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藤川真一について


初代モバツイ開発者
想創社再創業 / KMD博士課程
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December 24, 2006

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これ前から思ってたことなんですが、良い文言が見つからなかったものが、kara_dさんとのmixi日記上でのやりとりで出てきたキーワードがぴったしだったので、以下に書きます。

そのキーワードとは、

「meddle / おせっかいであること」

僕はmixiを始めた時、他の数多くの会員サービスと同じく、登録したことすら忘れるようなサービスでした。僕の奥さんがmixi id3桁台、僕は5桁台で、しかも奥さんからの招待状は無視して、会社の人の招待状でようやく入会したという感じで、SNSに積極的な興味を持っていませんでした。

いつものようにorkutで知り合った数人の知り合いにマイミクというつながり申請をして、プロフィールを書いて、そこで終わる筈だったのです。

しかし、mixiからはメールでマイミクの日記の状況が、毎日送られてくるようになりました。

このメールを見ていたら、そこには友人の人たちの日記が書いてある訳ですから、気にならない筈はなく。ついつい日記を読みにmixiにアクセスしてしまうわけです。そして、今に至ります。

僕はこのおせっかいなメールでmixiにアクセスするようになりました。

YouTubeには、動画が終わった後のFlashインターフェースの画面に、次にこれを見ろ、という動画が表示されます。これがYou Tubeの動画を次から次へと見て行くきっかけになる人は少なくないそうです。

それまでのストリーミングと言えば、動画終了後に真っ暗になって終わるパターンが普通でした。これは「ユーザーが見たいものを選択するべし」というオンデマンドという概念が、次の動画をオススメしちゃう、というおせっかいなユーザビリティを実現するに至らなかったと想像してします。

僕も前の会社では企業向けの動画CMSを作っていたので、よく「次へボタン」をつけてください、という要望について個別カスタマイズしていましたが、そこでこういうことに気がつかなかったのは、なんでなんだろう、と今考えたら思うことです。もろもろ考えて行くと「面倒くさい」というエンジニア発想が強かったような気がします。本気で動画を見せる気にはなっていなかった、のかもしれません。たった今、ものすごく反省しています。

「おせっかい」は僕が経験する範囲では、日本人のWeb制作/開発者には苦手な発想です。

昔から、エレガントさを心情とする職人気質の人たちは、「Flashウザイ」「画像重いのウザイ」「勝手に広告でるのウザイ」「Ajaxウザイ」「無駄にメール送るのウザイ」「実装が面倒くさい」と言って、頑としてこの部分を譲りません。

その昔、メーリングリストに画像を添付しようものなら、「賢いインターネットの先人たち」にインターネットに流れるデータ量を増やすな、などととんでもない避難を浴びたものですが、そういう経験が頭にこびりついてしまってるのか、最小構成で、謙虚であり、ユーザーの選択にすべてを委ねる前提で競争すべし、と考える癖がついてしまっているのです。

そうすると「ユーザーがうざいと思う・・・、存在そのものが・・・」となり、「どう実現するか?」ではなく、その議論の手前の、「そもそも実装するか否か」で議論が紛糾している間に、mixiやYouTubeがスゴイ勢いで駆け抜けて行ったのは事実だと思います。

もし考え方を変える必要があるのなら、

「それをやることでユーザーがうざいと思うか否か」

ではなく

「どうやったら、うまくおせっかいできるか」

という、

「おせっかいの質」を追求すべきです。

例えばYouTubeは、オンデマンドの考え方から逸脱して、勝手に次を再生してしまうようなことはしていません。サムネイルやレーティングを見せつつ、ユーザーの選択を求める、このバランスが重要なのだと思います。場合によっては、これを実現するためのだけに、実現しなきゃいけない機能がたくさん増える可能性があります。でも、それをやっても、うまく「おせっかい」をすることが必要なケースもあるはずです。

そのブレストをするためには、チーム全員が「おせっかいの実現」について真剣に考えることが必要です。誰か一人、「それってウザクね?」と思っていたら、真におせっかいな人でない限り遠慮するのが日本人気質というものです。ましてこういう付加要素的な機能を面倒くさがるエンジニアの「工数かかりますよ」攻撃は、こういうアイディアを無効化する絶対的な破壊的パワーを持っています。

それ以前に「そんなのいらない」というnull化攻撃は、前向きな議論を破壊する破壊的キーワードなので、こういう言葉がでてくるようであれば、企画者は会議を打ち切った方が良いと思います。少なくともその会議では良いアイディアは生まれないと思います。

そもそもWebのサービスなんてものは、「そんなのなくていい」というところから、日常的に使ってもらうための価値を提供できるように「おせっかいしていく」ものなのです。まして今のWeb2.0時代、「既に何がしかの代替サービスは必ず存在してたり、ブランドが確立しつつある」という状態でサービスを始める以上、良いもの作れば誰かが見てくれるであろう、という前提で作るものではないですし、本当に効果が出るか、などはわからないと思います。だって「おせっかい」なんですから。だからこそ真剣に「おせっかいの質」を追求したいものです。

そもそも勝ち抜いて行く必要性をわかっているアングロサクソンの考えるWebの考え方では、「おせっかい」は不要なのかもしれませんが、日本人のエレガントでありたい、優等生でありたいというメンタリティにおいては、この概念は意識して持っておいてほしいと思います。

##googleはテクノロジを使って、おせっかいを正当化している会社、とも見えます。そう考えたらWeb2.0の定義の下に位置する概念のような気もしてきちゃいました。

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