April 26, 2008
プロセスオブモバイルサクセスという本に、モバツイッターの話を掲載していただきました。
翔泳社
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インタビューワーは、本書の著者の1人、「世界を巡るFool on the web | あすなろBLOG」を書かれている美谷広海さん。
本書は、「携帯サイトをビジネスとして立ち上げるために必要な55の勘所で、モバイルサイト構築に必要な要素を全体で俯瞰する本」です。
そこの一つのポイントとして事例紹介に出していただきました。
他の事例紹介がニワンゴとか前略プロフィールとかR25とか、その他、古くから携帯にコミットしてるプレーヤーの事例ばかりの中、モバツイッターが紹介されて大変光栄です。
そもそもビジネス論理で動いてないサービスなので、ビジネスで成功されているサービスと並んで紹介されているのが多少なりとも申し訳なく。でも、美谷さんに上手くまとめていただいたので、よかったと思っています。
なお、以前にも掲載はされなかったけど新聞社さんから取材されたり、湯川さんの時もそうだったし、本書もひょっとしたら中ではいろんな議論があったかもしれないので、今後他の会社さんで何かあるようなら念のため書いておきますが、モバツイッターは「ペパ研」という制度には登録していますが、これは個人サービスです!!
どっちかというと、「1人で作るWebサービス」に取材されるべき><
ログピをリリースしたことからわかるとおり会社は関係ないし、ドメインのコストを出していただきましたが、今のところサーバーリソースも自前でまかなっているような感じで、会社名だけ貸していただいているような感じです。「お前誰だよ」の証明みたいなもので、仕事では一切絡んでいません。むしろ社内に認知を高めるためだったりして。
なお余談ですが、ログピモバイルの中には、モバツイのコードがほんのちょっとだけ入ってたりします。ほんの1〜2行のコードですが、時間がない中で、となりでハマってる人がいたので、3キャリアで間違いなく動いてきた実績あるコードということで提供しました。勘所の一つみたいなもんです。少しは仕事に役だってんだぞということで。
話を戻すと、本書での取り上げ方は僕の中では秀逸でした。
「ユーザーとの試行錯誤によってサービスの価値を高めていく」
というのはそのものでモバツイは、ユーザーの声や行動、ちょっとしたつぶやき、他のマッシュアップサービスへの声を見ながら機能を追加していったのが特徴です。
逆に、自分寄りで考えすぎたものは理解されず使われない、という経験が見事にできたサービスなので、僕みたいな技術寄りのプロデューサーには陥りがちの、なんでも物事を技術で解決しようとする悪い癖のある人には、自分が理解している以上にこの言葉は重要です。
似たような話で、最近思っていたのが携帯GPSの使い所。
はてなフォトライフがリニューアルされ、twitter's fotolifeのKMLファイルが取得できるようになりました。(KMLとは写真ヘッダに書かれた位置情報をXMLで抽出したもの)というか元々あったのかもしれませんが、僕の目につくようになりました。
携帯写真を撮るときに、わざわざ位置情報を添付してくれた人の写真に位置情報がついているので、google mapsにマッピングしたのが以下のURLです。
twitter's fotolife on Google マップ
大分でふぐ、大阪でくいだおれ、三重の赤福の写真などが貼り付けられています。さすがにわざわざGPS情報を添付しているだけあって面白いです。
携帯GPSで位置情報を取得して、写真に添付するフローは結構時間がかかるので、機能としてイマイチだなぁと思っていたんですね。もちろん「できる」は大事なんですけど。
「イマココ」で、自分が今いる住所を簡単にtwitterに送れる機能をつけてから、それ以上の位置情報系の機能を進めていませんでした。イマココより上位の機能をつけるなら、常時携帯が位置情報を測位していて、5秒以内に緯度経度を取得できるぐらいじゃないと辛いなと。(基地局情報は取れるのかな?!)
写真をtwitterに投げるというサービスでtwitxrというサービスがあります。こちらは文字で位置情報を記入して写真を送ると、地図上にマッピングしてくれるのだそうです。
位置情報を添付するならGPSを使うより、文字を入力した方が圧倒的に楽です。
僕は、住所情報から緯度経度への変換は、「二次会サーチ」で使っているのに、写ツへは目がいきませんでした。「GPSがイマイチ」というところで思考停止していたのを反省しました。
GPSは人間の認知を超えた情報を得るセンサーデバイスとしては良いのですが、人間が主体的に情報発信するならGPSではないなと、現状では思っています。
IMEみたいな補助入力装置としてあれば十分かな。少なくともGPSありきってのは違うなって思います。
技術としては住所を緯度経度に変換するところがスゴイんですよね。緯度経度から住所を割り出すのはざっくりレベルであればそんなに難しくないのですが、住所から緯度軽度はなかなか難しくて、そこは文書処理が得意なYahoo!やgoogleがapiで提供しているものをみんな使っていると思います。
いずれにせよ技術と使い勝手のバランス。そして、その裏を支える技術。そんなところのバランス感が大事なのかなと思う事例でした。
マッシュアップ時代には、「スゴイ技術」を無償で利用できたりもします(商用利用はなかなか難しいですけどね)ので、もしあなたがエンジニアだったら余計にバランス感が重要だと思います。