January 28, 2009
クルマが実用的価値だけなら、今の自動車業界のサイズはきっとありえないわけで、何がしかの精神的価値の充足があったものが消滅したのが「若者のクルマ離れ」の真相であるなら、
「行きたくてもクルマを使わなくては行けない場所が減った」
というのは無視できないかな。
昔は、それこそゼロヨンとかドリフトとか夜景とか、場合によってはナンパスポットなんて言う「遊び場」があったわけだが、そういうものは社会の成熟、都市化の波でことごとく消滅した。
ゼロヨンやドリフトは、テレビゲームの中に収まり、夜景も六本木ヒルズ展望台のような便利な場所ができ、ナンパは携帯電話の向こうに移行した。
精神的価値がジマンパワーにあるのであれば、クルマによる自慢力を発揮する活力ある場所と言えば、現在はオタク層による「痛車」あたりが目立つぐらいか。
駐車場などの維持費の高さは挙げられるが都会が高いのは昔から変わらない話であって、それがクルマ離れの直接的な要因とは思えない。(景気が良かろうが悪かろうが、そもそもクルマを買わない人の理由を探しても意味がない)
ユーティリティ面ではコインパーキングの普及により、駐車場設備はむしろ昔より増えて自動車で移動するのは結構快適なのだが、それは僕があえてクルマを使いたいと思うからこそ得られるメリットなのかもしれない。
また都内が値段が高いと言っても、東京都内にクルマが置ける施設が減ってるわけではないので、持たなくて良い人が無理やり持たなくても良くなったというのであれば適切な需要のカタチになっていくということだろう。
少なくとも自動車メーカーの経営陣はわかってたハズで、だからこそ、ここ数年の利益の源泉を非正規雇用でまかなってきて、着々と内部留保を増やして次なるメシの種を見つけるべく体力を温存してきたのではないだろうか。
そういう意味では、その道のプロにとっては慌てて考えるような話ではないのだろう。きっと。