September 06, 2008
ようやく日本国内向けにUbuntuプリインストールの軽量ノートPCが投入された。
Ubuntu プリインストール Inspiron mini 9
自分のLet's Note R6にUbuntuを入れているが、まだシステム設定が万全ではなく熱暴走を起こして固まってしまうことがある。セミナーなどではテーブル上の置き場所を定期的にずらして放熱を促すように気を使いながら使っている。また、音を鳴らすのも、人から教えてもらってようやくできたし。
プリインストールマシンだとメーカーの方でデバイスドライバ関係を調整してくれてるから、本当に自分が使いたいソフトウェアの利用に専念することが可能だ。
もはや「Linuxを活用する」のに、全員が全員デバドラやカーネルを再構築できなきゃいけない時代でもないだろう。
あまり意識していない人が多いのだが、プリインストールCDがあるのか、ないのか、というのは、メーカーの責任範囲においても天と地ほど差がある。メーカーのエンジニアによってハードウエアに最適化してセットアップしてくれているわけだから、うまく享受したいものだ。
そのためInspiron mini 9に関しては、mini PCというジャンルであることよりも、
「Ubuntuがプリインストールされた意欲的なDellノート」
として捉えたい製品である。日本市場において果たしてニーズがあるのか?という実験的なチャレンジでもあるのだろうか。
最近のDesktop Linuxは昔と比べてかなり完成度が高かったが、その中でも、Ubuntuは最高だ。
また世の中の事情も変わっていて、ネットの世界に慣れている人は、もはやWebブラウザ一つでほとんどのことが完結可能な世の中になっている。昔は結構難しかった動画配信のようなマルチメディア用途でさえ、UStream + Flash Playerで可能になってる時代だ。パソコンを使う時間 = ブラウザを使っている時間とほぼイコールの人も少なくあるまい。
ただそれだけだとUbuntuを選ぶ理由もないわけなので、Ubuntuを最高に楽しめる人を考えると、Mac OS Xを好んで買う人と同じかもしれない。
優れたWindowシステムや、魅力的なエフェクトなどのモチベーションの上がる仕組みを持ちながら、コマンドラインでUnixをいじるという質の方も兼ね備えたマシンということで、特にWebの開発者にとってはメリットあるマシンだ。
何より、Webサーバーと同じOSを持ち歩けることはメリットが大きい。なんだかんだと開発に使うなどの用途では目的達成のための手順が短くて済むからだ。
また、「これから開発ができるようになりたい!」という人にもお勧めをしたいところ。
自分の作ったプログラムを動かすターゲットOSを学ぶという意味でも、入り口がわかりやすいUbuntuはオススメである。「なんとかデーモン」とか絡んでくるとWindowsでは限界があるし、OSのパスの仕様だって違うので結構面倒くさい。
それに、emacsだってviだって、「そのまま同じモノ」が使えるのはてっとり早いし、何よりそういうのを使いたい人こそ、Linux環境にどっぷり浸かる価値はあると思う。
わざわざ裕福な日本でXPではなくUbuntuマシンを買う理由。それはあなた自身が前に進むためなんだと思う。
冷静に補足しておくと、昔は、Linuxデスクトップを選ぶことに対する犠牲が多かったので、あえて選ぶ理由を感じられなかったのだが、Webベースでいろんなことができるようになって、相対的にLinux onlyでも良いのではないか?というのがポイントだ。ちなみにおいらは、開発にeclipseを使うのが好きなので、WinもMacもLinuxも関係ない。
あとは、そのOSやユーティリティが如何に快適で、楽しく使えるか?というのがポイントになってくる。
Ubuntuには、こんなウインドウ切り替え機能が内臓されています。こういう作り込みがWindowsやMacに比べて決して劣らなくなってるってのは、製品としてとても重要なことです。
ちなみにこういう画面キャプチャを取って、標準搭載されてる画像編集ツールのGimpで画像を縮小してWebサーバにアップロードするのが、僕のLInux知識レベルでなんてことなく普通にできるのが結構、感動モノです。
さて、Ubuntu版のInspiron mini 9が欲しいと思ったあなた。
以下のリンクからInspiron mini 9を購入できます。
▼Inspiron シリーズ(Inpspiron mini 9選ぶ!)
・・・ですが、購入するにはちょっとした注意点があります。
注意点1.Ubuntuはベーシックパッケージでしか選べません。
動線によっては、XPしか選択できない「プレミアムパッケージ」に突入してしまい、OSがXPしか選べないのに、Ubuntuに関する注意点だけが書いてある気持ち悪い画面が出てくることがあります。
そうではなく一番最初に「ベーシックパッケージ」を選ぶということがわかってれば大丈夫です。
注意点2.むしろUbuntuの方がスペックをあげるべき。
ベーシックパッケージは初期メモリも少なくて、Ubuntuを選ぶと3000円ほどXPより安いんですが、Ubuntu選ぶ人って、MacがParallelsを入れるとの同じく、Virutual BoxやVMWareを入れて、XP入れたいでしょ?
何故、Ubuntuが低価格モデルとして位置づけられていて、ハードウエアがしょぼいのかが謎です。日本市場でUbuntuを選ぶ人は、XPを選ぶ人より、どこか楽観的な人で、かつ少数だと思います。堂々とXPと横並びの価格とスペックにしても良いと思うのですが。
まぁどっちにしろBTOでスペックは選べるので良いんですけどね。
ということで、同時に二つのOSを動かすのであれば、SSDの容量もメモリは最大にしましょう。
Atomマシンの最大容量は1GBのようです。今、自分のLet's Noteでメモリ使用量を見ると、786MBぐらいは使ってるので、余計なことを考えずに使いたい人は、そもそも512MBじゃ足りないんじゃないかと思います。
メモリ1GBにして、16GBのSSDにBluetoothつけて、68,880円の見積もりになりました。メモリの差額もSSDの差額も安いので、後で交換できない(=交換するのが面倒くさい)ものは今のうちに最大スペックにしておきましょう。
僕自身は、Let's Noteと商品性が被ってるので今のところ購入はしませんが、僕のスキル不足で熱暴走がどうしても解決できなかったら、有用な選択肢として注目しています。mini PCにより、PC価格のパラダイムシフトが起きそうな感じになってきたので、売るなら今のうちという話もあるのかも。(mini PCで今まで携帯しか使ってなかった人がPC使うようになるのかもね。)
家では大画面のMac Book Pro、外ではUbuntu + 軽量ノートというのは、我ながら楽しい組み合わせだなぁと満足しています。
参考:
F's Garage:Let'sNote R6をVistaからubuntuに入れ替えてみた