January 17, 2008
MacBook Airの買えない感ってなんなんだろうなぁってずっと考えてた。
そうAirは、RX-7などの2ドアクーペみたいなパソコンだったんだ。だから買えないんだ。
2ドアクーペと呼ばれる車は、ドアが2枚しか無くて、流線型のような形をした車のことだ。
最期の世代のRX-7は、世界で一番優れたボディラインの車だったと思う。
一度は乗ってみたい車。
ドアが2枚しかなくて、後席が狭いので、家族を持ったり、いろんなことに使いたい人はあまり買わない。
日本では、いわゆるハチロクのような低価格なクーペがあるので親しみやすいが、クーペは基本的にお金持ちの人が贅沢に乗る車である。
そりゃそうだ。合理的に考えたら、後席があるのにドアが2枚しかないなんておかしいし、何より車内が狭い。
海外メーカーのクーペは高級車の証。
普段、セダンに乗っている人が、休日を楽しむために買う車でもある。
まさしくAirは、MacProやMacBookProを使っている人のサブノートという位置づけがしっくりくる。
それに対してMacBookは、まさに80年代のマーク2だ。
マーク2は非常にバランスが取れていて、上位車種であったクラウンに負けない静粛性を兼ね備えた車だった。MacBookProとあまり差別化できてないところも、当時のマーク2とクラウンの関係に似ている。
4人乗りのハードトップという構造で、若干狭かったもののスタイリッシュ。家族で乗るには十分で80年代には、200万後半から300万もする車なのに、月間で1万8000台ぐらい売れていた化け物車種だった。
普通に家族で乗れて、パワーも十分、ちょっと高級感も感じられるところが、MacBookにそっくりだ。
MacBook Airが発表されて、Airを買えないと言っている人の意見は大体、こんな感じだろう。
・性能の割に値段が高い
・メモリが増設できない
・バッテリーが交換できない。
・CPU性能が足りない
・薄い割に重い
・SSD高すぎ
・HDDも80GBじゃ足りない
クーペを買わない人の意見はこんな感じ
・実用性の割に値段が高い
・ドアが少なくて乗り降りが面倒
・荷物が積めない
・トランクが狭い
・車内が狭い
・前が見えない。
・後ろが見えない。
この辺の不自由度が非常にクーペに重なる。
そして、どっちも、
「でもカッコいい、でも万人には買えない」
Airを買えないと言った人が求めているのは、僕も含めて
「薄いMacBook」
だったんですね。
そもそもMacBookProとMacBookとの間で画面サイズ以外に明確な性能差がないのに、さらに同じような薄型ノートを作るわけがない!というのはありますね。
Macというコンセプトを守るという一本通ったスジがあるなら、どこかそれ以外で差別化せざるを得ない。そんなところがAirへの不満の声とシンクロします。そう考えるとMacというマシンは何種類も存在する必要のないマシンかもしれませんね。
ただフルサイズキーボードに、大きな液晶がついているからこそ、こういう文句が出たというのは間違いなくあるでしょう。小さなキーボードに小さな液晶だったら、まぁ仕方ないよねという話かもしれないし。
まさに「あと一歩足りないMacBookに見える」から文句を言うという奴です。
念のためAirを購入するか迷ってる人に、僕の独断と偏見で、MacBook Airに期待してはいけないことを書いておくと、
・沢山のGUIアプリを動かして本格的に長時間作業に使うこと。
・ParallelsでWindowsを使う
メモリが2GB固定のAirには、この2点は向いてない。メモリが足りません。
Parallelsは、Windowsが必要とするメモリ以上に仮想メモリを食うみたいで、Windowsに768MBも割り当てたら、もういっぱいいっぱいになります。ブラウザもメモリ食いで、なんか気がつくと、残りメモリが20MBぐらいになってることが多いです。
残り20MBぐらいになると、Safariでウインドウが開けなくなったり、Safariが落ちたり、IMEの入力時にアプリケーションが固まったり落ちたりします。Macが調子悪くなったときはメモリがなくなっているケースがほとんどです。1GBのMacBookの人は、露骨にこういうことを経験しているのではないかと思いますが、Parallelsを使わずとも2GBでも結構経験します。まぁ使い方の問題なんですが、富豪的ではダメってことです。
なお日本人が慣れ親しんだLet's Noteや、ジョブスのプレゼンでも比較対象となったVaio typeTなどのB5サブノートは、言ってしまえば、
「トヨタのビッツ」や、「ホンダのフィット」
ではないだろうか。つまり日本が得意とするコンパクト車。燃費もよくて乗りやすくて、取り回しやすい。ジョブスが言う通りパワーは足りない。
RX-7とビッツは、そもそも存在価値としてのコンセプトが違うのであって、両方共に軽量だからと言ったところで、似て非なるもの。両者は全然違うわけです。
パソコンは、パソコンの形をしているので、薄いか分厚いかぐらいしか見えないけど、Appleが大事にしたMacのコンセプトが大事にしたものを薄型ノートで実現するためには、高級クーペのようなシュリンクダウンの仕方になったということだろう。
それが、
・薄型でスタイリッシュ
・画面大きい
・フルサイズキーボード
・CPU性能を1.2GHz級まで下げない
・その代わり、必要最小限のIOポート、バッテリ交換不可、メモリ増設不可と言う制約
ということになる。ドライブは明確にいらないでしょう。DVDドライブは、AppleのVideo Rental事業のコンペティター用のデバイスでもあるわけですから。
MacBook Airに関する客観的な考察は、PC Watchのレポートがオススメ
あとは、HeartLogicさんと同じ意見。
「MacBook Air」ほか、Appleが「Air」をキーワードに新製品を発表
とりあえず初代MacBook Airは金持ちだったりAppleへの忠誠心が高かったりする人が買い支えて、次世代も出るようにして欲しいなあ。他力本願に祈ってます。
うちには名機 G4 Cubeがあるけど、アレみたいにならないことを祈る限りです。
Airの購入に関しては、128GB SSD + 4GB RAMが手頃になったら理想ですね。
メモリもSSDも時間と共に価格が下がることが決まってるデバイスですからタイミングの問題なのは明らか。そこさえカバーされれば、MacBookじゃなくていいんじゃないかなぁ。
ただ僕は、マルチタッチパッドが搭載されたMacBookが出たら、120GB以上のHDDにして買っちゃうと思います。もう朝の4時間まで起きていて、何も買えなかったフラストレーションが溜まっていますから(w
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追記:
外人もなんか似たようなこと言ってるようで。
MacBook Air にはピッタリのマーケットがある
めざましTVにせよ王様のブランチにせよ、Airを貸し出してタレントに宣伝させているのは、まさしくこの辺のことなのだな。宣伝のために、わざわざ2週間遅らせたんじゃないの?という気もしてくる。ただ、Macのブランド戦略は別に今に始まったワケじゃないから、市場が広がるかというと、そんなことはないと思うけど。
MacBook メモリ2GBで、Leopardだけど、変わらないよ。
メモリ4GBあれば違うかもしれないけど。
MacBook AirはG4 Cubeと同じ行く末だろうね。
日本市場を見込んでつくったのだろうけど、的外れもいいところだ。
>Airの購入に関しては、128GB SSD + 4GB RAMが手頃になったら理想ですね。
同意です。しかし問題はその頃までMacBook Airをリリース
し続けているかという点ではないでしょうか。