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藤川真一について


初代モバツイ開発者
想創社再創業 / KMD博士課程
著書〜100万人から教わったウェブサービスの極意―「モバツイ」開発1268日の知恵と視点 [Kindle版]
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February 07, 2009

上司力、部下力[会社活動]
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上司って存在は、常に部下より仕事ができなくちゃいけないし、部下の足りないところを全力でフォローできてないといけないと思いこんでいた。

実際は、それだけじゃなくても良くて、できたチームは、部下もまた上司をフォローしている関係性なのではないだろうか。

単純な理想状態はこんな感じだけど、

こんな感じでも良い。良き部下である。

こういう風に、「のりしろ」がクロスするのが一般的だしチームとしては理想的。

まちがってもこういうのはダメ。真ん中に穴が開いている罠。

結局のところ、上司はどれだけ部下のフォローするか?というところに上司力という能力があるとするならば、逆に部下は、どれだけ上司やチームをフォローできるか?という部下力というのもあると思う。

結局、上司が部下を評価する際に重要なのは、この「部下力」だったりもする。
相対的なところにこそ大事なことがあるということだ。

これが上司にしろ部下にしろ、「自分の仕事はこれだけだ」と自分の仕事の幅を変えないとしたなら、結局、穴が空いてしまう可能性があり、じゃぁ、そこに落ちるのは誰か?というと、お客様ということになる。

具体的に言うと、「サポートが悪い」「バグが起きる」「話が食い違う」「品質が低い」「より良い物が生まれない」などは、こういうのが原因で起こる。

一番のネックは、最後の「より良い物が生まれない」というあたりだ。言い換えると複数人の知恵がクロスすることでの「創発」が生まれないということだ。

−・−

成果主義の評価システムで問題だったのは、各人の評価を絶対指標の箱の中に閉じこめてしまったことだ。

これは上司や部下、各役割を担う人たちが、それぞれ理想的な仕事をした場合に、すべてのピースが繋がるということが大前提で考えられている。

しかし、実際は人間は不完全で多様性がある生き物なので、結局、複数人顔をつきあわせれば、人一人がカバーするべき範囲は、状況によって変わってしかるべきだ。

状況状況によって、自分たちの幅を変え、お互いの「のりしろ」をつなぎ合わせるからこそ、全体がうまく回るのではないかと思う。

だから評価も当然、数字に責任を持った上司の主観による相対評価で良いと思う。

そう考えるようになってから成果主義の話を見ると、どんだけ理想論に傾倒しすぎてるんだろうと思う。それこそオフショアが低コストでウマーという理屈とそんなに変わらないように思えてならない。(オフショアだって、影で誰かが苦労して穴を埋めてるわけよ。その人を評価できなくてどうする?)

−・−

エンジニアやデザイナーなどの個人作業や職人型の職種の人に何故か見られるのだけど、自分の幅を固定してしまって、「これは自分の仕事じゃない」「やることが決まってから声かけてください」とか、他人や組織の行動を批判したりする職人型の人というのが、一定数存在して、そういう人をこれまでに何人か一緒に仕事をしてきた経験からであるが、大体、そういう人が何を理想状態として、そこに批判を抱いているのかが、僕にはどうしても理解できないことが多い。(それだと絶対にどこからしら組織に不満を抱えることになる)

そういう人材を生かそうと思うと話は簡単で、その人の幅に合わせたフォローを他の人がすれば良いということになる。それでうまく回るのであれば、アリはアリで、特に人数の多い組織であれば、必然的に一人あたりの役割の幅は狭くなっていき、垂直方向に仕事のサイズは大きくなっていくので、職人型のスキルはより生かしやすくなるだろうし、それと同時に調整型の人材もまた、力を発揮しやすくなる。

優秀なWebディレクターには、仕様を実現するための調整力と前に進むための提案力の両方が求められるのが現状だし、機能設計書をせっせと書いてペーパープログラミングをしなきゃいけないのも、このフォローをしないとうまく回らないからだ、とも考えられる。(外注として契約で目的を分けるというのは、そこをすっぱり諦めるということでもあるが、それではうまくいかないからこそアジャイルが存在するだろうし、結局、誰かが自分の幅を超えて属人的にフォローアップして、なんとかしてるというのが現状では?!)

