September 18, 2008
以前、キャズムを超えろ会議でもお話を聞いた、岡本さんのプレゼン。
アプリキャストとは、ブラビア上で動かすことができるミニアプリ
会社の片隅で少人数で始めたというこのプロジェクトは、まるで社内ベンチャーのようなボトムアップのプロセスで開発されたものだそうだ。
この画面右側に表示されるウィジェットがアプリキャストである。
JavaScript + XMLという標準技術で作られておりWebサーバとの親和性が高いのがポイント。
この場所にソフトウエアが鎮座できる最大のメリットは、「告知」だろう。Ajaxでサーバにリクエストを投げられるので、リビングにおけるNotificationの役割であったり、最新情報を取得できる。
例えば、アマゾンチェッカーのようなソフトがWindowsにあるが、好きな商品が出品されたときにテレビで教えてくれたり、楽天のバーゲンが開始された情報だったり、ヤフオクの期限が訪れることを教えてくれても良いだろう。
また、個人的に欲しいと思ったのは朝の準備工程をここに表示すること。
よく特ダネを見ていて家を出るタイミングが遅れて遅刻してしまうことがあるが、ここまででアレが終わってないと間に合わないよなどの情報が表示されても良い。子供がいるなら、通学時間や幼稚園の迎えのバスの時間なども教えてくれたらよいし、電車が遅延されてる情報が表示されても良いな。テレビは天気予報や時間などのグローバルな情報を表示し、アプリキャストでローカルや個人の趣向にあわせた情報が出る。
そんなところを表現してか、ここの特性としては、
岡本さんの考えでは、このエリアは、100人に1人がほしがるサービスがあれば良いとのこと。
テレビだと、10人に10人が好むコンテンツを指向しがちだが、ここだけは、100人に1人がほしがるウィジェットが100個あることが大事なのではないか?と仰っていた。
なるほど、そうであれば、自分たちが利用するWebサービスやネットゲームやセカンドライフ、塾や学校などのローカルな世界と連動している何かが表示されれば良いと言える。
そしてアプリキャストの最大の特徴は、
こういう機能は往々にして最上位機種にしか搭載されないということになりがちだが、アプリキャストは2007年モデル以降のブラビアに標準搭載されている。
そして、気合いが入っているのが、
とのこと。リモコンは家電の各機能のプレゼンスを表すわけだ。リモコンの重要な位置に革新的な機能を実装するのは、保守的な使い勝手の追求ではなく、それを普及させたい現れと言える。ここには会社の決断が現れている。ユーザビリティ信者はそこで批判をするかもしれないが、これも重要な決断だ。何故なら、もしかしたら、たったそれだけが原因でシェアが落ちるかもしれないリスクを負っているからだ。
ただ、展示会会場を見て回った時にアプリキャストのコーナーもあったが、やはりテレビの画質に比べたら注目度は薄い。やはり箱モノであるテレビの一機能が注目されるというのは、これからアプリキャストが提供する価値が牽引するものだろうなと思った。
アプリキャストが面白いではなくて、アプリキャストで提供されている価値が必要不可欠な存在になることが大事だ。
冒頭にも書いたがWebサービスのNotificationの役割として、狭いユーザー間で便利に使えるアプリが流通したらいいなと思う。
アプリ投稿サイトはソニーの審査が入る。iPhoneのapp storeのように広く流通することが認められたサービスだけが流通する。しかし、その代わりに安心して使ってもらえるように多くの人に流通可能になるので、是非、チャレンジしてみたいところ。
で、とりあえずブラビア欲しいんですけど。うちのTVは、4:3の29インチのWEGAで、大画面横長TVバージンなので全然アリですが、アレもコレも買えません(w
しかも秋モデルは最薄部が9.9mmなのと、あと無線でチューナーと画面が分離されたモデルがあるんですよね。HD画質と動きの早さを無線伝送するってすごすぎです。あれ欲しい。
p.s.アプリキャストのSDKが出ましたね!Windowsで開発できるようです。実機テストはUSBメモリをブラビアのUSBスロットに挿すことでテスト可能だそうです。
体験空間 -Sony Style