March 15, 2009
起業セミナー系のうさんくさい商売の勧誘員になっていた友人に、悪徳商法の勧誘を受けた話が面白かった。
「俺ね、5年以内に起業して年収1000万超えるから。」 - 機械
高い入会金で人を集め、起業家を生み出す教育を施す。そこには仲間が沢山いるから、後々もメリットだよ、ということらしい。
そこで「如何に成功するか?」「如何にあなたがシアワセになれるか?」などの主旨で勧誘をしていく。
このビジネスはなかなか素晴らしくて、悪徳会社の社員という位置づけD君も完全歩合で成果が取れないとお給料がもらえないので、D君も必死になって友達にまで勧誘してくるという次第。友達の関係を消費したら先がないのは見えてるのにね。
とりあえず、こういうビジネスにハマらないための基礎知識を書いておこうと思った。
料金体系が「固定料金」である限り、あなた達の成功と、この会社のビジネスの成功は無関係である。
ということを常に意識するべき。
言ってる意味わかりますかね?
大事なのは、この会社、最初の段階で売り上げが確定してるんですよ。あなたが分割でも、あくまで、あなたの信用の元でローンを組ませてますし。
逆を言うと、
そういう料金体系である限り、あなたが成功しなくても、会社は失敗しません。そんな状態で何故会社が頑張る必要があるんでしょうか?
会社はサービス以上のことを頑張っても頑張らなくても実は売り上げは変わらないわけです。
だったら余計なことまで出しゃばらないで次のお客さん探した方が、その会社の成功にとっては効率良いですよね。
最低限提供すべき価値を提供すればいいわけですが、既に洗脳するが感じに取り込んだ顧客ですから、そこをうまく言いくるめるのは簡単でしょうし、それはお客さん相応に立派なものが提供されているのでしょう。きっと。
結局、成功が保証されてるわけではなく、「あなた次第」という通常のビジネスに落ちるわけです。あとは悪徳か否かと言われるかぐらいの差しかないので、批判意見を出している人に「あー被害者意識入ってるよねー」と言うのも簡単なのです。
こういうビジネスの仕組み自体は、ごくごく普通の仕組みです。
大学などの教育ビジネスもこういう仕組み。毎月固定料金のサービスもそうだし、お店で小売りとして買う本やパソコンもそう、最初に見積書を提示して、その料金の範囲内で何かをするビジネスもそういうものである。
これらは全て「提供すべき範囲を限定したパッケージビジネス」なのである。
多分リスクを共有するともなれば「一緒に会社を作って株を持って配当金を得る」ぐらいではないでしょうか?いくら偉大な人でも時間は有限ですから、その数には限りがあるし、リスクを共有する信頼感は一朝一夕に作れるものではありませんから、万人に与えられるチャンスではないので「サービス」とは言えません。
悪徳商法と言われるものと、それ以外のビジネスがただ違うのは、概念上、教育ビジネスが「教育機会の提供」、固定料金のサービスが「サービス利用料」、その他の見積書に伴うビジネスも「成果物の販売」であるのに対して、「あたかも成功を保証しますぐらいの夢を見させる」という何を売ってるのかが曖昧な営業手法であるというあたりか。
ただ、既存ビジネスでも、あたかも幸せになれるが如く夢を見させるのは、通常のマーケティング活動ではよくある話であり、単純にそのビジネスが良いか悪いかだけでは、見抜くのは難しいケースがあると思います。
結局、何が問題なのかな?と考えていくと、言ってしまえば、サービスを受ける側が勝手にサービスの提供範囲以上の期待をしてるだけとも言えます。
(おそらく勧誘説明では、会社がコミットできないところは全部逃げさせてるハズです。)
上記リンクにおいても、そこを勧誘者であるD君が「ブランド」という表現をしていました。そう、世の中は無形の価値に依存して動いていることには何ら変わりないわけです。学歴とかね。
だからこそ、そういうビジネス自体が、
料金体系が「固定料金」である限り、あなた達の成功と、この会社のビジネスの成功は無関係である。
ということを知っておくべきなのです。そこを踏まえた上で、メリットがあるかないかを判断し、あわよくば利用してやれーぐらいの考え方が必要なのです。
社員D君のお給料も完全歩合というのも、ただただ違法なだけではなく、会社にしてはリスクフリーな仕組みであり、D君自身がこの枠組みに取り込まれたお客さんの一人なわけです。本来は、社員を雇用するという段階で、会社は毎月定額のお給料を払わなくてはいけないというリスクを負わなくてはいけないわけですから。
それを口先とノウハウだけでリスクフリーで人を動かせる悪徳と言われる会社の経営者はスゴイですね。
おそらくこういうビジネスにひっかかってしまう人は、人に対する依存度が高いとか、あまり目的意識を持ってお金を使ったことがないんじゃないかと思います。
しかし、人の依存度なんてのは相手が誰か?ってことを除けば、誰でもあることなので、別に悪徳商法じゃなくても、親とか兄弟とか友達とか上司とか、アップル製品だとか、ヴィトンのバッグとか、日本国とか、様々なところに依存している自分というのはいるハズなので、僕自身が、多かれ少なかれ、こういう枠組みに近いようなことに引っかかっていないとは限らないことは付け加えておきます。
##多分、人間なんてそんなもんなんじゃないかなー。
##インターネットも定額制になったおかげでISPが積極的に既存会員に帯域を使わせるビジネスの発展がなくなりましたよね。会員を増やす程度に充実はすれど、一度会員になった人に帯域を使わせるオンデマンドのような仕組みは、会社の利益に相反するわけです。携帯がパケット定額になったのは有料コンテンツビジネスが成功したから、パケット定額にしてコンテンツビジネスの拡大をさせた方が儲かることがわかったからでしょう。(あ、わかんないけどね。単純に競争の問題かもしれないので。)
この話と関連するかわからないけど、ちょっとこの本は読んでみたいですね。