August 10, 2008
この夏休みにLet's Note R6にインストールされているVistaをXPにダウングレードしようとしていろいろ試行錯誤してみたが、うまくいかず苦労していた。
僕が買ったLet's Note R6はVistaに最初に対応したLet's NoteだったせいかVistaからXPにダウンロードするデュアルライセンスになっていない不幸な機種である。SATAのHDDを積んでいるR6は、インストールするのにSP2適用済みのXPが必要なのですが、僕が持ってるXPは初代なので、そのままではインストールすることができない。
ということで、SP2適用済みCDなどを作ったりなど苦労していたのですが、力不足かブート周りがどうにもうまくいかない。
そのためXPにダウングレードする場合は、実際できるかは確認していないがVistaのダウングレード権というのを利用して、一旦、他のPCのOEM CDからXPをインストールし、マイクロソフトに電話をかけてアクティベートするか、こちらもまだ売っているかわからないが、XP SP2適用済みのOEM版を買ってくるかのどちらかだった。
いろいろ調べるとXPは、やれ6/30に販売終了だのダウングレード権の終了だのという記事が出ていて、とにかくマイクロソフトとしてはXPを使わせないようにしたいらしい。
そんなことを考えつつ、やっぱり今すぐ簡単にはできないなぁと思ってたら、ダウングレードそのものが段々面倒臭くなってきた。
一旦面倒臭くなってくると何もかも嫌になってくるもので、そこでふと気がついたのが、そもそも何もWindowsにこだわる必要はないんじゃないか?ということ。
・・・と思って、今回ふと思い出したUbuntuを入れてみることにした。
UbuntuはLinuxのデスクトップ用途に最適化されたディストリビューションの一つで、Debianをベースにして素晴らしいパッケージングでMac OSXにもっとも近いとされているディストリビューションだそうだ。
せっかく夏休み企画でもあるので面白い方が良いし、以前kyosukeさんと話をしていておすすめされていたのを思い出したのもある。
基本的に完全な置き換えを狙っているので、スパッとVistaは削除して、Ubuntuをインストールした。デュアルブートとか中途半端なことをやると、結局一つしか使わないのでやるとなったら不退転の決意で進むべき(もしくはvmwareなどで最初から明確な序列をつくっておく)
インストールは簡単でCD-Rにディスクイメージを焼いて、CD-ROMドライブから起動するだけ。こちらも多少はLinuxのインストールには慣れている前提ではあるが、昔のLinuxに比べるとはるかに進歩しており、もはや他の商用デスクトップOSに負けない品質に到達しつつある。
ということで、以下に良いところ悪いところを書いていくが、デスクトップ用途のLinuxという無償の製品では、有償のフォントデータなどが使いにくかったり、仕様が公開されてないハードウエアは対応ができてなかったりするなど、有償製品がコストでカバーしてる製品クオリティの有無とは判断する基準が違うことを先に書いておく。
■今回入れてみて良さげなところ
1.インストールが簡単で多数のデバイスに対応している。
無線LANは普通に動いた。Centrinoみたいにインテル標準で作られたハードウエアはかなり簡単にインストールできるだろう。
そして、なんと外付けしてるBluetoothも普通に動いた。これは驚きだ。
Bluetooth経由でダイヤルアップができたら乗り換えようと思ってたんですが、ちょっとWebで調べたら、先人の日記があったのですぐにできちゃいました。
ただ、音鳴ってない。どうせiPhone持ってるから結構どうでも良いけど、気になる人は気になるでしょう。何故、音が鳴ってないかは追っていません。Skypeができないのはマズイかもしれないので、いずれチャレンジしてみます。動いてないデバイスがあると途端にハードルが高くなるのがLinuxだったり。(他にもSDカードスロット試してない)
(追記:本件に関しては→を参考のこと。「Ubuntu日本語フォーラム / 7.10音が出ず」 ヘッドフォンで聞いてみたらヘルメットアタカのFlashから音が出てました。それだけわかれば十分です。)
2.フォントが綺麗!
以前は、いくらOSがちゃんと動いていても、フォントという有償製品がネックでしたがクオリティが相当あがりました。
(MSゴシックとかもリコーが提供している有償フォントですので。僕等はお金出して買ってるんですよね。)
3.画面デザインやウインドウのエフェクトとかがカッコいい
MacOSXほどではないものの、使っての満足感は遜色ないです。安っぽくない。若干、青っぽいのと、アンチエイリアスなどの画面処理は、やはりMacやWindowsほどのクオリティではないものの、それでもかなり良いと思います。
(ちょっと画面全体が青みがかってるけどね。。)
4.動作が軽い!