その逆に数人レベルのチームだと、お互いののりしろの調整ができる人間の頭数が減る分、他の人の負担が増えるので、結果的に穴が開いてしまいがちなので、数人レベルのチームだと、一人の幅の狭さは全体のポテンシャルに影響が出るというのが実際のところはあろう。だからこそ、Googleの人材採用はチームで評価するというのもあるのだろうし。

−・−

僕は、Dr.Houseという医者のドラマが好きだ。

F's Garage:Dr.HOUSEに見られるスモールチームマネジメント

我が強くて独善的。癖はあるが、ものすごく優秀なハウスに対して、チームのメンバーはハウスの人間性に疑問を抱きながらも、プロフェッショナルとして患者を救うことに前向きにコミットしていく。必要であれば、患者の家に忍び込んだり、患者を騙すことも少なくない。医者で定義された幅を超えた活動をしている。

決して友達にはなり得ない関係の中でも、問題解決について前向きに従い、なんだかんだとハウスを尊敬しているという関係性が素敵だなぁと思う。そしてハウスは部下とブレストをしないとてんで物事を整理できずに頼ってる。ピンチの時にはブレストの相手に掃除夫をホワイトボードの前に座らせるぐらいだ。そうまでしても医者として、どうやって患者を救うか?に最大のプライオリティを置いている。

自分が従事している仕事とは、「いったい何を提供している仕事なのか?」ということを考えると、自分の幅を自分で狭めている余裕はないと思うわけだが。

−・−

都会の駅の片隅にある、お金を入れると動く靴磨き機。

ずっとお客さんが来ることを待っていて、たまぁにお客さんがいると動くような状態。あの機械が駅からなくならないのは、「靴がキレイではなくて、ビジネス上困った人」という一定数の需要があるからだと思う。都会の人間の流通量があればこそ、一定のコンバージョンを上げ、利益は出ているのだろう。

それはそれでもありなのかもしれない。でも僕が靴磨き屋なら、もうちょっと積極的に「お客さんのビジネスの成功に寄与する」ことを提案していきたいと思う方だ。

何故なら、あの靴磨き機は、靴磨きという仕事が「単機能」でかつ「維持コストが低い」からそこに存在しうるのであって、元々人間がやっていた仕事がリプレースされてしまった状態である。

僕はそこに常に危機感を持つタイプだからだと思う。靴磨きだって、きっと人間だからこそフォローできる職人技があって、靴磨きのプロはプライドを持っていたハズだ。しかしお金を出すお客様の経済合理性においては、さほど重要な要素ではなかったという評価を受けたからこそ、今があるという状態は無視してはいけないと思うのだが、どうだろうか?

(もしくは、きっと僕の知らないところで、ほんの一部のハイエンドな顧客対象の靴磨きのプロは存在しているのだろう。自ら枠を規定して、そこから出ようとしない人は、この枠に入る一握りの職人だけが生き残れる生存競争に参加していることを毎日意識して仕事しているか?)

Dr. HOUSE/ドクター・ハウス シーズン1 DVD-BOX1
ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン (2009-05-09)
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おすすめ度の平均: 5.0
5 やっときました。


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追記:
本エントリーのはてブページでの関連エントリーが熱い。

はてなブックマーク - F's Garage:上司力、部下力

本エントリーとブクマする人が増えたり、コメントが書かれるごとに内容が変わっていくようなので、理屈上は、はてブ数が増えれば、どんどん濃さが薄まっていくはずなので気になったものをここにリンクしてく。

なぜ、彼は大手メーカーを半年で辞めたか:日経ビジネスオンライン

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サービス系の本で2回ほど取り上げられているのを
読んだことがある靴磨きのプロフェッショナルの方がいます。
http://www1.odn.ne.jp/~aab38980/inouegetaroh.htm

世界から靴がおくられてきて、
この人に磨かれるまでは靴をはかない人もいるとか。

2009/02/09 10:27 so

コメントありがとうございます。

なるほど。こんな方がいらっしゃるんですね。

しかし世界中から靴が送られてくるなんてすごいですね。すばらしい。

2009/02/09 10:33 f-shin
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