December 18, 2008
自分の書いたブログの、はてブの関連エントリーで以下のエントリーが出てきたので、ふと思いだしたことがある。
携帯電話の開発者は全員『ヒューメイン・インタフェース』くらい読んどいてくれ - ただのにっき(2008-02-22)
『ヒューメイン・インタフェース』という、とにかく効率的なユーザインタフェースを追求しまくる、いろんな意味ですごい本がある。自分がこれを読んだときはかなり手ひどい評価をしたんだけど(その評価は今もあまり変わらないけど)、ケータイみたいに日常生活でたくさん操作をされる機械を設計する人はぜったい読んでおくべき。
(そういえばヒューメインインターフェースは買ったんだけど、どこいったんだ???)
あまり関係ない連想なんだけど、自分が一番最初に、UIについて思い悩んだことを思い出した。
現場から半導体関連の生産設備の開発業務について、「制御パネル」というボタンをつける操作部の穴の位置をCADを使って設計するわけだが、このいわゆるマンマシンインターフェースの設計については途方に暮れたことを思い出した。
シーケンスなどの制御方法などはいくらでも考えられるのに、このパネルがどうあるべきか?ということについては全くイメージがわかなかった。電気屋として、そういうことを考えた経験がなかった。
最初は、電源のOnとOffの表示(○と|)の違いも全然わからなかった。(今もよくわからない)
設計についても、せいぜい板のサイズに対して均等に割り付けることをよしとするぐらい。顧客の仕様が複雑な場合は、とにかくボタンをつめこむだけ詰め込む。ボタンのサイズは決まっているので、最大で入るボタンの数は決まってるわけだが、ボタンピッチなどは一切考慮する余裕はなかったりする。
そもそも検収をするお客さんは生産ラインを組み立てる生産管理などの部署であって、生産現場ではない。
特にトヨタ系や日立系は、機械の外観的な意味での安全仕様には厳しかったと記憶してるが、制御パネルの使い勝手について文句を言われたこともチェックされたこともない。
ただし、それには秘密があって、ボタンのサイズなどは業界標準で決まっているので、フレームワークとしての業界標準が、ひどい使い勝手にならないように考えられていると考えるのが妥当かもしれない。
WindowsやMacOS風に言えば、UIガイドラインがJIS基準やら世界標準で決まっているので、一切考えなくてもなんとかなるようになっていたということなのかもしれないと、今悟った。
それに対して画面がプログラマブルにコントロールできるタッチパネルデバイスでは、結構頑張った。
いきなり自由になってしまう世界だったので、しょぼい画面デザインのデザインのメーカーが多い中で、Windowsなどで使われているタブ型インターフェースの形で、ページ切り替えの現在地点が表示されるようにして、迷うことを避けるデザインなどを結構頑張って作ったのを記憶している。
そういう趣向があったからこそ、Webの世界に来たのかもしれないなぁとは思ったりする。
その後、パソコン搭載装置の開発にてIIS+ ASPを使ったモニタリングシステムを作ってみたら、サーバサイドとクライアントサイドの理解に困り、HTMLによるUIのあまりのできなさに勉強をするためにデジハリに通ったのがWebの世界に来る入り口だった2000年。
なんとなくクラスチェンジする形で異業種に転職したように見えるが、僕としてはかなり連続的な変化だと思ってるのだが、それでもやっぱり何かが違うとみなされるみたいなので、この二つの経験は、インターネットが生活により入り込んでいく中で、うまく生かされると良いなぁとは思ったりする。
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欠点も多いですが、読む価値はあります
目的を忘れて手段に走っている
専門書としての価値は低い
バックグラウンドがなくても