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Webを中心とした、ビジネス&テクノロジーに関する思いつき
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藤川真一について


初代モバツイ開発者
想創社再創業 / KMD博士課程
著書〜100万人から教わったウェブサービスの極意―「モバツイ」開発1268日の知恵と視点 [Kindle版]
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September 18, 2008

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このキーワード自体は、最近ずっと考えてたことだったりする。

Webをベースとした技術の受託をやってきましたし、FlashのRIA案件や動画ストリーミング関連で企業システムのお手伝いなどと言った当時のWeb技術の中では先端の方に属するものを商品性としてきました。その後、ペパボに入って自社サービスを提供する立場になって、その両方の良いところと悪いところをそれなりに経験してきたつもり。

受託開発がつまらないなんて言わせない - GoTheDistance

を見て、ちょっとアウトプットしてみたいと思いました。

■受託がサービスに比べて良い点

・個々のお客様のビジネス推進に関われる。

・自社では関われない業務、規模やサービスのお客様のシステムに関われる。

・いろんな最先端の技術に関われる。

・他人のお手伝いで力を発揮できる人が向いてる。

・社会的に責任の重いシステムに関われる。

・会社が違うので書類系、テスト等、甘えが許されないので自分を鍛えられる。

・受託は技術やデザイン力、制作力を売る仕事。
 (ビジネスコンサル的な部分は除いてます)


■サービスが受託に比べて良い点

・自分たちの判断で好きなものが作れる。儲かる儲からないも自分たちに返ってくる。

・自分主体の仕事。まずは自分の世界を作れる人向き。

・うまくいけばボロ儲けも可能。

・システムがお金を稼いでくれる。システムを作ってもお金が入ってこない。

・受託とは違う意味で責任が重い。

・でも結構緩い。社内稟議で済むならいろんなことに対するプレッシャーの度合いは上司のマネジメントに依存する。

・沢山のお客様のデータを預かることで統計的な意味での視野が広がる

・トラブルが起きてもスーツを着て謝りに行くことはそんなにないかな。サービスモデルにもよるかもしれないけど。

・何社か壁があったりするが故のオトナの事情に付き合って、一日を費やすことがない。
(利用規約という名のSLAでブロックできる。)

・サービスは必ずしも技術を売る仕事ではない。
 (利益を生み出す源泉に「技術」があるか否かは、エンジニアにとっては結構重要なこと。)


うまくいけば確かにサービスの方が良いと思うんですよね。

うまく周り始めれば、日々の活動が資産になっていききますし、ノウハウがその先のレバレッジを生み出すことがあります。何より楽天、mixiやモバゲーのように数百億円を稼ぐのは受託では無理でしょう。

しかし、多分、商売の基本はどっちも同じで、受託の経営者が心がける必要があることは、如何に会社に資産を蓄積していき、明日の利益に繋げるか?ってことではないでしょうか。

F's Garage:ザ・プロフィットまとめ2〜マイクロソフトはどこで利益を出しているか?〜

の「■スペシャリスト利益モデル」で書いてありましたが、結局は経験を積むことで価格プレミアムを作れることや、人材育成コストが下がることや、再利用可能なライブラリによるスピードの向上こそが利益向上のポイントということだと思います。

ホントかウソか知りませんが、発注元から工数を稼ぐために、「素早い開発は求められない」みたいな話が聞こえてきますが、そんな案件に関わっていたら、日銭は得られるかもしれないけど成長しません。それこそ時間の無駄です。

まぁもしそういう案件に関わったら、実はラッキーで、お金をもらいつつ普段できないことをやれるチャンスかも。その時間を利用して何かの資産を増やしてみたり。


受託で儲けるためには意識的に資産を作り出して蓄積していくことが必要だと思うんですね。それがライブラリなのかフレームワークだったり、社員のスキルだったり。

人材育成スキルあたりが、余裕のない会社では一番苦手だったりしますね。でも、工数売りで稼働率確保が売り上げの源泉である限り、稼働率、生産性向上は利益の源泉になります。企業としての力を試されるところでしょう。

できない言い訳を言って済むようなことではないと思います。

受託は、よほど失敗しない限り、数ヶ月先の売り上げは確定してるし、時間の先売りが可能なので比較的潰れにくいと思うのですが、そういうのを社員は冷たい目で見ていますから、ただ回してるだけに見えてしまう会社に勤めてる人は、受託はつまらないって言うでしょうね。

(この潰れにくさが、受託が嫌われる一番の理由じゃないかとも思う)

一番受託で最悪なモデルが、ただの人材派遣業に陥ったシステム会社ってのがあると思います。社員の個人スキルと時間だけで利益を出すだけの人売りビジネスの会社と言えるでしょう。こういうところの問題は、会社に一切資産が貯まっていかない上に、社員が疲弊していくということではないでしょうか。

時間軸に対して、何かが積み上がっていき、それが会社の力になるビジネスモデル。そういうモデルができれば、自ずと受託でも楽しい仕事ができるんじゃないかと思います。

僕は以前、「受託って儲からないよね」という僕の疑問に対して、「利益率を確保すれば儲かる」という当たり前の反論を聞いて目が覚めました。

そうか要は経営の問題なんだ。


経営は理念から戦略、戦術に落ちるハズです。
利益を出し、ワクワクしていくために必要なことってなんだろう。

前に行くべき会社なら、やはり市場のアドバンテージを得られるところに投資していくことかなって思います。コモディティ化した領域で、自分たちができることしかせず、やれブラックだの二次請け、三次請けの労働力提供なだけの場所に入り込んでしまうと厳しいでしょうね。コモディティ化した技術もミッションクリティカルだったりすると、それはそれで違う価値があるでしょうけど。そこは「信頼」などが商品だったりしますが、低コストで回すための人材育成能力などが利益モデルのベースにあるんじゃないかと思います。

いずれにせよ、お客様と真のパートナーシップを結んで、技術やデザイン力を提供して、お客様のビジネスを加速するお手伝いをする、そこで少しでも優位な立場を得るために、技術力や提案力を磨いていくサイクルができてれば楽しい仕事なんじゃないかなーと思うわけです。

経営者でもないのに偉そうなことを書いてみました。

今のところ、このぐらいの認識です。
特に経営者の人の異論、反論お待ちしております。


##そういえば、受託やってたときに心がけていたことを思い出したのですが、必ず何かの案件では、どんな小さなことでも良いから、一つチャレンジをしよう!と言うのはありました。もちろんケツふける範囲でね。

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