July 11, 2007
僕が内部で調整系を行ってきた、WOM分科会も3回目が終了しました。
とりあえず当初の予定である「全3回」というスケジュールは完了したことになります。当日作業のほとんどを、デジハリの安藤さん、シックス・アパートの河野さんにお願いしていたので、基本的には楽な仕事でしたが、相応に責任感に対して軽いプレッシャーは持ち続けた3ヶ月間でした。
さて3回目は、河野さんが役員を務められるブックオフオンラインさんの「宅本便」というサービスのクチコミプロモーションを考えるというお題でした。実際のサービスを前提に考えるので非常に面白かったし、自分の会社とは違うことを考えるってのも面白いものです。
宅本便は、ブックオフオンラインさんが送料を負担してくれて、自分の家にある本を引き取ってくれるというものです。昔、ソフマップの出張買い取りというユーザーにとっては素晴らしい仕組みがあって、X68000やモニタ、PC9821など、持って行くのがかなり大変なパソコンを引き取りにきてもらったことがありますが、本も持って行くのが大変という部分で、全く同じような利便性を持っています。
僕らは、各チームに入らなかったので、余ったスタッフ2人とリンクシンク取締役の鵜川さんとでチームを組みました。チーム名は、その名も「中の人」
この中で僕が考えたことですが、以下のスライドの内容でした。
企画名は、「ツンどかない」 = 「積ん読かない」です。
こんな感じ(適当ですいません)
冷蔵庫を持たない一人暮らしの学生にとって、コンビニが、「自分の冷蔵庫」になってるなんて話を聞いたもんですが、それと同じく、ブックオフオンラインにみんなが本を売る流れを作ることによって、「みんなの本棚」になるというアイディアです。
例えば、dan kogaiさんや、橋本大也さんなどの著名ブロガーの書評を読んで、ついついセレンディピティでamazonなどから本を買うわけです。
そういう本が、多くの人の本棚に積ん読状態で溜まっていくわけです。
こういう本をずっと家の本棚に貯めておくのではなく、ブックオフに売ってしまいましょう。
bloggerは、本を沢山読みますから、売る本もまた沢山溜まっていくので、ブックオフオンラインさんの顧客にぴったりです。(送料無料で引き取ってもらえるんですが、配送の関係で売る本が50冊単位なのです。)
ブックオフオンラインさんは、書評のアグリゲーションサイトなどを作って、本の在庫とblog書評を良い具合に結びつけるポータルサイトを作ります。
もし、新たにdan kogaiさんのblogを読んだ人が本を欲しいと思ったら、別にアマゾンでもリアル本屋でも良いんですが、ブックオフオンラインさんに行けば、同じようなブロガーが売った本が中古で安価に買えます。
つまり、アルファブロガーを先頭においた、本の流通経路がブックオフを介してできることになります。
ここで作り出したい空気は、「積ん読は損である」という価値観です。
この流れの利用者が増えると、特定の書評の本が優先的にブックオフに流れてくる可能性があります。
なので、ブログを読んで欲しいと思った人が、そこで本を手に入れられる可能性は高くなるのですが、同時に、積ん読状態で今までいつか読もう読もうと思ってため込んでしまった本を、一回、リリースしてしまうことで場所の節約、次の本を買う原資ができるわけです。
そして、本自体はブックオフを中心に回遊しているわけで、また欲しくなったら買えばよい。(・・・多分、二度読まない本が90%以上)
この流れが理想的に回れば、後から読みたくなったときに、ブックオフオンラインにいけば買える。
ある程度の回遊を前提にすれば、今の50冊毎という制約ももっと下げても良いはずですよね。(あくまでも理想ですが、レンタルDVDを例に取れば、考え方として無理ではなさそう。)
優先的に読みたい、確実に読みたいと思う人は絶対に本を買うと思うので、そこが供給源です。
大事なのはブックオフさんには、kogai danさんの書評の本が売っている可能性が高いぞ、という安心感を作ることだと思いますし、本を売ることで他に欲しいbloggerという仮想コミュニティに還元できるという空気作りではないかと。その辺を全て可視化するポータルと、ブロガー向けのブログパーツを作りましょう、というアイディアでした。
これを実現するポータルサービスの要件としては、
・バーチャル本棚サービス
・売った本が、本棚として管理できる。(要は本は持ってなくても、読んだ履歴が残る)
・本一冊一冊は、買い取り価格によって表示を変えて、高値の間で売り飛ばせることを認知できるようにする。
昨年末に沢山本とCDを捨てました。
もうこれ以上持っておくと家が破綻すると思ったので、思考停止してまとめて捨てました。
この時に、ものすごく考えたのは、特にWeb系の本に関しては、同業界や近い人で欲しい人にあげられないか?ということでした。
年末ということもあり、さくっと捨てましたが、ここでうまく本を回した人は起業しているかもしれません。
つまり、やりたいと思っても、労力のかかることなので、そこにビジネスが発生する余地ありかなと。
宅本便を利用することで、本のマーケットプレイスができ(箱詰めして送った本の情報がデジタル化して帰ってくる。)、良い感じにブロガーの間に本が回遊することで、新しく欲しいと思った人だけでなく、手放した人にとっても、安心して売ることができるのではないかと。
・・・と言った内容でした。
最終的な発表については、河野さんのblogに書いてありますので、ご興味ある方はご参考ください。他のチームの発表も写真付きで載っています。