July 30, 2008
昨日、ちょっと珍しい記事が上がっていた。
「女性らしさを生かして」ってヘンじゃないですか。:NBonline(日経ビジネス オンライン)
上の記事は、社会人2年目の女性の視点からの「働くこと」に関する記事である。
就職活動中の女性の志望職種が、「女性らしさを生かす職種」になっていくのはおかしくない?という問題提起と読んでいる。
女性が社会に出る際に、「女性らしさを生かすために商品開発が向いてるよ!」などと吹き込まれるのだろうか。
何故、女性は、女性に向けてのビジネスを主体に関わりたがるのか、場合によってはそれ自体が女性の活躍の場を女性マーケットという枠に閉じこめているのでは?という疑問と読んだがあっているだろうか。
直接的な回答ではないが、一つの回答が、献本いただいて今回紹介する「彼女があのテレビを買ったワケ」にあるのではないかと思った。
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わかりやすくて、ずしんと響きました。
下手な理論や理屈では女性は動かない。感性に働きかけるマーケティングこそがこれからの時代に必要になる。
女性マーケ本としては普通
女ゴコロをつかむコツ!
本書は、女性向け市場のマーケティング、提案を専門にやられているハーストーリィのプロデューサーの方が書いた本である。
この本は購買に繋げるための女性心理について書かれた本。ターゲットは、マーケッターになりたい女性と、女性の気持ちがわかってない男性のビジネスパーソンということになるだろう。
いかにもヴィレッジヴァンガードのマーケティング本コーナーに置かれそうな内容である。
実は本書の書評は結構どう書いて良いのか困った。
このカテゴリーは、「書評系評論」と言う名であるが、志向しているところは書評のフリをして、自分の好きなことを書くコーナーという位置づけだ。
しかし、何せ女性のマーケティングの話なので、てんで専門外の話しである。せいぜい奥さんの話しか書けない。
そこで、dankogai氏のblogでの本書の書評を見てみると、
404 Blog Not Found:スイーツ(笑←ってる場合じゃない) - 書評 - 彼女があのテレビを買ったワケ
「実はそういうことか」という驚きよりも、「やっぱりそういうことか」という共感に溢れた、本書自体が女性心理の反映のような一冊だった。
という表現。
次に、Amazonの書評を見てみると、
女性のマーケ本を何冊か読んできている私にとっては、非常に普通の内容でした。 その手の本を何冊か読んでいる方には目新しさはないと思います。
と書いてある。おそらく書かれたのは女性の方だろう。
何やら立場によって言ってることが違うぞ、と思った。
この本をいただいていた脇で、僕がここ数日意気揚々と書いていた文章は、iPhoneに関する記事だった。やれiPhoneで何が変わるか、とか、iPhoneのスペックや機能の話、やれ価格が損するだのしないだの。
iPhoneが持つ今の現状は、携帯が培ってきた、おさいふケータイや、既存サイトの利便性ではなく、「男の子」が大好きな未来へのドラマである。『20世紀少年』のケンジが抱き続けるような諦めない夢やロマンだ。
そう僕が数日書いていた記事は、本書で言われているような典型的な男性像なのだ。
だからiPhoneに男ゴコロをがっちり捕まれた状態では、本書の書評はどうしても書けなかった。今は、iPhoneを手に入れて少し解放されたので、本記事を書けるようになった。
本書では「女ゴコロをつかも8つのキーワード」として、以下の項目が挙げられている。
1.「幸せ」
この商品は、どんな幸せをかなえるお手伝いをするのか?が提示されること。
2.「育む」
自分が発掘したものを応援し、成長する姿を見ることに大きな喜びを感じる
3.「選ぶ」
「自分らしい選択」ができる出会いが嬉しい
4.「共感」
喜びや悲しみを分かち合いたい
5.「誠実」
自分にとって身近な生活や子供達を守りたい、身近な商品、出来事を持って企業を判断する
6.「特別」
女性は人とは違うという特別扱いに弱い
7.「ご褒美」
言い訳作りのお手伝い重要
8.「学ぶ」
女性は学ぶのが大好き
男性が追い求めるスペックや機能、iPhoneのように実現していないロマンのようなものと求めるものが全然違うことがわかる。
しかし、冒頭に書いた日経の記事にあったような「女性らしさが有利である」ということを強調する本ではない。何より中で書かれていることは、非常にフラットな感覚で女性が求めるものについて記述してある印象だ。(なので男性が読みやすい)
本書には男性が女性向けのマーケティングをする場合のアドバイスと、女性がマーケッターになるためのアドバイスが書かれている。つまり、「女性が女性のために女性らしさを生かして」という視点ではなくて、「男女にかかわらず女性心理を理解するための本」なのである。
女性に限って言えば、女性が自己の主観や感覚でのみ話を進めようとしてもうまくいかない、ビジネスの中では女性の主観を客観的に表現、分析する能力が求められる。
そのうえで世界にほぼ半数存在するであろう女性の心理を掴んで商品を売るためには何が必要なのか?を理解するというのは、はっきり言って女性という性別の枠組みだけで能力を判断するには難しいことであろう。誤解を恐れずに言えば、女性の良いところを生かしつつ、女性のウイークポイントを捨てる必要があるということかもしれない。
逆の立場で言えば、男だからっていくら頑張っても、男ウケする商品が作れるわけではないってのと同じだと思う。
なお、女性向け企画でなかなか苦労してる我らのチームミーティングで、本書を早速、紹介してみたら、既にうちの若い衆は本書を読んでいた。なかなかやるな。しかし、それならそれで、もっと咀嚼して自分たちのモノにしていかないといかんゾ。
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わかりやすくて、ずしんと響きました。
下手な理論や理屈では女性は動かない。感性に働きかけるマーケティングこそがこれからの時代に必要になる。
女性マーケ本としては普通
女ゴコロをつかむコツ!
えふしんさん、こんにちは。
最近女性のマーケティングも決してバカに出来ない状況になっているなと感じます。
昨日ソフバンショップへ行った時、女性が2名いたのですが、どちらもiPhone購入するために来て料金プランの説明を聞いてあっさりと帰ってしまいました。
え!?と思ったのですが、どうやら料金プランが自分に合わないため帰ったそうです(担当者さんに聞いてみたのですがw)
このお2人は折り合いをつけて買うのではなく、自分が希望している状況が得られない限り、それが人気のある商品でも買わないと判断するんですね。
※しかも1時間も待った挙句でも
こういう感覚って女性(特に30代以降とか?)には多いんではないかと。
私は、欲しいものはあっけなく妥協して買いますけどw(ここがダメなところなんですけどね)