何より、ここはとても満足です。Let's Note R6とVistaはやや性能要件が噛み合ってないと思うのでホント助かりました。ありがとうございます。Firefoxの起動も早いので、UbuntuではOperaよりFirefoxかな。
5.このblogのサイドバーにあるヘルメッタアタカのFlashのブログパーツが普通に動いてるし、Firefox3だったりOpera9だったり、メールなんて別にGmail使えばいいじゃんとか、今時はブラウザさえ動けばどうにも割り切れるのが良い時代です。
その他、パッケージマネージャが素晴らしい、などのUbuntuのメリットは最大限に生かされると思います。
■今回入れてみてイマイチなところ、不安なところ
1.インストール中何度も熱暴走らしきハングアップで止まった
2.無線LANが一旦切れると再起動しないと復帰してくれない。
さらにこのエントリーを書き終えていじってたらフリーズしたこと。
この辺はLet's Noteの問題かもしれません。
Vistaでも本体が熱くなると明らかにパフォーマンスが悪くなっていたようにも思えますし、元々無線LANも他の人(しかも他のレッツノート)がつながるところが一人だけ感度の問題でつながらないとか、何やら怪しい感じだったので、元々ハズレ感が強いマシンだったので、なんとなく納得ではあるのです。
もしかしてVista + Let's Noteは、ソフトウエアの方で暴走したりしないように頑張ってたりするのでしょうか?
今のところ安定性という面では正直不安で、こればかりは実際どう問題があるかは運用の中で見極めたいと思います。
(追記:本エントリーのコメントにてCore2Duoに内蔵されたSpeedStepを利用したCPU速度制御の話があるので、そちら参照)
3.Let's noteタッチパッドをぐるぐる回してもスクロールしてくれるのは右サイドに限られる。
上とか下とか左サイドは動かないような感じです。
(追記:本エントリーコメントにて、レスをいただいているのでそちら参照)
4.Operaは今ひとつ。
多くの人には無関係ですが、iframe内の文字コードの認識などがMacやWindowsとは違うのね。余計に文字化けしてたりします。UbuntuではFirefoxの方が使いやすいかな。
あとは今のところ問題ないかな。バッテリーの持ちのあたりがWindowsでないが故にLet'sNoteの強みが生きるかぐらいでしょうか。
そもそも僕の用途としては、ssh経由によるサーバのログインだったり、イベントやミーティングのメモだったりして、基本的にライトユースなんですね。仕事は仕事用のノートが会社にあるので、excelが必要な用途はほとんどありません。
最近はiPhoneやモバツイッター+携帯で十分遊びには使えるので、外でノートパソコンを開いて遊ぶというシーンはほとんどありません。がっつりカフェでブログを書きたいなんてことぐらいですが、そんなことが落ち着いてできる環境は秋葉原のリナカフェぐらいしかありませんし、それなら今、これを書いているようにUbuntuで何も問題なさそうです。(携帯ならいくらいじってても文句言われないけど、ノートPCは目の敵にされてますね。)
ということで、インターネットにデータを置く時代になって、MS Officeから開放された人には、こういう選択肢も可能で、もはや「Linuxが使いたいマニア」だけの選択肢から越えつつあるのかな?!なんて思っています。
この辺は、本当にオススメできるかは、もうちょっと使ってみないとわからないですけどね。
(念のため言っておくとOpen Officeが入ってるので、Excelなどが開けないわけではないです。確か最新のOpen Office(まだα版?)はxlsxも開けます。ただ、仕事レベルでOpen Officeを勧められるほど使った実績がないのであえてスルーしてます。)
あと、VMWareは入れたいですね。仮想デバイスだからSATAとか無関係に古いXPがインストールできるのではないでしょうか?
現状、やりたいことを実現するのに、Linuxのシェルでvimを使わなきゃいけないとか、そういうシーンはあります。まったくLinuxの経験がない人が、実用用途でいきなり頑張る場合は、まだまだ多少なりとも努力が必要です。
そこはOSXレイヤーとBSDレイヤーをほぼ完全に分離してあると言えると思うOS Xほどの完成度ではありません。とはいえ、かなりイケてるとは思います。
言い方を変えると、ちょっとしたLinuxの経験を補完してあげると、とても便利に使えます、と言ったところだと思います。
やっぱりIPAフォントで見た目が遜色なくなってきたのは大きいなぁ。
最近、空気的にMacに押されぎみのWindowsPCですが、なんか飽きてきたなぁという人には、ちょっとしたチャレンジとしてUbuntuなども検討してみては?
