November 15, 2008
2人のエンジニアって書いてあるけど
仮に給料を少し高めに考えて月に30万円だとして
たっぷり5ヶ月かかっても、30万x2人分x5ヶ月 = 300万円だ。イラストや声優なんかも、よっぽど高くてもそれぞれ100万円もかかんないんじゃないの?
だってウェブサイトのデザインとかでも、業者にまるごと依頼しても高くて50万とかでしょ??
という書き込みに対して、以下のような話が書いてあったので、興味を持った。
ウェブカレ1000万は安過ぎるだろう | hachimitu blog
はてぶのコメントでは、書いた人は「学生だろう」ていう意見もちらほらですが、経験則として、こういう人、社会人でもいます。つまり、「自分の月給の範囲しか想像力が及ばない社会人」。
いるいる。
でも、笑い話じゃないですよ。
例えば、自分が製造業にいた時の感覚で言うと、自社の製品と連携して、生産ラインと連携するようなカスタムのソフトウエア開発をお願いする外注さんに人月60万とか70万とか、すげー高い!と思ってましたし。
でもソフトウエアの会社では、60万って安いレベルだと思うし、場合によっては、それもはやオフショア?なんてケースもあると思います。そういう齟齬がある。
でも、Webにせよシステム開発にせよ、受託でお客様にコミットする販売は多かれ少なかれ、そう思われている可能性があるってことだと僕は思っています。
世の中の多くの仕事は、大体、物の流れがあります。つまり仕入れがあってマージンがあって売り上げが上がって利益が出る。多くの仕事において人間の活動は物や機会を提供する流れをサポートする仕事です。
単位時間あたりのお客さんの数を増やし、価格も利益も薄めながら、サービス価値を高めて利益を積み上げていくわけですが、ソフトウエアの開発は・・・時間をお客さんにコミットしてしまうので、他に利益機会が存在しないビジネスだから、どうしても一案件の単価が高くならざるを得ない。
そういう事を、とりわけ下っ端の社員は意識する機会がないですよね。
だから最初の増田のような、それ高すぎね?みたいなことを思う人は、正直多いと思うんです。
特に、お客様が「町の商売」をやられている仕事であればあるほど、そんなもんだと思うしし、大企業だって、ソフトウエアを発注することに慣れていなければ、おそらく、「高っ!」とか思って、「うちの誰かに作らせりゃいいんじゃねーの?」と不可能なことを思いつつお金を支払っている現状じゃないでしょうか。
それこそ100円200円の商売をされている方にとっては、60万円なんて途方もない金額ですしね。
で、ウェブカレ 1,000万という開発コストですが、利益をどう見ているかは知りませんが、家賃、水道代などの間接費は入ってないんじゃないでしょうかね。なんとなく。
通常の人月計算だと、開発者や間接部隊にかかるお金と、その人が本来稼ぐべき利益を加えたものを平均化して単金として計算していると思うので、受託のような単金ベースであれば、人月60万円は切らないだろうし、リンクシンクさんはサービスを販売する会社さんだと思うので、プラットフォームがお金を稼いでくれる前提なら、社内で考えられてる単金をもうちょっと安く計算してるかも。
しかし、これは投資事業ですから、その人が稼ぐべき利益は将来への投資と考え、開発原価で計算していいハズですから、本人の給料や残業代と交通費などの合計で開発コストは計算したら良いんじゃないでしょうか。
それでも増田君の指摘を鵜呑みにすると、残業込みで30万円で、まぁネットベンチャーにボーナスはないだろうから、年収360万円ですか・・・。評価、厳しいなぁ。20代前半ならともかく。
しかし、この辺は「none of your business」ですよ。
大多数が人件費であるなら、開発期間、工数と機能の比較で見るべきだし、ベンチャーでは使わないけど、仮に、最近話題のBigIP使いましたとかでサーバインフラコストが結構かかってるならスケーラビリティと需要予測などに対してサービスの善し悪しは測るべき。
極端なこと言ってしまえば、はまちちゃんの給料が月1,000万円で、一人月で全部作りました、だったとして、はまちちゃんの給料が高いとか安いとか外野がとやかく言わねーべ?
で、まぁあれだ。増田君のこれだが、
つか、これくらいの似たようなサイトなら自分でも作れるし、 それで1000万円もらえるんなら作るけど???
ええ是非、作ってみたらええんじゃないの?
ってか、超えるもの作って、運営維持してみたらいいじゃん。
そのサービスに対して、1,000万円のイニシャルコストがサービス全体の一部分でしかないってことに気がつくから。
でも金くれれば作りますって感じだから、別に、そのアウトプットに対して、あなたが責任持つつもりないよね?
素晴らしい誰かがこういうサービスをやりたいというビジョンとコミットメントがあったとして、どうやってあなたに頼れば、これを作る仕事が回ってくるんでしょうかね。
ユーザーが共感できるってことは、あぁなるほど!って理解できるってこと。
ってことは、ウケるサービスってのは、みんなにとって既知のことなんだ。
ユーザーが共感しうるサービスを形にして、実際に人を感動させたことが凄いんだ。
その間隙をついた凄さにを気がつかないで、「自分でも作れる」って、それ実装しか見てないだろ。絶対。
その発想、中国のiPhoneのコピー品と同じなんだよ。
後出しじゃんけんで、オレならパーを出すねって言っても全然意味ないから。
いや別にまだ学生なら良いんだけど、そういうサラリーマンは、きっと普通にいると思うけど、ものつくりしてるのに、いつまでも「世界の工場」的な考え方が多いままなのは困るので、アノニマスな誰かにあえて突っ込んでみた。
one more thing:
サービス改善妄想と、経営コンサルティングごっごは別 - あなたわ しにました
もうやめて!増田のライフはゼロよ!