May 11, 2008
僕はe-learningという考え方は、トップダウンのイメージしかなくて嫌いでした。
人事部の教育コスト、移動コストのコストダウンや、元々予備校がやっていたビデオ学習をオンライン化しただけのものなど。それ自体には送信側のメリットはあるけど、受信側が「オンラインであること」のメリットはどこまであるのだろうか?という部分で、あまり有効なイメージがわかなかった。
予備校が、Webより一歩手前の時代にCSや衛星放送に手痛い投資をしていて、遠隔教育について力尽きていたってのもあるとは思うんだけど、どうにもe-learningが有効活用されているイメージはない。
確かに慶応SFCやアメリカのスゴイ大学の授業が見られるようにはなってるんだけど、それは、その大学がやってることがスゴイのであって、決してe-learningとしてやっていることそのものが画期的だったわけじゃない。SFCだって、RealPlayerのSMIL(動画+スライドショー)でしかなかったわけだし。この視点だと、結局は既存の序列がスライドしてくるだけなので、他の大学などが真似してもそう凄くないということになってしまうので、そのままだと、おもしろくない。(でもSFCの動画は一時期、頑張って見てました。村井教授の授業おもしろかった。学生の時にあぁいう授業を聞きたかったなぁ。)
他にも情報商材的にいろんなストリーミング教材はあったと思うんだけど、もっと違う、ボトムアップ的なアプローチが欲しかったんですよ。
本当に自分たちが学びたいと思う人達、教えたいと思う人たちがポジティブにネットを生かして勉強をしていくことこそがインターネット的というか。
今は、ボトムアップのアプローチでe-learning2.0と言っても良い新しいカタチができつつある。
例えば、roppongi.jsはその代表例だと思っている。第一回目は、prototype.jsのソースコードリーディングをWebだけで共有した。
他にも、リアルイベントの連動で多数のイベントを配信する試みは沢山ある。WebSig24/7も、今度のアクセス解析イベントもStickamで動画を流す予定。以前やったセカンドライフイベントの時には、セカンドライフにも会場の映像を流したし。
こういうのが気軽にできるようになった背景としては、UStreamやtwitter、LingrなどのWeb2.0系のこじゃれたリアルタイムコミュニケーションが無料で使えるようになったから。
ということで以下のようなサイトも当然のように出てきた。
ウェブ上でのセミナーを投稿、検索できる『Showdango』 |100SHIKI.COM
あえて2.0という言葉を使ったのは、本当にパラダイムシフトを期待しているから。
ニコニコ動画を使った勉強コンテンツなんてのが出てきたらインタラクティブで面白いな。
「やる夫のなんとかシリーズ」で、教材作って、みんなでわからないところをツッコミながら楽しく勉強とかね。はてブに上がってくる、やる夫シリーズを見てると、それなりに素地はあるような気もする。
e-learning2.0に期待することは、教育のコモディティ化、なのかもしれない。
##そういえばWebSig24/7イベントのオンライン参加者向けの動画告知してなかった。
ニコニコを使った講座動画はちらほらありますよ。
印象的なのは、動画の最後に「ここから先は空白です、質問等はここエリアにコメントで書き込んでもらえれば、次回動画で返答します」みたいな質問コーナーを作る文化ができつつある点で、とても面白いです。
おお、もうあるんですか。
コメントの精神的障壁が低いってのは強力ですね。
わからないことがわからないと言いやすいってのは、リアルな場ではなかなかできてないことですし。
roppongi.jsの一回目に参加していてあったのが、誰か1人がわからないと言ったことに対して、全力でみんながフォローするので、全体の進行が止まってしまったというのがあったんですが、それって、みんなが並列に存在するからこどできることなので、うまくやれれば、ものすごいメリットだと思うんですよね。
ちょうど、今度WebSigでやるアクセス解析イベントでも、モバツイを使う話が出ているんですが、その辺のニコ動的エッセンスを組み込めないかな。
疑問とか感想とかつぶやきとか、心にひっかかったものをうまくタイムラインに抽出したいところ。そう考えるとチャットよりtwitterの方が向いてるんだなぁ。