February 17, 2008
はてなスターは素晴らしいサービスだし、他の新しいサービスも、naoyaさんが言っていたとおり、新しいサービスはまず2年は頑張れというところだから現時点で良いとか悪いとかという話ではなかろう。
ざっくり見ている限り、現状のはてなの収益源は、ダイヤリーとブックマークの広告収入と、はてなキーワードによるSEOと絡めたアフィリエイトということなのかな?!という印象。故に、この二つのサービスの安定稼働は必須条件だと思う。
CTOのnaoyaさんが先鋭的な開発をしていなかったことに文句を言っている人もいたが、経営のプライオリティとしてシステムの安定稼働は超重要課題。
もろもろ聞こえてくる話を組み合わせると、ここ一年かけて東京に残るサーバーチームとサーバー環境を育てたのかなーと勝手に思ってたりしました。スケーラブルな組織を作るという意味で明らかに前に進んでいると言えるでしょう。
真相は知らんですが、カードとしてはアメリカ進出と京都移転は想定として持っていて、この1年半でどちらにするか見極めたとか?!
その辺は外野にとってはどうでも良くて、僕が気になったのは、この移転騒ぎで退職された方々の話。
はてな取締役のkossyさんの日記にあった、
京都本社移転について思うこと
昨年末から数名のスタッフが退職しましたが、面白かったのは退職したメンバーも今回の京都移転について「はてなにとってはよい決断」と応援してくれていることです。
ここに対する読者の受け入れられ方が結構ポジティブだったのがどうしても気になったのでエントリーに書いてしまいました。
会社が社員にとって到底賛同できない進み方をしたところで、それが社長の決断であるなら尊重するのは当たり前のことです。
故に「はてなにとってはよい決断」と発言するのは大人なら当然のことであって、それに対する社員の選択は「残るか辞めるか」のどちらかしかない。社長が孤独だと言われるのは、こういうところにあるんだと思いつつ、評価する側される側という主従関係がある以上はこれは仕方のないことだと思います。
だから、その発言自体が必ずしもポジティブな意味ではないと思う、ということは書いておきたかった。
僕も以前、全く同じ事を言って辞めたことがあるので、そこに勝手に重ね合わせているだけかもしれません。
ベンチャーは、社長の意思でかなりダイナミックな動きができるのが最大の魅力であり、それについていく社員もまた様々な経験ができる魅力があるわけですが、そこには必ず良い面と悪い面があって、今回は悪い面が出てしまって、会社の方針についていけなくなった人が出てしまったのかなという印象です。
もちろんアメリカ進出を期待していた人が方向性とあわなくなったというのなら、そればかりは仕方ないのですが。
ちなみに、この文章をアップしている「会社活動」というカテゴリは、まさにこういうタテマエ的なところと、自己の意思との両立があることを意味して付けた名前です。例えば、僕は今話題の課長級の上司という役回りですが、上司と部下と言う関係は役割分担の一つでしかないと考えています。
この世界はアルバイトで入った人がある日突然役員になってしまったりする世界ですから、そこに何か人間的意味合いを見いだすのに意味がないという部分と、上司がエライのではなく、「上司という役を演じている」という考え方をしています。だから「会社活動」なのです。
僕は小心者でネガティブで非コミュな人間なので、素で人を動かす力があるか?と言われればありません。でも上司という役回りで、それが仕事の遂行に必要であれば、常識と能力の範囲内であれば何でもやります。いわゆるロールプレイって奴です。いつ限界が来るかわからないとも思っているので、力不足にならないよう日々の研鑽は欠かせないと思っています。
そういうことで会社の繋がりに対しては、割と打算的な考え方をしている方だと思っています。だからこそ「はてなにとってはよい決断」の裏側にある、会社の方向性についていけなくなった社員の苦しみみたいなものを、勝手に考えちゃったりするんですよね。想像するに、単純な場所の問題ではないんだろうと。
実際、辞められた方がどう思ったかってのは知りませんけど、ただ外から見ていて、そんなにめでたい話じゃないなぁという印象。会社も辞めた人も相応に血を流してる。なので、このコンテキストで「はてないいなぁ」とか「はてな入りたい」って言う人は、ホントに大丈夫なんだろかとか思うことありをりはべりいまそかり