July 02, 2008
販売奨励金が悪いとか、そういうことではなくて、結果論から見れば、グローバルを見据えていないで、国内にリソースを投入しまくった経営の問題だが、日本の携帯は世界のトップランナーだとみんな思ってたんだからある意味、仕方ないのであって、販売奨励金なんて些細な問題だと思うのだがー。
ただ、誰もが「誰かが世界に行く」とか思ってたのかな。でも誰も行けてなかったってことなのだろうか。
(しかしながら、日本の携帯の強みが子供向けソリューション過ぎたってのはあるような気がする。)
「日本の携帯電話ガラパゴス」論者は競うように、日本の携帯電話端末が世界に通用しないものになってしまった原因の1つとして販売奨励金を取り上げた。しかしアップルは「iPhone 3G」で、そんな議論などどこ吹く風とばかりに販売奨励金を世界的な価格戦略に組み込んできた。以前この欄で、「ガラパゴス論」は日本の携帯電話端末メーカーをバカにした議論だと書いたが、結局のところ、ポイントはだれが主導権をとるかということにある。端末メーカーが主導権をとってしまえば、奨励金だろうがなんだろうが、使えるものは使えばよいということになる。
しかし一般的には、端末メーカーが主導権をとることは非常に難しい。これを世界的に実現してしまうところに、アップルの凄(すご)さがある。
そもそもドコモの携帯を作ってたNECとか三菱電気や東芝って、携帯電話だけを作ってる会社じゃなくて、電話交換機とか、NTTグループのいろんな設備などもろもろを作ってるわけじゃないですか。
要は日本の電話産業を支える人たちですよ。
つまり、NTTという通信事業を支えることが強みであるハードウエアの提供会社じゃないかと思うのですね。実際の売上構成比で、通信産業の割合って知らないけど、NECとかは半端ないんじゃないですか?
そもそも、「なんとか通信」的な名前が付く会社って、電話機が自由化される前から、NTTの電話作って儲けてきた会社ですよね。
そんな会社が、NTTよりも上位に行こうなんてできるわけがないじゃないですか。
こういう序列を崩すという面でみると、いつかは誰かがやったんだろうな。それが今回、アップルとソフトバンクが、iPhoneという商品をインターフェースとして切り込んできた。
しかも、それを正当化したiPhoneの力はなにかというと、iPodに代表されるユーザーの支持だと思う。その実績があってこそ、門外漢であったアップルが携帯電話ビジネスで、実際影響力を発揮できているんだと思う。
思い出すと、かつて畑違いの業界に殴りこんで返り討ちにあった会社が何社か脳裏にちらつくんだけど、必ずしもユーザーの熱い支持があったかというとそんなことはないと思う。
別に何を言いたいってわけじゃないんだけど、足跡として興味深いと思うのでメモしとく。