April 20, 2009
今の不景気の代表的なものとして、マンションが売れない、車が売れないと言ったものがあると思います。
特に不動産は致命的らしく、売れる予定の新築マンション販売への大規模投資が資金繰りがうまくいかなくなり、急拡大を急いでいた中堅規模のマンションデベロッパーに急ブレーキがかかりバッタバッタと潰れてしまってるのがイマココ
勝間和代さんの「お金は銀行に預けるな 」を読んだときに、これは僕は苦手だなぁと思って途中で読むのをやめてしまったことがあります。
・都市部の人は、非合理的な欲求である車は買うな
・新築マンションは営業コストが数十パーセント乗ってるので買うな
というあたりを見て、車もマンションも買った僕としてはきっついなぁと。
どうも今の構造に当てはめると、人々が車を買わなくなったことで派遣切りが横行し、人々が新築マンションを買わなくなったことでマンションデベが潰れることで大量の失業者が生まれている状況を鑑みるに、仮に勝間さんの書かれてることを多くの人が実践した場合には、まさに今のような状態になり、誰しもが不景気不景気と口にするような世界なってしまうわけです。
例えば中古のマンションというのは誰かが新築マンションを購入するからこそ発生するのです。全員が新築マンションを買わなければ、お得な中古のマンションも決して生まれることはありません。
他の人が「バカ」みたいに新築マンションや車を購入しているのを横目に、本書に書かれている考え方で賢く生きるのはマイナーな存在だからこそ成り立つのであって、こういう考え方がメジャーになってはいけないのではないか?と思ったからこそ苦手意識があったんだなぁと、最近ふと思った次第。
つまりそういう生き方自体は一見アクティブなようで、2007年当時の社会があったからこそ成り立つ受け身的な考え方である可能性がある。
(例えばスーパーの特売だけを買う人がいたとします。そういう人は「それ以外の商品もちゃんと買って総額で利益を与える人」が存在するからこそ、そのビジネスが成り立っていることを前提にすべきで、全員が賢くなって特売商品だけを狙ったら、特売は消滅しますね。)
かくして、この記事を書くために「お金は銀行に預けるな」を改めて開いてみたのですが、これが面白い。
本書が出版されたのは2007年8月です。
当時は、既にサブプライムローンの影響が出始めていた頃でしたが、本格的に一般が認識するようになったのはそこから1年後。まだ日経平均株価は17000円台で、今の2倍以上の株価だった頃です。
まだまだ好景気のノリがあって、みんな夢があった。2007年問題と言われる団塊の世代の引退を受けての超売り手市場と言われていた悠長な時代でした。
1年後に今のような状況になるとは、まさか思っていなかったというのが大方の見方でしょう。本書の大部分もそういった状況に対する「世の中を出し抜いて自分だけが得する方法」という面は否めません。
そんな頃に読んだ僕の本書の印象は、結局、投資本か?という視点でしか見えませんでした。
しかし、本書で薦められていた投資信託もREITもどうしようもなくなってしまった今の段階で、改めて本書を読んでみると、実はそこが結論ではなく、利益を求めるが故にダークなことが正当化されてしまい、本人達もどうしようもなく暴走するという資本主義のほころびにフォーカスを当てています。サブプライムローンがその最たるものですね。
そして、それと同時に価値観をシフトさせるべきで、そのために金融リテラシーを身につけるべきだという結論であると私は解釈しています。
もしそれが正しい流れであるべきであるならば、今の派遣切りや、自動車が売れなくなっている状況は、正しい変化の道程と言えなくもありません。
大事なのは、新しい価値観・・・短期的な経済成長ではなくて、もうちょっと長い目を見た正しい成長を求める力だったり、世界の不均衡を是正するような仕組み作りに、社会全体がコミットしていき、新しい経済の秩序をもたらす変化を起こすことでしょう。
今までの価値観のままであれば長期停滞が見えているというのは、多くの専門家が指摘している通りなんだと思います。
100年の1度の不況というよりは、100年に1度の変化のチャンスだと言うことかもしれません。そこでの新しいリーダーに求められるのは、例えば金融リテラシーに代表されるような「正しい知識」であり、人を動かすのに合理的な動機を作り出せること、だと思います。
タイトルを見てわかる通り、別に壮大な結論を書いて終わるつもりで書きたかった文章じゃないので、ここら辺で終わりたいと思いますが、ローンであったり、生命保険であったり、株であったり、相応に資産や負債を持ってしまっている人は、改めて今の時代に読み返してみると、面白いと思います。
光文社
売り上げランキング: 1731
充実してきた投信と買いやすくなったETFの選択する悩みのない時代
負け犬の遠吠え
お金はCHABOに預けるな
投資手法の再まとめ
この方の本は基本自己満足が多く入ってますよ。
確かに、実際お会いもしましたが、知識力と洞察力はズバ抜けていると思います。
ただ、そこからの判断や結論の導き方が突出しすぎて、受ける人と受けない人が極端にでますね。
書籍も、モノによってはゴーストさんが書いてるそうなので、本人と違うテイストが出てます。
こんにちは。 ちょっと面白かったのでコメントかかせていただきますね。 そういう私も勝間さんの本は苦手というか、プライド?が邪魔して読めないのです。だから何一つ読んでいませんが、どういうプライドかはこの際関係ないので端折ります。
マンション購入の件は金持ち父さんを読んだときにはじめてその思想というか考え方を知りました。ただ僕は感覚的に判ってはいましたし、正しいとも思います。ただ、ああ書かれると買ってしまった人は価値観を否定された気になりますね。そこが実は一番、勝間さんの本を受け付けない要因ではないかとも思いますが違うかな?
