May 06, 2007
「流行る店」という飲食店のプロデューサーの人が書いた成功する飲食店の創り方を書いた本。
元雑誌編集者の人だけあって、雑誌を中心としたマスメディア活用の話が肝として書かれている。
日経BP社 (2004/03/04)
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すばらしい
当たり前
本書は設計、マスコミ対策(パブリシティ)、運用、商品パッケージング(見せ方)などについて書いてあるマーケティングの本であるが、「レストラン」を一つの「Webサイト」に置き換えると、非常に身につまされる話として読めます(w
経営者=発注者
店長=Webプロデューサー or ディレクター
建築士=Web開発者
インテリアデザイナー=Web制作者
などと置き換えたら、そのままWeb業界などにも当てはまる。
僕らは店舗経営をするわけじゃないので、細かいところを読む必要はなく、何を言わんとしているところさえを読めば良いので、気楽に読める。
面白いのは最後のケーススタディ
・オンリーワンの仕事に挑戦するとき、必ず「抵抗勢力」の反撃にあいます。
・成功し出すと「どういう人が呑みに来るんでしょうかねぇ?」と当初首をひねっていた設計関係者も、まるで自分のアイディアだったかのように同業者に自慢する。
・あげくの果ては、柱のタイルから調度品、装飾品、BGMまでそっくりそのままコピーした模倣店が出る始末。
・・・どこかで聞いたような話。
若干私怨的な話とか、愚痴っぽい話が載ってるが、こういうのWeb業界でも同じような話を聞くよなぁと思い出してみると、それもまた著者のこだわりが見えて面白いのではないだろうか。
こないだの、はてなのセミナーにも通じる印象を持った。
ところでアマゾンの本書のレビューで、こんなのがあったんですが、
>ちょっと考えればすぐわかりそうなことばかり書いてあって
>お金を出して買うほどのものではなかった。
こういうのよく聞くよね。Webでも。こんなの半日で真似できるじゃん?とか。
何かウルトラCのようなトリッキーな裏技でも期待していたのだろうか。本書を読むとわかるが、まさにそういうことの対極にあるシンプルな「当たり前」を重視しているので、そこの価値がわからないとこういう感想になるんだろうなぁ。
言うまでもなく、それができていないからこそ、大半の店は一年持たないそうだが。