November 10, 2008
締めくくりは良い記事なんだけど、それまでの展開が気になった。
燃油サーチャージに続く新たな負担が発生! ますます遠のく海外旅行 - ライフ - 日経トレンディネット
↓ ふむふむ値下げですか。
欧米線の燃油サーチャージを10~12月の3万3000円から、2万2000円に引き下げると発表。サーチャージの値下げは実に、07年5月以来だ。
↓ ふーん。
だが、これで海外旅行者の負担が大幅に減ったと見るのは、やや性急すぎるかもしれない。実は国際線利用者に、燃油サーチャージのほかに新たな負担が発生していたのである。国際線航空券を購入する際に旅行代理店に支払う「販売手数料」だ。
↓
旅行代理店各社が、なぜこぞって利用者から手数料を徴収し始めたのか。背景にあるのは、航空会社から日本の旅行会社へ支払う販売手数料(コミッション)の廃止だ。
↓ 売れない以外に収益が悪化するってのは値下げ要因なんじゃないの?
旅客数の低迷や格安航空会社の台頭などにより、航空会社の収益は悪化。コスト削減策の一環として、航空会社の営業費用のうち6~10%を占める販売手数料にもメスを入れざるをえなくなった。
で、原油高に基づく燃料の件を除くとトータル価格は、高くなったの、安くなったの?
えーと、この記事で言ってることは、つまり、販売価格が安くなったってことなんじゃないの?
だから手数料をいただくことになったってことじゃないの?
お客様から追加でお金をいただくってのは、そら難しいことです。
別のお店に行ってしまえば、そこはそこで価格競争になってしまうし。
ネット直販ならもっと安く買えるのに、お客様からお金をいただくのは大変だから、サービスを向上していかないとダメですね、ということで、実際、この記事にはそう書いてある。
でも、だからと言って、このタイトルはなくね?
「ますます遠のく海外旅行」
不景気もあるかもしれないが、単純に不景気だったら値段上げるのは自殺行為ですよ。一定のニーズの中での差別化要因の一貫として手数料徴収を始めるってのが王道ではないの?
価格競争も原因にあるハズで、トータルの旅費が安くなってるのは、遠くなるどころか、
「海外旅行がみんなに近くなった」
が故に起きた事態なんじゃないですか?
(間違ってたら教えてください、全然知らないので。)
ただの揚げ足を取りたいわけじゃないんです。
「お金を取る=悪」という構図を利用したタイトルで読者を釣るのが気に入らないです。
そういう意識が、まわりまわって庶民の意識に「お金を取ること=悪」になってしまうので、いいことないんですよね。
必要なコストは必要だと認めてあげて、かつ、もっと全体的な見方から解説してほしい。
で、本当に海外旅行は
「ますます遠くなったんですか?」
自分で計画してネットを活用すれば安くできるし、プロと相談しながら、よりよい計画を作りたければ旅行代理店に行きましょう、とか、そういう手数料の裏側にある努力を取材して伝えるのが、マスコミに求められることではないのでしょうか?
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以下、話がずれます。
この記事にひっかかった思想的な背景です。
よくECの業界でも楽天市場の手数料に対する不満を聞くことがあります。手数料以外にポイント原資が徴収させられる的なハナシ。
でも、そのポイントでお客さんが来るわけじゃないですか。アフィリエイトで商品をプッシュしてくれるんじゃないですか。全部の商品にポイントがつくからこそ安心して商品を検索したりapiを利用できるわけですね。
売上が上がる施策で、楽天市場全体として実際に売り上げが上がってるのに、そういう話が週刊誌なども含めて、まるでショップオーナーさんを搾取してるような話がまかり通ってるのが本当言うと気に入らない。
もちろん、コストが発生したら厳しいのはわかる。当時の人たちは感情的に厳しいってのは、あるでしょう。もっと簡単な話、楽天に対する手数料やポイント原資を支払ったら商品の利益が残らない会社は楽天には出店できない。
でも、手数料はポイント原資を払っても儲かってるところは儲かっている。商品そものもの利益率の差や、企業運営の努力のたまものでしょう。
その差を無視して、楽天市場だけを批判するのはやめてほしいです。マジで。
楽天市場は、もはや銀座や六本木ヒルズみたいなものですから、ビジネスは全員に開かれているわけではないってのと、採算が楽天とあわないのに出店したければ、コストを下げる努力をするしかないだろうし、もしくは、他のASPや自社運用をするしかないってことだと思うんですよね。
そうやって利益率の差異に基づいて差別化が行われて市場が大きくなれば良いのではないかと思います。しかしだからと言って、楽天市場を批判する話が未だにあるのはどうにも。
もっとただのビジネスの差の問題としてドライに捉えて、それでもネットビジネスやりたければ、他の手段も沢山ありますよ。
楽天市場を使おうが使うまいが、うまくやれば儲かってる会社があるのは間違いないわけだし。
##おまいら儲けすぎだろってのはあるかもしれないが。効率的に数集めると、親の総取りみたいになっちゃうのがIT革命の特徴なんだよね。でも、それでも勝つのは一部の話だから。(つまり、業界、カテゴリのトップが独り勝ちするのがネットワークの特徴。でも、それもみんながわざわざ選んでるからってことを忘れちゃいけない。NTTやNHKとは違う。)
##以前、WebSigのCMSイベントでEC Cubeの社長さんとお話をした時にちょっとお声をかけさせていただいたのが、「Yahoo!や楽天以外の選択肢があることが当たり前の世界を作りましょう」でした。