非合理的な車にしても、今までそういう思想が無かったことを考えると、車=都市生活においては不要 と考えるのは別に間違っていないし、今まで車=必需品としか思われていなかったわけで、新たな考えが出てきただけの話だと思います。しかも、勝間さんがその考えを広めたとは到底思っていません。アメリカのニュースを見ても、最近の若者は免許を取らないと嘆くようなニュースを見たことがあります。あんなに車無いと生活できなさそうな国でですよ。
マンションも車も買い控えが増えたから不況というのもある程度正しいでしょうが、自然な流れだったと思っています。
というか、そもそも不況ではないです。古くはこの2008年の経済不況も1970年代の本ですら予測されていました。インドの経済学者はじめ。
これは単なるパラダイムシフトだとおもっています。
ただ確かに債務国が増えています。でも日本の輸出額の対GDP比は15%と低いです。また円高は輸入する側に有利です。日本はじつは輸出企業を見ると不況ですがそれ以外は実質影響を受けていません。むしろ国民が恩恵をうけるのは円高のときです。さらに実は可処分所得はこれから増えると予想しています。
また、ご自身でチャンスとおっしゃっていますが、車が売れない世の中になることで、多くの新しい産業が生まれます。車が売れて、マンションがローンでばかすか買える状況は、大手のデベロッパーや車会社が強いままです。つまり資本主義真っ盛りです。今後あらたな資本主義が始まると考えると、どんなに好景気になろうと、旧産業が盛り返すことは無いと思います。 それはピーター・ドラッガー先生を読んでもわかります。ただ私もこの意見の裏づけに乏しいので、これからカール・ポラニーの大転換を読んでみます。
なお、勝間さんの書いていることは今まで多くの作家によって書かれています。それが彼女を通すことで「人によっては当たり前の知識」も「新鮮な思考」になるわけです。 でも今まで勝間さんの書くような内容に触れたことの無い人に刺激を与えたという意味でやっぱり意義はあったとおもいます。
※住宅ローンに関してはあまりに何も考えない人が多いので、その意味では資本主義の仕組みを教えてあげるんは良いことであり、余ったお金は他のものへと流れていくと思います。お金でお金を増やす人たちのためのお給料が利息ですからね。
その通りだと思いますよ.
エコや節約を煽る人たちは,それが経済の縮小を意味することをわかってるんですかね?不景気は最大のエコですよ.デフレが進んでお得に暮らせて嬉しいんじゃないんですかね?
その代わり所得も減りますけどね.
需要の縮小が短期的,過渡的に不景気をもたらすことなんてわかりきっているはずなのに.
金は天下のまわりものとはよく言ったものですよ.
中古市場は新規販売市場に依存しているんだから,新規市場から中古市場に移行すれば,中古価格だって上がるに決まってるのに.
私はこれまでの価値が変わるような,絶対的な経済の縮小もまあ良いかと思いますが,ハードランディングすると多くの人が破滅するでしょうね.
だから不安を煽った上に阿呆のように得だの節約だの言う人たちを認められないんですよ.
確かに勝間さんの本は「どなたかの違う本」に書かれていることを勝間さんが自分の体験を織り交ぜ、わかりやすく書いてることが多いですね!
「お金は銀行に預けるな」
「車は買うな」「車に乗るな」「新築マンションは買うな」
勝間さんの言われている通り車の販売台数が減ると、結果的に景気が悪くなり、失業者も増え、株価も下がり、世界的不況が起きている。
私は、経済に詳しくないのですが
お金を銀行に預けておけばよかった!!と思っている人が相当いらっしゃると思いますが・・・どうなのでしょう?
現在の金融情勢でもお金は投資した方が良いのでしょうか?
賢い消費をしようという指摘がズバリ当たっていたので読めなかったのでしょうが、勝間さんの他の本も苦手ですか?
『日本を変えよう』では派遣切りにあう人たちのセーフティネットを強く提言されています。
子供の貧困等、国に主張して取り入れられたのも、勝間さんらが頑張ったからです。(子供手当ての良し悪しという問題はまた別ですが。)