September 10, 2008
ザ・プロフィットまとめの残りを書きます。
さすがに後半の方は面白いです。
ダイヤモンド社
売り上げランキング: 1147
物語形式で説明する23の利益のモデル
戦略について考える主軸となる本!!!
すばらしい作品
繰り返し読みたい「利益モデル」解説書
■ローカル・リーダーシップ利益モデル
スターバックス、ウォルマート
都市や郡と言った単位で集中的にリーダーシップを得ていくことで、次々と勢力範囲を広げていくモデル
店舗が多ければ仕入れコストを下げられる、人材募集にかかるコストを共通して行うことができ効率的である。
店舗があちこちにあることによる広告宣伝費の効率化。お店自体が広告になる。
便利な場所にあって認知度が高ければ価格優位性を出すこともできる。
以上の集積で、同一地区のライバルに比べて利益優位性が生まれる。そのようにして財務基盤を強固にしていくことで、次の地域を制するための利益を得ることができる。
■取引規模利益モデル
大きな取引をするために顧客との関係性を重視する
■価値連鎖ポジション利益モデル
バリューチェーンの中のコントロールポイントを支配することで大きな利益を上げるモデル
「インテルとマイクロソフト」・・・業界全体へのサプライヤーとしてコントロールポイントを押さえている
■景気循環利益モデル
先日、プリウスなどの値上げを発表したトヨタはまさにこのモデルか。
徹底的なコスト削減を貫き常に損益分岐点を下げることで、常に他社と比べて利益が出るような構造であることと、景気の動向に合わせてたくみに商品価格を変化させていくことで、常に他社よりも利益を出すモデル
■販売後利益モデル
「何故、電気メーカーは自社で販売店を作れないのか?」
「何故、コンピューターメーカーが自社で追加メモリを売らないのか?」
ある製品に対するフォローアップ製品の需要が生まれる。
しかし、ある製品を作っている会社は、このフォローアップ製品に手を出すことができない
この章はとても興味深い。
人の気持ちと企業の構造。会社が大きくなること、小さいままでいること、それぞれの存在意義にも言及していると言っても過言ではないだろう。
■新製品利益モデル
市場が立ち上がってゴールドラッシュを迎えると、利益率は高く販売量も増加する。
こういった局面においては、ゴールドラッシュに夢中になって3年後を考えなくなる。
やがて、全体が得られる利益は下降していき最後はゼロになるという流れを見据え、市場が立ち上がるタイミングを見据えた戦略を行う。
市場が立ち上がるタイミングでは他社の3倍の投資を行い、下降局免では他社の1/3にする。
また、立ち上がる時期に投資をすることで顧客のマインドシェアを獲得し業界のリーダーシップを握る。
下降局面を見極めて、投資比率を変えていく。いきなり撤退するのではなく、キャッシュフローを最大化しつつ、リスクを最小化するように管理する
■相対的市場シェア利益モデル
市場の中でシェアを取る企業の優位性について
製造における規模の経済性
購買における優位性
マーケティングや宣伝活動における優位性
製品一個あたりのコストおよび、ユニットあたりのマーケティング、広告費も安くなる
ユニットあたりの間接費と研究開発費も安くなり、業界屈指の人材を集めることができる。
優れた経営手腕を持つリーダーを集めることができる
資金を投入して市場を駆逐することができる
リーダーシップを持つ企業は一番利益変動性のリスクが低い。
先手を打って市場をコントロールすることができる。
■経験曲線利益モデル
経験の累積により利益が増加するモデル
経験を蓄積することで、直接人件費、コスト、材料費、エネルギー費用が低下する。
ただし間接費は増加する傾向に行くので、ITの活用、人事制度へのインセンティブの導入
などで間接費を押さえることで、市場が横ばいのまま、たとえ売上が上がらなくても利益が増加する。
■低コスト・ビジネスデザイン利益モデル
・・・ロリポップ?
極端な低コストを実現する限り、大きな利益を確保できるモデル
必ずしも巨大な市場シェアを必要としない。
この場合、市場シェアが存在する場所や方法が違う。
■デジタル利益モデル
デジタル型に移行することで、生産性が10倍も改善される。
プッシュからプルへ、あてずっぽうから確実な根拠に基づく決定へとプロセスの変化が起きる
ただし、これだけだと収益性につながらないことも多い。
事前に在庫を作り、販売する従来のモデルと比べて、例えばWeb経由の申し込みを通じて
必要な分だけ生産すればよくなる。
また、FAQなどの情報をWebに公開することで、顧客の手で探すことができるので、
問い合わせコストの低減が可能
また、売上、コスト、顧客動向、材料費や市場状況を24時間以内に入手できるので、それに対応して、資源の再配備を行うことで大きな利益を発生させる。
しかし、信頼できるビジネスデザインが存在しなければ恩恵を受けられない。
そういう意味では魔法ではない。
以上で終了です。レガシーなモデルの魅力を再確認することもあれば、新しいモデルが必ずしも手放しで素晴らしいモデルとは限らないことがわかると思います。
ここでまとめたことも、当然全てのことは書けません。特に各プロフィットモデル間の関係性については本を読まないとわかりません。
是非1、2、3を全て見た方は本を読むことをおすすめします。
ダイヤモンド社
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物語形式で説明する23の利益のモデル
戦略について考える主軸となる本!!!
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