April 25, 2009
13歳のハローワークってサイトが好きで、メルマガで質問が来るたびに仕事の息抜きみたいな感覚でレスを書いてたら、年間で結構な投稿数になって、去年もオフ会で表彰されちゃったりして。
えふしんさんの回答一覧|もっと教えて!フォーラム|13歳のハローワーク公式サイト
村上龍の13歳のハローワークって本に感銘した本サイトの運営会社の前社長が公式Webサイトとして運営するようになったらしいんだけど、その中のコーナーで、小中高の学生が職業に対しての質問を書いて、オトナが回答している。
僕にはWeb、情報系の質問がメールで送られてくるので、SEになるにはどうしたら良いんですか?とか、プログラマーになるには、とかWebデザイナーになるには?なんて質問に答えていたりする。
大体、学校の進路指導などで、将来どういう仕事につきたいか?というのを答えなくちゃいけないあたりで、自分が将来なりたいものがない、という人や、まだ中学生なのに焦っちゃったりしてる真面目な子供達がいるので、おいおいちょっと待て、まだそんなに焦るなと言うのがオトナの役割パターンだったりして。
前から、彼らの質問で多いので、何故なんだろうって思う質問パターンがあって、それはこんな質問だ。
「Webデザイナーになるには、どういう資格を取ったら良いですか?」
他にもウエディングプランナーになるにはどういう学校に行ったら良いですか?なんてのも見た。
こういう新しい職業には、そもそも体系立てて人を育てるようなノウハウが溜まってなければ、学校に行かねば得られない資格があるわけではないので、必ずしも学校に行く意味があるわけではない。(メリットとしては同じ方向性の人と出会えることに尽きる。)
とは言え、子供達は学校が全ての世界なので、学校や試験で得られる資格がオトナになるプライオリティだと信じている部分がある。
学校教育という学びのプロセスでは、基本的に「選ばれることで成功する」人生を送る。
選ばれるというのは、相対評価での学校の成績や、受験でその人の評価が決まるということ。
就職もこの延長戦上で考えていくと、「資格を取れば選ばれるのに有利だ」と考えるのは割と自然なこと。
でも必ずしもそれだけじゃないよって言うのが、このサイトでのオトナの役割。
ただ前から思っていたのが、政治家の子供は政治家になるのと同じぐらい、社長をやってる人は、親が自営業だったり社長をやってるケースが多い。
これは想像の域を超えないが、社長をやってる人は基本的に「選ぶ人生」を選択した人とは言えないだろうか。選ぶ人生を送る考え方は日常の発言に表れる。それが結果的に、子供にも伝搬して必然的に選ぶ人生を選ぶのではないだろうか。
親がサラリーマンだと、どうしても「選ばれる人生」という考え方に染まるのは否めない。出世競争なんて言葉は企業という枠内で「選ばれる」ことである。大企業であればあるほど、選ばれることのメリットが大きくなる。逆にイマドキは企業の枠組みの中で選ばれないことで職も失う。そして次の職を得るために選ばれるのは至難の業。そりゃ必死になるのも当たり前だ。
故に、親から引き継ぐ教育、人生観もまた「選ばれるための人生」となりがちなのではないか。
だから、「選ばれるために必要なこと」として資格という言葉が出てくるのではないか。
もちろんあらゆるビジネスの成功は評価を受けることだから、選ぶ、選ばないという意味では、常に人は「選ばれている」わけなのだが、「選ばれる方法を自分で選んでいる人」と、レールにうまく乗るために「その枠組みの中で、うまく選ばれること」を目指している人ではメンタリティが違うだろう。
職業選択は、「社会で自分の価値が選ばれる手段」を自分で選ぶ初めてのステップなのだろう。だからこそ彼らは思い悩んで、13歳のサイトに書き込みをするんだと思う。とにかく僕としては、どんな職であろうが、少しでも「自分で選んだ」ということを実感できる選択をして欲しいと思うからこそ書き込みをしているんだと思う。
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