August 19, 2008
iPhoneや携帯電話のモバイルの価値とは、「機会損失を防ぐこと」も含め、最終的には「時間の短縮」だけに尽きるのではないかと思うのだが、考えすぎだろうか。
時間の短縮と言っても必ずしも生産性という言葉が連動するわけではない。そこが時計や電卓などよりも高度なリッチデバイスとしてのおもしろさだと思う。
iPhoneにはWebブラウザが搭載されているにも関わらず、わざわざアプリで、「なんとかクライアント」を作るのは、そこに短縮する時間の価値が見いだせるからだと思う。iPhoneは、Appleお得意の使い勝手の良さのトレードオフとして、使い勝手のフローが規定された不自由なデバイスとも言えるので、そこにサードパーティがショートカットを作ってあげるという意味もある。
NetShareというiPhoneを3Gモデム化するソフトを見た時には、「これで1200円とは何というぼったくり」と思った。技術的に言えば、NetShareとはSocks Proxyというソフトで、私は、ジャンル的にはまさにそれと同じソフトを書いたことがあるからだ。・・・ iPhoneのキラーアプリによって亡ぼされる国 - アンカテ
例えば、NetShareというアプリがエンジニアにとってしょぼくても、3G回線と無線LANの間に一本橋を通すことで得られるユーザー体験に1200円の価値がある。(でも、定額範囲外らしいので実質的に使えない。)(追記:kanoseさんに教えてもらいました。NetShareは定額範囲内だそうです。「BB Watch編集部ブログ: iPhone 3GをPCモデムにできる「NetShare」、使ったらどうなる?」
ただ、iPhoneそのものの販売に寄与するようなキラーアプリは、iPhoneの中にショートカットを作るようなアプリではなく、生活そのものにショートカットを作ってあげたものということになるだろう。
それらに合致しないアプリは好きで使ってるだけか、別にコンピューターを使わなくても問題ないようなことのような気がするのでmust haveとしてのキラーアプリにはなりえない。
インスパイア元エントリー:
iPhoneのキラーアプリによって亡ぼされる国 - アンカテ
丁度、こんな話も:
Life is beautiful: 使い勝手の悪さはユーザーにとってのコストだという話
モバイルの場合は、電車が来るまでにコトを済ませられるか?や、この宴会の空気において、iPhoneを起動して写真を見せるだけのネタとしての価値があるのか?というリアルタイムシーンとのトレードオフなので、回線速度、使い勝手、おもてなし、もろもろ含めて「目的達成が可能な時間」で定量化できると思う。「時は金なり」