March 08, 2009
僕にとっての「あ、安部礼司」は、一週間を働くためのペースメーカーのような存在でした。
もしこの今放送中の3rdシーズンで、この番組が終わってしまったとしたら、こういう内容の文章を書くつもりでいました。
しかし、今終わったばかりのウェディングパーティイベントで、安部礼司のクライアント企業であるN社の久留間さんの口から4月以降の継続が発表されました。
今日のウェディングパーティは、ラジオドラマ「あ、安部礼司 BEYOND THE AVERAGE」の中で、主人公の安部礼司と倉橋優による結婚式をリアルなイベントで実現したイベントで、北は青森、南は宮崎などから2000人のリスナーが渋谷のC.C.Lemonホールに終結した一大イベントです。
「あ、安部礼司」は、TokyoFMでは日曜日の夕方5時に流れる、平均的な30代サラリーマンである安部礼司が仕事や恋愛を通じた生活を綴ったラジオドラマです。
「日曜の黄昏時、若さと渋さの間で揺れるナイス30'sのアナタに贈る『鼻歌みたいな応援歌』 を、ツボな選曲とともにお楽しみ下さい!」 から始まる、その番組は、まさしく30代マーケティングの象徴のような存在です。
今日のウェディングパーティーイベントに参加して、この番組の継続にはインターネットが欠かせない存在になっていたことを十分知ることができました。
3年を迎えるこの番組のmixiの安部礼司コミュは、最大のコミュニティで1万人ぐらいの会員がいます。
また安部礼司が毎週書いているとの設定の公式blogでは、2年前のクリスマス、安部礼司が倉橋優に告白をした回には、安部礼司の公式ブログに800以上ものメッセージが届きました。
ただのラジオドラマのストーリーにたくさんの人たちが共感して毎週の放送を楽しみにする。そしてblogやmixiを通じて、この番組を聴いているリスナーは、「この番組を聴いているのは自分だけではないんだ!」ということを知り、より愛着が沸いてくる。
このネット経由でのリスナー同士の後押しこそが3年目、4年目に繋がったと言えます。どうやら番組サイドでもその反応の測定点をネットに見出していたことも明らかになりました。まさしくネット口コミの成功例と言えます。
その集大成が、2000人もの人たちがリアルな場所に介する、今日のイベントでした。
イベントの内容としては、結婚パーティとして、歌アリ、ネタありで、来週の番組の公開録音のようなスタイルだったと言えます。
実際の声優の個性と、番組のイメージを両立する形でイベントは行われました。
マーケティングの4Pとか言う概念がありますが、口コミを誘発したければ、4Pの中のプロダクトそのもののクオリティが高くなければ決して流行ることはありません。
今日のイベントの完成度ではつくづくそう思わされたものです。
主題歌を提供している槙原敬之の歌はもちろん、ドラマにも出演した渡辺美里さんの生歌、そして、EPOさんの歌声と、バックを演奏するギターの人のクオリティの高さ。そして、出演者の声優としてのしゃべり、そしておそらく彼がいなかったら、この番組はこうなってはいなかったであろう、刈谷勇という存在。
本当に楽しかったし、とてもうれしかったです。
この番組の継続性については、スポンサーである日産の現状による予想が、行列に並んでる時にも後ろの人から聞こえてきたり、ネットでもよく見かけます。しかし、だからと言って安部礼司が終わるというのは、いささか短絡的だと思っていました。何故なら広告費用を削減したからと言っても、別に全部のCMやプロモーションが消滅するわけではないからです。
今、TVやラジオから消滅していってるのは「ギャラの高い大御所による番組」ではないのでしょうか?
あ、安部礼司の魅力は、シナリオと演出が第一、そして、おそらく安部礼司を踏み台として伸び盛りを迎える俳優さんによるものなので、全体的なコストはそもそも、そんなに高くないのではないでしょうか?
スポンサーの日産がこの番組そのものに商品販売上のシナジーが無いと判断すれば別ですが、そうでなければメディアに低コストでコンテンツを作り、かつ高い効果を出している何よりもの成功例ではないのでしょうか?
しかも番組一つのために、全国から、わざわざ日曜日の夕方に、車の購買層の中心である地方も含めた30代を中心とするイイオトナが2000人も集まったんです。
しかも彼らはネットを通じたユーザー間の繋がりがある。
この安部礼司を通じた日産とリスナーとの関係性を捨てるのはどう考えてももったいないです。
ちなみに僕は3時間電話をかけ続けてチケットを取りました。そんなことしたことありません。
あ、安部礼司の継続性のアキレス腱はそこではなくて、この番組の今後は、あくまでもストーリーのクオリティ維持にすべてがかかっていると言っても過言ではありません。
現状のストーリーの現状、盛り上がりのピークは一昨年のクリスマスです。そこからブランド資産を消費、維持する形で昨年を過ごし、この3月に2000人を集めるイベントができました。
ここで終われば一つのストーリーとして完成していると言えます。
ここから先の継続性は、リニューアルや人の入れ替え、新しいストーリーの導入など抜本的な工夫が不可欠だと思いますし、それをうんうんうなりながら考えていることでしょう。ドラゴンボールタイプに安部礼司の実力がインフレを起こしていくか、美味しんぼの世界味巡りのようなライバルとの戦いに持って行くとか。
ここで失敗したら、ゴールデンに進出した深夜番組と同じような末路になってしまう。そうならないように是非、頑張ってほしいものです。
Tokyo FMには、サントリーのアバンティや、スズキの福山、ジャックスの山下達郎などロングタームでスポンサーもしっかり継続している魅力ある番組が多数あります。(桑田佳祐のキャノンは山田優の方に行ってしまいましたね。それでも10年ぐらい続いてますかね。後にスポンサーに入った常石グループ渋いす。ニューズツーユーの神原社長のご実家とのことですが。)
期待の大きくなってしまったストーリー中心のラジオドラマとなると、アバンティのように淡々と続けていくのは難しいかもしれないと思いつつも、毎週日曜日の黄昏時に「いつも聴くラジオ番組」としてずっと聴けていけたら良いなぁと強く思う限りです。
あと・・・ネット関係者は成功例として絶対注目です。
ネットがなかったら、この番組は絶対に続いてないから。
・・・と、イベント終了後の興奮した状態で、C.C.レモンホール近くのスタバから本レポートをお送り致しました。
関連エントリ:
F's Garage:オススメ番組「あ、安部礼司」
F's Garage:今、一番インタビューを聞きたい企画「あ、安部礼司」
外部:
NISSAN「あ、安部礼司」を、企画屋として応援するっす! :: INSIGHT NOW!
帰りに、安部礼司のテーマソング「The Average Man Keeps Walking」が収録されているマッキーのアルバム買って帰ったよ!
エイベックス・エンタテインメント (2008-11-19)
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軽くなる
前回のアルバム発売からペース早い作成期間(発売)でしたね!
やさしいマッキー
なるほど、原点回帰だ
CCレモンホールに行った人発見!
実は僕も参加しましたよ!岡山から夜行バスに乗って…。
帰りもモチのロン!夜行バスです…。
でも充実した1日でした。
これからもお互い頑張りましょう!
37歳のもとひろでした。