December 16, 2007
社名とかで検索エンジンにひっかかるのが嫌なので具体名を書きません。ごめんなさい。
本人の苦悩はとてもわかった。他のエントリーを見て人事担当としての使命感を持ってるのも伝わってきた。
しかし自社blog上で、実名と立場を出してるブログだ。1クリックで自社商材に到達してしまうような人事担当の、ある意味ビジネスブログとも言えるブログ上での復讐。
悪く言えば子供の復讐にしか見えない。
自分たちのメシのタネであるWWW上で直リンクが繋がっていることの重みを知ってやってることなのだろうか。
ビジネスブログを売る立場が、ビジネスブログの最大のリスクを演じたことになる。
ましてこちらの会社は関西の大学生に非常にブランド力が高いと聞く。
彼らへの会社の窓口として与えるダメージは一体どんなものなのだろう。
しかも、社員の誰もが知っている人事採用担当が会社辞めます、トップはダメですなんてのは、この会社で、これ以上の反乱はそうはできないことだろう。
でもおそらく、そんなことは重々承知していて、それでもどうしようもない感情の矛盾の中で書いたエントリーなのだろう。
社長は会社を守る、マネージャーは部下を守る。
彼にはマネージャとして守りきれなかった苦悩を感じた。事業には関わってなく、彼の立場では守りきれなかった、ということなのか。
こういうことはどんな企業でも起こりうることであり、特にベンチャー企業は、こういう矛盾が極めて起きやすい。
事業を大きくするプロセスは、あらゆることが不安定だから。ここを乗り切るのは学歴が高くて頭が良いとか、頑張りとかそういうことだけじゃない。
だから海千山千を超えてきた経営者が求められるのだろう。ベンチャーは経営者自身がチャレンジャーなのだから、経営そのものが成功することもあるけど、失敗することもある。
ただ、頭がいい人は、ロジカルに考え過ぎちゃうから、人員を「リソース」としてだけ見てしまうってのはあるよね。特に外資出身の人には多いかも。
そこから生まれる「感情の矛盾」だけで切り取ると、どこの会社でも起こりうることのように見えた。
今回のポイントに関しては勝手に思ったことだが、新卒がリストラの対象になってしまったということなのかなと思っているのだが、
売り上げを上げたい→人が足りない→だから人を採用する
というサイクルは、
売り上げが実現できない→予算の前提となる固定費が重荷になる→固定費を減らす
ネットビジネスは人件費比率が圧倒的に高いので、最悪の場合、人を減らすか給料減らすかない。材料費を削減して手抜き工事とかできないんで。
というサイクルをもまた生む。
会社自体が勝負をして大きくなる会社で、そこに経営者が人材採用の形で、マネージャや社員に投資して、うまくいかないというのは、「頑張った、頑張らない」とは別の文脈で、その期待を生かせなかった先輩社員の一日一日の行動にも責任があるわけで、そういう総体が「企業」であり、その全体から生まれる矛盾が新卒社員という「まだ使えない社員」にしわ寄せが行ったとしたら、それはとても不幸なことだと思う。
丁度、こんなエントリーを見たばかり。
そこまでしなくても…再起に協力したくなるお詫びは少ない
彼は東北のある県で十数人の零細な工場を経営していたが、バブル崩壊後の不況で倒産の憂き目にあった。
「社員に申し訳ない」と責任を感じたその社長は、農地など自己所有の不動産を売却。退職金代わりに社員に配ったという。そして、無一文になった彼は、家族を養うために一人上京して運転手になった。
そこまでやっちゃいかんでしょ、とは思うけど。
これは日本式すぎ。自殺されるよりは遙かにマシだし、そうしたかったんだろうから仕方ないけど。
あなたでしかできないことはきっとあるはずで、残った資産を生かすためにはどうしたらいいか?という意味で、決して賞賛できることではないと思う。けどまぁ対極なのかなーなんて見ています。
ところで外資系なんかだと人員削減の時に辞めた人のほうがお金が沢山もらえたりして転職活動にも余裕が生まれたり、起業するきっかけになったりするもんだけど、そういうのはなかったのかなぁ。
あとふと思い出したけど、地方で独立してる人って、本社が東京にある会社に勤めていて、支店がまるごとなくなったから、とか、そういうのがきっかけの人って意外と多いかも。そういうプロセスで独立する人って、東京ではあまり聞かないので新鮮だった。
当然、大企業ではなくベンチャーを志望したからには、フロンティアスピリッツはあってのことだろうから、頑張って見返して欲しいですね。無責任な言い方でごめんなさい。