July 27, 2007
W-ZERO3は初代を買った経験があるものとして、結構苦手だ。
新しい奴も、Windows Mobileがメモリ不足などで止まるのにハードリセットのボタンが電池蓋の中に隠されていると聞く。Windows Mobileは新しいバージョンになっても、カーネルのアップデートが見送られているため、メモリをうまく使えずに割と早めにフリーズするという弱点は解消されていないのではないかと思う。
携帯は、Windows Mobileに比べると圧倒的に安定している。
ブラウザの性能は確かに低いが、ここで考え方を変えてみたい。
MovaTwitterやmixiモバイル、モバゲーなどの携帯サイトは、
「携帯電話に最適化されたUIを持つWebサイト」
と考えてみる。
そう考えたら、シンクライアントモデルとしての統合感は抜群だ。
しかも、携帯のUIは良くできていて、GPSやデジカメ機能には、URLやメールアドレスとリンクして、シームレスに機能を呼び出し、データをサーバーに送ることができる。
デジカメデータはメールサーバーを経由した通信経路となるが、MovaTwitterの「写ツ」をお使いの方ならわかると思うが、メールで写真を送るときに、ブラウザに対して全然違うアプリを立ち上げている感は感じられないのではないだろうか?
まるでブラウザのファイルアップロードダイアログを開いて、そこで写真を撮って、すぐ添付して送れるような感じに写真を送ることができる。
この辺の使い勝手は、さすがによくできているなぁと思ったものだ。
僕が抱いている携帯+Webと、Windows Mobile + Webの統合イメージ
それに対して、Windows MobileにWebサイトとの統合感はない。
Windows Mobileは、以前は、いわゆる「ポケットPC」という名前がついていた通り、小さなPCを志向している。
それが故に、表示されるWebサイトはフルブラウザでW-ZERO3に最適化されたサイトではない。
まとめるとこんな感じだ。
■携帯+Webサーバー = シンクライアントモデル
・一ページあたりの容量は小、携帯に最適化
・Webサーバとは通信を通じ密なUI連携を行う。
(ASP.netのポストバックに似てる)
・表示は比較的早い。(軽い)
■Window Mobile端末
・PCを見ているかのように振る舞う
・サイトは高性能(Ajax OK)、
ページ容量大、ページはW-ZERO3に最適化はされていない。
・だから表示が遅い。
MovaTwitterにアクセスしてもらうとわかるが、携帯からGoogle検索はできるし、数クリックでwikipediaを検索することができる。もちろん携帯に最適化して表示される。何よりtwitterにいる人とコミュニケーションも取れる。
twitter上で引用されたURLは、携帯コンテンツ変換を通じてページが表示され、CSS + XHTMLのサイトのblogで、F's Garageのような変なHTMLの設計をしていなければ、CSSを切った形でページが読めるので、いつでもどこでもblogの内容を把握できる。
こう考えるとWebサービスの側で、より適切な情報ゲートウエイや、特化したサービスを提供してあげる方が、遙かに実用度も可能性も高いし、使える楽しさもあるのではないか、と僕は考える。
そもそも僕の場合は携帯とLet's Noteを持ち歩いているので、OfficeやらPDFなどは普通にパソコンで見たいと思っているタイプである。仮にドキュメントなどでA4のPDFがあったとしたら、普通のSXGAクラスのモニターでさえ縦画面は入らないのだから、モバイル機器でPDFを見るというのはよほど緊急な事態に限りたいものである。
携帯は携帯ですっぱりシンクライアントで、シンプルなUIに落とし込んで見たいと思う。何より表示までのリードタイムをいかに少なくするか?がモバイルでは勝負だ。
そして、昨今のapiブームは携帯にこそ恩恵を与える仕組みだとも思う。
ちなみに、以前であればこんな下りが一番しっくり言ったのかなと思う。
「もしmixiアカウントを持っていたらmixiにアクセスして日記を書くのは、携帯とW-ZERO3どっちが簡単で早い?」
しかし、今は、W-ZERO3もmixiモバイルに対応していると聞くのでこのネタは使えなくなってしまった。とはいえ、結局mixi本体にアクセスしてしまうと全然ダメダメな表示になっていたのを携帯版に落とし込むことで、図らずも「携帯でいいんじゃないの?」というところが露呈されてしまったわけだが。
僕は昔、i-modeが嫌いだった。i-modeで時刻表を調べていると、電車が来てしまうからだ。
東京は当時のi-modeの速度からすると、遙かにせわしなかった。
しかし、今の携帯はかなり早くなっているため、3GやFOMAが出始めてから、そういう不満はなくなった。
サイト環境も進化し、googleのモバイル対応や各種マッシュアップのおかげで、PCサイトの情報でさえ携帯向けに簡単に提供することができるようになった。
W-ZERO3も最初は、オオヒダさんのqooqleが表示できて感動した。qooqleで、駅の名前を検索すると、その駅の情報がタグクラウドで出てきて楽しかった。
しかし、Windows Mobile自身の安定性のなさ(ネット繋がらない、Opera起動しない、とか)、スピードの遅さ、それこそ次の電車が来てしまう、次の駅に着いてしまうという、まさにi-modeと同じ経験をしたので、とりあえず僕は今のスペックのままでは完全に見合わせモードである。
i-phoneもまたフルブラウザのため、ひょっとしたらフルブラウザの時代が来るのかも知れないが、現時点の日本においては、僕は携帯向けに最適化されたコンテンツが、サーバーと連携することで生まれる、その統一感にものすごく意味を感じている。