July 04, 2008
誰でもどんなブログでも、適正な読者量ってのが存在するハズだ。
それは更新頻度、話題の内容、文章力、リアルの人脈、社会的地位(を使った場合)などで変わってくる。
これらのいくつかのパラメータがきっかけで多くの人に読まれているブロガーを、「アルファブロガー」と表現したりする。
はてなブックマークなどのソーシャルメディアは、その情報流通にドライブをかける。
を見て思ったこと。
ネタ元の記事は、ヨドバシカメラのネットでの価格とリアル店舗の送料や価格を理由に値切ることができるよ、という話題に対して、はてなブックマーク経由で多くの人がその話題を知ることとなり、真面目な人たちが、ネットとリアルの価格設定の理由を考えたら、そんなことやるのってひどくない?という批判的な声が大きい、という現状であろうか。
情報格差を利用した、ちょっとした「生活の知恵」みたいなものだと思うが、こういう裏ワザみたいなのは、こっそり流通させるから、裏ワザなのであって、みんながやり始めると、そういう価格体系を維持できなくなる、かもしれない。
ただ、批判する側も若干センシティブすぎるなぁと思うのは、送料がタダなのは、結局、アマゾンがあるからで、リアル店舗で送料が無料ではないのは近隣のライバル店舗が送料をタダにしていないだけだからではないだろうか。
ただの競争原理に基づく話で、当然、その価格差が起きることはお店側は認識していて、そういうのを理由に値引きをもとめてくる客が出てくるのはビジネス決定の段階で織り込み済みのハズ。
だから、それを利用して安く買うのは店員がコミットしている以上、何も問題はない。まして、どっちで買っても黒字ならグループ全体で見れば利益率は変わらない可能性が高い。
ただ確かに、グループで会社が違って、結果、量販店側の利益が失われるなら他の人の利益で、ヨドバシの店員のお給料がカバーされてるのはある。
ネットは正論の世界なので理詰めでいくと、批判したくなる理屈にたどり着くのはわからなくもないが、だからと言って一人だけを集中砲火するのは、ちょっと感情的過ぎるんじゃないかなぁ。
これは本来、ヨドバシカメラというビジネスの方で解決する問題であり、情報格差を利用するお客が責められる筋合いはない。
(とか書くと、ネットの価格を間違えたときに開き直るクレーマーになぞらえて批判する意見が出てきそうだが、それとは全然違うから、そこんとこ間違えないように。)
しかしながら、この話、はてなブックマークに載らなければ、「こっそり」の範疇にはいるレベルの話だと思うんだが、はてな界隈の範囲では、「こっそり」では済まなくなったのが批判の原因ということになるだろう。
ただ、はてなブックマークというリーチが、ヨドバシのそのビジネスを揺るがすほど数が多いとは思えないので、これもまた「こっそり」のうちなのではないかとは思うところなのだが。
そんなのニコニコ動画やら何やらで、アニメが見られるよーとかで、アニメ界隈の人たちが失われている明日のお給料に比べたら、大した問題ではないとは思うのだが。(別にハナからプロモーションとかでコミットしてれば問題ないんだが、勝手に他人が流通させて、これってプロモーションになるからいいよね?なんて理屈は本当は通じない。)
ちなみにヨドバシが一番損するのは、じゃぁネットで買うからいいやと言われたお客さんが、アマゾンやkakaku.comの他のお店で買われてしまうことだと思います。少々ノイズがあっても数万人数十万人規模で見て、ちゃんと利益出るように上の方では計算されてるからそんなに心配しなさんな。(たぶんね。ひょっとしたら現場の人は、過剰にネットを恐れてるってのはあるのかもしれないけど。)
↑今月の月刊アスキーの「何故この価格で儲かるのか?」は見ておくといいかも。
p.s.引用元の話に言及すると、この話はヤマダのそれとも全然違います。それがひどい話でも全くwin-winにならないディールはしない。例えばトヨタは確かに乾いた雑巾を絞ることで有名ですが、それが本当の原因で潰れた会社ってあるんでしょうか?(いや、知らないだけかもしれないので。)あと、何かネットユーザーの力を過信してるのかもしれないけど、一消費者に対して儲からない商売するほど会社はバカじゃないと思いまふ(たまにバカな会社もある)