May 05, 2008
ヴィレバンのポップに惹かれた。この著者半端ねぇなと思ったら、この著者の作品は現代文の大学入試対策として、予備校では名前を覚えるぐらい読まされるということを聞いた。
筑摩書房
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思考の熟成
アイディアの台所
とてもわかりやすい本
アイデアを生む方法論
この本が出たのは、1986年
見出しだけでも面白い。一部抜粋。ブログというツールを得た僕等には、とても20年前の本とは思えない。
・(発想を)発酵させる
・(発想を)寝させる
・セレンディピティ
・情報のメタ化
・カードとノート
・つんどく法
・忘却のさまざま
・すてる
・とにかく書いてみる
・ことわざの世界
・第一次現実、第二次現実
・既知、未知
・拡散と収れん
インターネットで何かを作りたい!表現したい!と思っている人たちが、どれだけ多くの人が、これらについて悩み、思考の再生産を繰り返してきたことか。
これにタグをつけるなら、
[ブログ][ライフハック][メタ][フレームワーク][新しいアイディア]
あたり。
発想を通じて、前に進みたいと思っている人にだけオススメしておく。
ちなみに、当時にあったこととして、「パソコンの歴史 1986年」によると、
・マイクロソフト 日本法人設立
・マイクロソフト ナスダックに上場
・PC-VAN運用開始
・一太郎ver2発表
・ドラクエ1発売
・X1G , X68000発表
・PC-98VX発売
・Lotus1-2-3出荷開始
マイクロソフト、excelのライバルであったLotus1-2-3、ドラクエあたりのキーワードを見ると、今の知的労働、コンピュータ社会の基本構成となるメジャープロダクトが一気に出てきた時代。
もしかしたら、それまでにギークの間だけにあった胎動の時代から、知的労働者にとってのキャズムを超える完成されたプロダクトが出始めてきた時代なのかもしれない。国内でもPC-98VXは、「友達のお父さんが使っている」ベストセラーマシンだった。PC-98 + Lotus 1-2-3 + 一太郎なんてのは、Windows PC + Word + Excelとやってることは全然変わらないもんなぁ。操作がGUIになって絵や写真が自由に切り貼りできるようになったぐらいの違いしかないよね。むしろワープロで表組みがやりにくくなった。
当時、僕が現役中学生でX68に同梱されたグラディウスにワクワクしていた時代というのもあるかもしれないが、その裏では、古川さんや中島さんという今時のアルファブロガーによる、マイクロソフトの日本法人が始動していたり、Lotus1-2-3が出ていたりと、実際にわくわくする時代だった。
コンピューターのソフトは、「思いを実現する道具」であるが、本書は「思い」についてどう向き合い、どう整理するか?について書かれた、「今」の言葉で言う「ライフハック」のエッセイである。
ツールとしてのWebやコンピュータに捕らわれる人が多い「今」にはうってつけの一冊でもあるし、「今」の人たちは、この頃の知と断絶しつつ、その知を実現するために作られたさまざまなソフトウエアを見ながら、これは一体何のために作られたんだろう?!と思考の再生産をしていることに気がつく一冊である。
もう思考法、発想法について、他の本なんかいらない。
この本だけを読んで、自分の発想を醸造させればいい、と思った。
はじめまして。
私もこの本読みました。
冒頭のグライダーの例えがいい感じの「掴み」になってて引き込まれました。
(発想を)発酵させる
(発想を)寝させる
というのが興味深い部分でした。
アイディアは寝かせておくというのが大切なんですね~。
私もいろいろやってるのですが、寝かせたものを見直す仕組みを作るのが課題です。
追伸
デスクトップ百景を拝見しました。
私も出先では携帯電話がメインです。2台のケータイをICカード差し替えしながら使ってるので、ケータイのとシンクライアント化にはすごく興味があります。
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