりにくくね?でも人増えてるし。
(おいらツイッターの画面超苦手なんだけど)
・FaceBookもね。最近はよくなったけど、そもそもアクセスする気にならない画面
・最近、複数のブログASPでテストをする機会があったんだけど、シェアが高いblogシステムの使い勝手があまり良くないと思った。でも、魅力はそこじゃないんだろう。
・インセンティブについて意識したのは、Youtube。
iPhone 3GSからYotubeに動画がpostできるんだけど、カテゴリの選択とタグ、タイトルの入力は必須項目なのね。あれ面倒臭いんだけど、ただ動画をデータとしてアップされると、Googleにとってはゴミが増えるのと同じだから、メタデータの入力が必須なのは正しい。その代わりアップロードが面倒くさいので、動画をアップするインセンティブとの戦いのハズ。
それでもiPhone 3GSが出て、Youtubeの投稿数は激増したとか。
もう寝ないと明日死ぬので、風呂に入って思いついたことを一気に書いてみました。
乱文失礼。