コツは中途半端にWindows環境を残そうなんて思わないことです。
(後悔しない保証はしませんので悪しからず)
p.s.キーボード右下のCtrlキーと、そのとなりにあるプルダウンキーみたいなボタンの2つをPgUp,PgDnに割り当てたいんだけどどうやったらいいんだろう。fnを右Ctrlに割り当てるのでも良いかも。
(追記:コメントにて解決案をいただいております)
キーの変更はxmodmapでなんとかなりませんか?
以下、Debian (etch)ですが参考になれば。
熱暴走ですがSpeedstep辺りを導入してはどうでしょう。
http://d.hatena.ne.jp/sa-y/20070804#1186255150
あと、ぐるぐる回すスクロールですがこんな設定でCF-R7では使えてます。
http://rltm9940.blogspot.com/2008/04/lets-note-cf-r7-debian-gnu-linux-40etch_16.html
>xmodmapの名無しさん
ありがとうございます。できました!
さくっとぐぐると、.Xmodmapで設定する方法、起動時に自動で組み込む方法がすぐ見つかりますね。
(起動したらUbuntuから、このファイルを適用するか?を聞かれました。起動時の記述設定は不要だったのかなぁ・・・。)
>rltmさん
お、SppedStempはかなり期待です。ファイルのダウンロードであとちょっとでフリーズしたりしてました。
試してみます!ありがとうございます。
一つ前のレスのスペルがめちゃくちゃ。
ubuntuのパッケージ検索でもsppedstepって打ってしまうのは何故だろう・・・。
とりあえずcpufreqdを入れて、CPUのピークを800MHzに落としました。しかしそれでもCPUが過負荷になったりするとフリーズしますねぇ・・・。起動で止まることもしばしば。
こんなハードでWindowsは止まらないってどんなことやってるんだろう。あと、Let's NoteはLet'sNoteでユーザーが求めていたファンレスってのは、現実に即していたのだろうか。Let'sNoteはWindowsドライバとセットでこそLet'sNoteなのかなぁ・・・(R7はファンがついてるとか?賢明です。)
おお。ubuntu入れたんですね。
vmwareよりvirtualboxのほうがパッケージが用意されてる分インストール&管理は簡単かもしれません。僕はvmwareでイメージがいくつもできてしまっているので移行できていませんが。。
ちなみに僕は32bitのままserverカーネル入れてメモリ6GBにできました。メモリがあるとバーチャルマシンを立ち上げたときの快適さが違いますね。
SpeedStepの効果は無かったですか。残念ですね。
内蔵音源の件ですが、私の場合逆にヘッドフォンから音が出ませんでした。(etchのalsaが古いのが原因だそうです)
同様の症状に遭遇したUbuntu使いの方の対応策をつかってalsaを最新版に置き換えたら音が出るようになりました。
http://d.hatena.ne.jp/rudeboyjet/20080210/p1
何か参考になれば。
通りすがりの名無しです。LetsnoteR4にUbuntu入れています。
7.04FeistyFawnではpcc_acpiモジュールが入っていて、省電力管理が出てきたようなのですが、7.10GutsyGibbon、8.04HardyHeronにはどうも入ってないようです(うろ覚え)。
($ sudo modprobe pcc_acpi でモジュールをロードできない)
以下のページの手順で、pcc_acpiをビルドできます。
http://www.ossexpo.net/2008/06/lets-note-ubuntu-804-pccacpi.html
pcc_acpiのソースは以下に(0.9.5になってるようです)。
http://download.opensuse.org/distribution/SL-OSS-factory/inst-source/suse/src/
それで、電源制御が細かく可能になると思います。
その上で、本体のスピーカーから音が鳴らない件ですが、次のことを試してみてください。
$ sudo su
$ echo 0 > /proc/acpi/pcc/mute
おお、ありがとうございます。
週末に試してみます。
セミナーのログを記録するためにエディタを使うだけで、バッテリーが熱々なので少しでもなんとかできたらいいな~と思ってました。
音出るようになりました!!
ありがとうございます。
今今、困ってるのは、
modprobe speedstep-centrino
が、Device or resource busy
というエラーになってたりしますねー。
cpu_freqdは動いてるようで、800MHz固定で動かしてますが、speedstepを動かせば、負荷によってダイナミックに変更できるんですかね。。