February 16, 2008
WebSig24/7の懇親会などで、小さな規模の制作会社や、フリーのWeb制作者さんとお会いするケースが多いのですが、
「何やってるんですか?」
「フリーでWeb制作やってます」
「具体的に、どんな仕事なんですか?」
「いろいろやってます」
以上。
・・・というケースになってしまって、それ以上話が進まないことが結構あります。
大きな会社を担当してる会社はクライアントの名前が出せなかったり、小さな所はインパクトが大きくないため言えないというケースがあって、こちらからは聞きにくかったりします。
かたやWebサービス系は、本社が京都に移転するというだけで、やれビジネスが成功だの失敗だのとユーザーの方で勝手に大騒ぎしてくれたりと、話題に事欠きません。
結果的に僕がお会いしたことある制作者さんのほとんどを僕が覚えていないというのは、非常に勿体ないと思うわけです。
僕も最近は、若干、名前を覚えていただけるようになってるのですが、それはF's Garageかmovatwitterのどちらかを認知していだいていると話は早いようです。逆にそうでなければ、覚えてもらえてるケースは少ないと思います。
話を聞くと、営業の効率化のために無駄な露出は避け、優良顧客候補にだけ自分の実績を公開したいという人もいるようです。そういう人は知り合いベース、紹介ベースで案件が進んでいたりして公開する必要がそもそもない人だったりもして、結構クローズドな世界とも言えます。
ただ、そういうのは単純にインターネットっぽくないなぁと思います。
沢山の制作者さんと会って名刺を交換しているのに、先日、私のお客様に「Webを制作してくれる業者ってどうやって見つけるの?」と聞かれたときに答えられませんでした。
結局、「楽天ビジネスで見つけてみては?」などと自分では絶対にやらなそうな方法しか教えることができませんでした。
この断絶について、制作者さんのWeb上のアウトプットが少ないというのはよく感じます。アウトプットと言っても、日記のようなblogではなく自社のブランディングに繋がるコンテンツが足りない、ということです。
・この人は、ものすごく仕事が早い
・この人は、素敵な人で一緒に仕事してみたい
・この人のマークアップはものすごくクオリティが高い。
・この人の作るネットショップは売れる。
・この人はデザインもマークアップも開発もできるのね。
・この人は、環境問題のWebサイトを作らせたら一番だ。
・・・というのを一つで良いからネットから特徴づけられるアウトプットをすると良いと思います。
そういうのを名刺にURLを書いたり、話をしたときにネタにしてもらえるといいんじゃないですかね。
これ、人気のあるWebサービス系企業の場合も同じです。
・この会社は変
・この会社の技術力は高い
・この会社の考えることは面白い
こういったアウトプットが認知されると、
・環境系サイトを作るなら、あの人に頼もう
・面白いことをやるから、あの会社に相談しよう
ということになります。正確には「こういうサイトを作りたい」っていう時に、「あの人が詳しいよね!」って思い出してもらえたら勝ちでしょう。
受託と並行してプロダクトを持っていたりするのに忙しすぎて手を付けられないという話を聞くこともあります。もうちょっとつっこんで聞いてみると、そもそもプロダクトそのものが売れていないから、というのも少なからずあるように思えました。
しかし売れてなくても、何かをやり続けるのは大事なのではないかなと思います。お金に繋がっていなくてもオープンソースにするとか、何かのボランティアプロジェクトに活用するとかで、本業に繋がるPRに使うことはできます。
案件をこなすだけでプリセールスにかける時間が作れないと、一般的には先細りしてしまいます。そもそも受託は外にPRできるアウトプットが少なく、今やってることが明日の案件に繋がる相乗効果が少ないのですから、そこは意識して、営業マンや広報の替わりに何かをやっていくことは必要ではないでしょうか。
特にこういう案件をやっていきたい、とか、こういう業種が得意だという指向性が少しでもあるなら、是非PRしていって欲しいですね。
##といいつつも僕もオープンソースについては、まったく同じ状態で、今のままオープンソース界隈の人にあっても認知されることは少ないと思っています。僕は僕のセルフブランディングのためにも、もうちょっとプリミティブなモジュールなどを作ったりしてアウトプットを意識しないといけないと思っています。是非、みんなで頑張りましょう。
##あと本ね。本書きたい!とか思ってもネタが提示できない罠。
ものすごく共感できました。
どちらかというとパーソナル・ブランディングということにもつながるでしょうか。
実は今、自分のブログは止まっているのですが、この記事にもある「インターネットでのアウトプット」についてどう自分がとらえて行動すべきか悩んでいます。
いわゆる知的生産化 (?) をインターネットを利用してしていくことにすこし弱腰になっている自分がいたりします。
ただ、その悩み自体もアウトプットすべきだと最近は考えているのですが、なかなか前に進まないのが現状です。
ちょっと話が逸れてしまいましたが、近いうちに更新したいと思います。
ちょうど今の自分に向けた問いかけとリンクしたのでコメントさせていただきました。
サンクスです。
むずかしいですよね、アウトプット。
アウトプットやったら彼女ができましたとか、身長が10cm伸びました、グーグル入れました的な、速物的なサクセスストーリーがもっと増えると状況が変わるとは思うんですが。
逆を言えば、そういう劇的なサクセスストーリーが聞こえてこないってことは、現状の日本のwebではアウトプットはあまりメリットがないと思われてもしかたないのかもしれません。
自分的にはアウトプットは成功への手っ取り早い近道だと思うんですが。
>bookslopeさん
bookslopeさんは、blog以外でいろんな露出はあるし、十分フォローされてるでしょう。ただ日本でIAの話って断絶していて、今でも「誰のためのデザイン」を引用したくなるような話を沢山見かけるので、そこんところは是非とも牽引して欲しいですね。
是非今後は業務でもアウトプットできるような立場になっていただけると。
>fladdictさん
そもそも受託で仕事してる人にblogやってる人が少ないというのが結構気になっていたりします。
WebSigでイベントやってもblogにレポートがアウトプットされることは少なく、どちらかと言えばmixi日記だったりするのが実感としてあります。
仕事の流れがクローズドで完結してるから、外には繋がりを求めないってのはあるかもしれませんね。だから、サクセスストーリーがあったとしても外には聞こえてこない。
ただ一方で、情報発信をしているから本を書けるようになったりとか、やりたい方向のお客さんと繋がることができた、と言った話は聞いているので、そういうのをどうやって伝えていくか?みたいなのが重要なのかもしれません。
実感的には、はてブを見ている人も少なくて、はてブで話題になる話は全然知らない人もかなり多い。fladdict.netは沢山の人が見てると思いますので、takaさんが発言をすると沢山の人に伝わるかと(^^)